arm fatigue: 上原続報
今朝、時事、共同電でも流れたように、「力が入らない」原因は、「腕(とくにひじ)」の疲労だとのこと。ただし重症ではないという判断らしく、MRIはとらない模様。
国内電とあまり重ならないところを、〈ボルチモア・サン〉紙とオリオールズのサイトからざっと抜き出してみる。
◎サン紙
「体は大丈夫だけどひじは大丈夫じゃない」(←本人の言葉ではなく、英語からの日本語訳)という上原のコメントと、昨日、みずから頼んで代えてもらったというエピソードを伝え、だったら先発ではなくブルペンのほうが合ってるのではないかという、周囲の見方が強まったことを紹介。
それに対して、監督、ピッチングコーチは一様に「時期尚早」という見方を示した。
トレンブリー監督
・彼は先発投手だよ。オールスター休みまでは全員がケガなく投げられるよう気を遣って、そこからは一気に行きたい。上原が先発以外の役割を担うことは、考えてもいないし、話題にのぼってもいない。
クラニッツ投手コーチ
・わたしとしては先発で使いたい。そのために連れてきたんだし、実際に彼はとてもいい先発投手だ。今の役割のまま使いたい。それ以外のことを考えるのは時期尚早だ。
さらに、今日の試合前にトレンブリー監督と、マクフェイル球団社長、リッチー・ブランセルズ主任トレーナーが話しあいを持ち(監督とトレーナーはともかく、ここに球団社長までからんでくるんだ……)、できれば日曜日のナショナルズ戦に先発してほしいが、最終的には上原本人に任せる、という結論に達したと伝えている(監督のコメントは時事、共同電で伝えられているとおり)。
ナショナルズ戦……前回飛ばしたのもナショナルズ戦じゃなかったかな? オープン戦で好投した相手だし、できれば投げてほしい……。
◎オフィシャルサイト
基本的にはサン紙と同じ。ただ、最後に、昨日の交代について、上原は自分で代えてほしいと言ったけれど、コーチも5回、6回のコントロールや球の浮き具合を見てそろそろ代えるつもりだったから、どっちがどうということではなく合意の上だったということを伝えている。
さらに、上原のこんなコメントを紹介。
"I'm not a young guy, so I have to confer with my body,"
「もう若くないので、体と相談しながらやります」(←これも英語からの訳なので、言いまわしは違うと思います。)
んもー、それじゃなくても「年で故障がちだから中継ぎに回せ」なんて声があちこちから出ているっちゅうに、こんな言い方しなくても……と思いますが、人の悪口を言っているわけではなく、自分のことを率直に打ちあけているだけで、逆に言うと「言葉でどう言おうと最終的に物を言うのは実際のパフォーマンス」という考えの強くにじんだ、上原らしいコメントだとも思う。(にしても、ホントに馬鹿正直(^_^;;)
MLBの記者もちょっとびっくりしたのか(アメリカ人って、自分の弱みとか自信のないところを自分から言ったりしないものね)、こんな風に記している。
"Uehara, at 34, doesn't make any bones about getting older and feeling his age."
「34歳の上原は、自分が年齢を重ね、年を感じるようになったと、率直に認める」(ヘタな訳ですみません。)
このdoesn't make any bones about:、~を率直に認める、~を隠そうともしないで平気で言う というのが、思わず辞書をひいてしまった「Today's Expression」。なんで「骨」なのか今イチわかりませんが、これって上原をそっくりそのまま表したような言いまわしだなあ、と思う。ボルチモアのみなさん、この真っ正直な男をどうかよろしくお願いします。
今回のこの「ひじの疲労」、今年になって上原がたびたびインタビューでも言っているように、「力を抜くのがもったいないからぜんぶ全力投球」というのと、無関係ではないと思う。その全力投球のおかげで、巨人にいたときよりも立ち上がりがよく、また下位打線に対する投げミスが減っているのもたしか。でもそれなりに代償もあるのではないか。ただ、きのうは腕に力が入らないなかで、かえって球数少なく投げることができたわけだから、「力を抜いた全力投球」じゃないけど(うーん、禅問答みたい)、なんか両方のいいところをミックスしたような、ころんでもただでは起きないぞ、みたいな収穫があるといいな、と思う。(あくまでもポジティブに……。)