Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:いちおう首位ターン

オリオールズ、5月はずーっと「そこそこ」だったのですが、6月に少し上向きになってカード勝ち越しがとれるようになり、気がついてみたら現在首位。トロントヤンキーズが6月に失速ぎみだったことが大きいのですが、オリオールズも正捕手の(そしてバッティングも非常に好調だった)マット・ウィーターズをトミー・ジョン手術で失いながら、よく穴を埋めてがんばっています。

前回のオリオールズエントリ(6月12日)以降の状況をかんたんにまとめておきます。太字はカード勝ち越しです。

6/12-15 対ブルージェイズ4連戦 ホーム ○●○●

6/16-18 対レイズ3連戦 アウェイ●○○

6/20-22 対ヤンキース3連戦 アウェイ●○○

6/23-25 対ホワイトソックス3連戦 ホーム ○●○

6/27-29 対レイズ4連戦 ホーム(27日はダブルヘッダー)●○●●

6/30-7/3 対レンジャーズ4連戦 ホーム ○○○○

7/5-6 対レッドソックス3連戦 アウェイ(4日は中止、5日にダブルヘッダー)●○○

7/7-7/10 対ナショナルズ3連戦 アウェイ-ホーム(4連戦の予定ながら8日は中止、8月4日に順延)○●○

8カード中6カードで勝ち越しています。とくに対レンジャースの4連戦スイープは大きかった。ただ、ありていに言うと、レンジャースは現在、ほとんどすべてのカードで負け越しているんですよね。信じられないけど。

また、オリオールズは2点差以内のぎりぎりの勝ちも多く、けっして圧倒して勝っているわけではありません。

つまり、まだまだこれからだな、と。

いくつか話題をピックアップしておきます。

◎オールスターには今年もファン投票で3人選出。

ネルソン・クルーズはDH部門で初めからぶっちぎり、トミージョンでシーズン終了のマット・ウィーターズも最後A’sのノリスに追いあげられながら1位をキープしました。(ウィーターズは、セレモニーなどには参加の予定ですが、試合にはロイヤルズのサルバドール・ペレスが代わりに出場します。)

アダム・ジョーンズは、ずっと5位で推移していましたが最後に票を集めて3位に食い込みました。4回めの出場で、ファン投票では2年連続の選出。今年はなんとHRダービーにも出場します。これ、けっこうスイングを狂わせる選手が多くて、去年のクリス・デイヴィスもそんな気配がありました。でもその懸念についてきかれるとショウォルター監督は、「もともとそういうスイングだから」って……(笑)。ジョーンズ、ボティスタに声をかけられると、いちおうショウォルター監督におうかがいを立てたそうです。すると監督が「きみはどうしたいんだ?」とたずね、ジョーンズは「出場したいです」と。つまりあれですね、おうかがいというよりはご報告ですね。

マット・ウィーターズはトミー・ジョン。代役2人、奮闘中。

春先から右ひじの痛みを訴えていたウィーターズは、当初の目安としていた7月1日まで待つことなく、結局6月15日にトミー・ジョン手術を受けました。投手に比べると野手のTJは復帰までの期間が短くてすむと言われますが、捕手だからどうなんだろう……。オフにヒザを手術したマチャドのように、なんとか前半戦の途中からでも復帰してくれるとうれしいのですが。

マーくんが靱帯の小さな部分断裂でPRP(高血小板血漿)注射を受けるというニュースがかけめぐったところですが、マット・ウィーターズも、昨年のディラン・バンディも、MRIによる最初の所見では「靱帯に損傷は見られない」とされ、やはりPRPを受けたのでした。でも痛みが消えずに結局手術になってしまったんですよね。

ただ、2012年の春に肩の痛みでPRPを受けたザック・ブリトンは、完全に回復して、今、オリオールズのクローザーとして活躍しています。なのでわたしの頭のなかでは、PRPは「炎症の治療には一定の効果がある」というイメージです。

話がそれました。そんなわけでウィーターズは今期終了。でも、今行われているヤンキース戦では球場にかけつけてチームメートをサポートしています。

でもって、代役はほんとに奮闘中。

・ニック・ハンドレー

5月24日にトロイ・パットン+キャッシュとの交換でパドレスから移籍。投手陣をひととおり把握してからは、守備、オフェンスともに安定感のある働きをしています。昨日、7/11日のヤンキース戦では延長11回にサヨナラヒット(動画)。アダム・ジョーンズからおなじみのパイ攻撃も。(昨日はバナナパイだったようです(笑)。昨年まではシェービングクリームだったのですが、今年からほんとのクリームになりました。)オリオールズではまだ出場10試合ながら、打率.258、10打点をあげています。

・ケイレブ・ジョセフ

ウィーターズのケガが表面化した5月初めに昇格、5月7日にメジャーデビュー。今のところ打率は2割に届いていませんが、昨年2Aでは.299、HR22本を記録していて、パワーもあります。でも、今はむしろ守備面での評価が急上昇。もともと投手のリードやキャッチングには定評があったようですが、弱いと言われていたスローイングで、なんと盗塁阻止率52%という数字をあげています(企図29、阻止15)。分母が少ないとはいえ、現時点ではメジャー1位の成績。先ほど、ウィーターズがDL中もチームメートをサポートしていると書きましたが、ジョセフは、スローイングの際の足さばきについてウィーターズからアドバイスをもらい、非常によくなったと言われています。

この2人のほか、ハンドレーが移籍してきたとき3Aに降格になったスティーブ・クレベンジャーも今日(現地7/12)からメジャー昇格しています(登板機会のないミゲル・ゴンザレスと入れ替え)。こちらは下で.328とよく打っているので、しばらくのあいだ左の代打として起用されるみたいです。

◎ジェイク・アリエッタがカブスでブレーク中!

