Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

Gregg Zaun:捕手 グレッグ・ゾーン

O's 6 - ボストン 2 ○

よかったよかった。「雑草」男、デイヴィッド・ヘルナンデスが7回1失点の好投。(TVで見たら、だいぶ強風に助けられた場面もあったけれど。)打線も、マーケイキス、ライモルドを中心に気持ちよく点を取って、ボストンに快勝。このところの連敗を5でストップし、フェンウェイパークでの連敗も11で止めた(去年の7月11からだそうだから、1年以上フェンウェイでは勝ってなかったのね^_^;;)

弱いチームを応援していると、ひとつ勝つ喜びが大きいなあ、しみじみ……。もちろん上原がいてくれれば、これが3倍にも4倍にもなるわけなんだけど。

さて、コメント欄でのやりとりで捕手の話をさせていただいていたところ、たまたま今日のオフィシャルサイトに興味深い記事が出ていたので、ちょっと紹介しよう:

「ガスリーが、マット・ウィーターズよりグレッグ・ゾーンと組みたがっているが、トレンブリー監督はそれを認めない」という記事

ガスリーは、それぞれの捕手と組んだときの成績に、歴然とした開きがあるらしい。

◎ゾーン捕手と

6勝1敗 防御率4.44 被本塁打7(52 2/3イニング)

◎ゾーン以外と(含チャド・モーラー

1勝8敗 防御率5.86 被本塁打16 (63イニング)

しかし、チームとしてはウィーターズを正捕手に育てようとしているのだから、エース(一応)のガスリーにもウィーターズに慣れてもらわなくてはならない。よって、特別なコンビは作らない、というのがトレンブリー監督の方針。さらに監督は、こうコメントしている。

"The guy who is pitching is responsible for what happens. I think the guy behind the plate is the guy who suggests. Obviously, there might be situations where guys feel more comfortable with other guys. I don't look at it that way."

「投球結果に責任を負うのは、投手だ。捕手は、提案する人だとわたしは考えている。もちろん、相性の問題というのもあるだろうが、わたしはそういう見方はしない」

「投手-捕手」の特別なコンビネーションを設けているチームは多々あるので、この記事に対しても「固いこと言わないでゾーンと組ませてやればいいじゃないか」というファンの声も寄せられていたが、おもしろいと思うのは、そうしたコメントの主も、みな「相性」の問題と捉えていて、ウィーターズの配球を云々する声はないことだ。

ルーキー捕手のウィーターズが、配球面で苦労していることは想像にかたくないけれど、監督のコメントからもわかるように、「配球は捕手のもの」という考え方は、日本に比べると希薄なのかもしれない。

(これはもちろん、捕手が配球を考えない、ということではない。捕手である以上、頭の中には常に、「どんな球で相手を打ち取ればいいか」という思いがかけめぐっているだろう。)

今日はウィーターズの休養日で、ベテラン捕手のゾーンがヘルナンデスと組んだ。ゾーンはすでにコーチ的な役割も果たしていて、ウィーターズのみならず、若手投手陣にもさまざまな指導を行っている。

こちらの記事からゾーンのコメントを引用:

「わたしは3、4日に一度しか試合には出ないが、若いやつらは自分の先発と先発のあいだや、時には試合中にも、わたしの気づいたことや、打者のこと、投球フォームなどあらゆることをきいてくる。とてもやりがいがあるよ。以前のように試合には出られないが、若者が『そうか!』と気づいた瞬間は、見ていてうれしくなる。そうやって話し合ったことをグラウンドで実践して結果を出してくれたときには、コーチのような気分になるね」

ちなみにこのゾーン捕手(ゾーニー)は、上原のことも何くれとなく面倒を見てくれているようで、ブログにも登場したことがある。また、2月のオープン戦で初めてバッテリーを組んだときには、上原がツーベースを打たれたあと、次にすごい球を投げてきた、と言って、こんなコメントを残している。

You could see there was some fire there. He wasn't really happy with giving up that hard-hit ball.

"We were all kind of giggling about it in the dugout. That was pretty cool to see, especially the first time out. 'He's definitely a competitor'.He's out there to win and to pitch well."

「(上原の)闘志に火がついたのがわかった。強い打球を打たれたのがおもしろくなかったんだろう。

ベンチに帰ってからみんなでちょっと笑っていたんだが、あれはなかなかよかった。初めての登板でもあったしね。彼は明らかに負けず嫌いだよ。マウンドにあがれば、とにかく勝ちたい、いい投球をしたい、と思うタイプだ」(2009.2.27 MASNその他)

うむ、一発で上原を見抜いている(笑)。さすがな人間観察力。

ゾーンは肩が弱く、その意味で若く頑健なウィーターズにはなかなかかなわないが、捕手の仕事はグラウンドの外にもあるのだ。

というわけで、ゾーンのようなベテランと若手の力がうまくからみ合う今日みたいな試合がもっともっと増えてくれば、オリオールズももっと強くなるはず……と、1回勝つたびに夢想するのだった。

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(追記@14:00)

27日づけの〈サン〉紙のすみっこに、トレンブリー監督のコメントとして、ちっさい記事出てました。

RHP Koji Uehara (elbow tendinitis) has increased his strengthening exercises, but has not begun throwing, Trembley said. There is no set timetable for his return. …

上原浩治は強化エクササイズの量を増やしているが、まだ投球は始めていない。復帰までのタイムテーブルは決まっていない。

とくに目立った進展はない(後退もない)模様。今、トレード期限直前で、特に、今日もダメダメだった左腕リッチ・ヒルの処遇と、3Aから昇格間近のティルマンあたりに話題が集中しているので、ほかのことにはあまり報道が及んでいない。それにしてもヒルは、今日もまた「取ったら取り返される」ピッチングを披露して、ERAが10点代に到達したのだが、なんとここへ来て「実はシーズン中ずっと左肩に炎症があって、そのせいで安定した投球ができていないんだ」などと言いだした(^_^;;(^_^;; まあ、スポーツ選手はみな痛いところをかかえながらプレーしているのだろうけど、防御率10点代になっちゃうくらい痛いのだったら、投げ続けないで治療してほしいものですよ。