今名前の出たスティーブ・クレベンジャー+スコット・フェルドマン⇔ジェイク・アリエッタ+ペドロ・ストロープというトレードでカブスに移籍した、ジェイク・アリエッタ。オリオールズでは開幕投手も勤めるほど期待された投手でしたが、試合ごと、あるいはイニングごとに交互に現れる「ふたりのアリエッタ」をどうしても克服できず、ついに手放されてしまいました。

ところが今年は5月初めにメジャー昇格すると、以後5勝3敗、ERA1.95というすばらしい数字。そればかりではありません。7回途中までノーヒッターをやったかと思えば、つぎの試合では9回1アウトまでノーヒッターという具合に、ほんとうに支配的な投球をしているのです。カブスはサマージャ、ハメル(こちらも元オリオールズ)というふたりの投手をアスレチックスにトレードしたばかり。アリエッタは名実ともにカブスのエースとして、これから上がってくる若い選手たちと一緒にチームを強くしていくことになるんでしょう。オリオールズにいるときは、どうもショウォルター監督の評価を気にして自信なさげにピッチングしているように見えました(わたし目線)。転地療養がこんなにぴったりはまる人もいるのねとびっくり。応援してるでよ。

◎ケヴィン・ゴーズマンがキーマンに。

6月7日、二度目の昇格でアスレチックスを7回1失点に抑えたケヴィン・ゴーズマン。そのあとオプションを持っていることが災いして(?)リリーバーが必要になるたびにマイナーに送られ、10日たつとまた昇格というサイクルを繰り返しています。

ファンのなかには、不規則に行ったり来たりさせることで調整に悪影響が出るのではと懸念する声も強いのですが、ロスターの都合だけでなく、あいだを空けることで球数やイニング数をあらかじめ制限し、ポストシーズンに進出した場合でも最後まで投げられるよう調整をはかるという狙いもあるとのこと。2012年にナショナルズが、前年にTJ手術をしていたストラスバーグを地区シリーズのロスターからはずした前例を目の当たりにしましたのでね。

そんなわけでゴーズマンは、前回7月6日のBOS戦のあともオプションされて、オールスター後に再昇格する予定だったのですが、なんと、9日水曜日にウバルド・ヒメネスが自宅の駐車場で足をねんざ。急きょ明日13日の前半戦最終戦に先発することになりました。(DL選手との入れ替えなら、マイナーで10日たたなくても昇格可能。)

そろそろイニング制限も解除になるらしく、ショウォルター監督も“Let it go.”とコメントしてます(「アナ雪」がらみではないと思いますが(笑))。問題はヒメネスが復帰してきたときどうなるかですが、もうがっつり居場所を確保して居座ってほしいですわ、まじで。

ちなみにヒメネスのねんざは、「10段階の8ぐらい」ということなので、ちょっと時間がかかりそうな気もします。……彼はほんと、うまく行ってないんですよね、今のところ。なんとか巻き返してほしいんですけど。

◎ディラン・バンディ、今年は75球まで。

昨年6月にトミー・ジョン手術を受けて、いよいよ実戦復帰しているディラン・バンディですが、球団は、今季いっぱい、バンディがどこで投げようとも1先発あたり75球までに球数制限する方針のようです。ルーキーリーグではケガ前と同じ支配的な投球をしていましたが、1Aに上がってから四球と長打で点を取られるという試合が2つほど続いています。まだ球速が自分の思うところまでは上がりきっていないようなんですよね。でも田澤も2年はかかると言ってましたし、松坂を見てもそうなんで、ここは焦ることなくじっくり取り組んでほしいです。

バンディとゴーズマンがローテでフルに活躍し、ウィーターズも復帰する来年が、わたしのなかでは真の勝負所なのですが、かといって今年を見送る気はもちろんありません。

オールスターが終わると今年驚異の勝率をあげているALウェスト勢と戦いに西海岸ツアーに出かけます。ここが後半戦初っぱなの大きな山場になりそう。なんとか5割は確保したいなああ。

そのころにはまたトレード・デッドラインも訪れます。オリオールズは左打者を狙っているとも、リリーフや先発を狙っているとも言われますがどうなるでしょうか。いやいや、その前にまずは明日のNYY戦です。なんとか勝って勝ち越してほしいなあ~。ケヴィン、がんばれ。

Go, Birds!