Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

To Stay or To Go? : DT監督の去就は?

タイトルの To Stay or To Go? は、アメリカのファストフード店できかれる「こちらでお召し上がりですか(to stay)、お持ち帰りですか(to stay)」という質問。

でも今日は、DTことデイブ・トレンブリー監督が留任か退任か、という意味で使ってみた。

チームはついに13連敗。シーズン98敗。目前に迫る100敗というくぎりに意味があるかどうかはわからないけれど、13連敗といったら半月近く負け続けているということだ。選手はほんとうにつらいし、苦しいだろう。

そんななか、さすがにここへ来て、DT監督の去就問題がクローズアップされ始めた。

アンディ・マクフェイル球団社長は、当初から、試合がぜんぶ終わるまではその問題には触れないと明言しているので、公式にはまだ何も起きていないのだが、逆に考えると残りの4試合が終わる来週の半ばには、何か動きがあるということになるだろう。

で、地元の記事をざーっと斜め読みしたかぎりでは、「退任すべき」という声が9割を占めると言っていい。記者もファンもみんな含めて。

まあ、当然と言えば当然だろう。悲しいけれど。

(追記、というか訂正:このエントリを書いたあと、〈サン〉のピーター・シュマック、〈MASN〉のロック・クバトコというふたりのベテラン記者がトレンブリー擁護のブログをアップ。擁護派がかなり盛り返して、現在の世論は半々というところ。)

ただ、おもしろいなと思うのは、賛成派も反対派も、基本的な理解にはあまり食い違いがないということ。代表的なものをあげると:

・トレンブリー監督は、すごくいい人。人間的にすばらしい。

・選手ひとりひとりとコミュニケーションを深めようと努力している。

・若手選手の育成に熱心。

・けが人の続出や、マトゥス、ティルマンの温存など、同情すべき要素も多々ある。

ブルペンのやりくり、差配の手腕はかなり疑問。

・走塁、守備などの基本を徹底できなかった。

・Winning Culture(「勝ちたいんや!」って気持ちですね)を醸成できなかった。

これら共通認識の上に立って、留任派は、「チームの不振はかならずしも監督のせいではない。だから監督を変えてもよくなるかどうかはわからないし、新たな監督で一から始めるほうがリスクが大きい」と主張し、退任派は「DTのせいではない部分もたくさんあるのは認めるが、人心を一新し、勝ち方を知っている監督に束ねてもらうことが何より必要」と訴える。

わたしはといえば、やはり見ていて、もう交代したほうがいいんじゃないかな、と思う。トレンブリー監督は、コウジに対して最大限に理解を示し、気を遣ってくれ、また評価もしてくれたけれど、チームの連敗が始まってからの、いや後半戦になってからのコメントを読んだり、映像で見たりすると、もうなんか疲れ切っているというか、ちょっと万策尽き果てて評論家のようになってしまっている。きのうは相手の先発、ルーキーのデイヴィスのことを延々と大絶賛していたし。

そして、この期に及んでさらにけが人も増え続け、9月のコールアップで呼ばれた(らしい)マックロイという中継ぎ投手は関節唇損傷で手術することが決定、またピエの代役でDHから外野に回っていたルーク・スコットも足首痛で途中退場……あと4試合とはいえ、外野手いるのかなー(^_^;; なんか、メジャーのチームというより、甲子園の連戦で疲弊した高校野球チームのようになってしまっている。

で、そうなると「つぎは誰?」ということになるのだが、あいにく名前を挙げられても知らない人が多くて、いまいちリアクションできない。

ひとり、浮上しては消えるのが、WBCの監督も務めた「デイヴ・ジョンソン」。じつはオリオールズにはもうひとり「デイヴ・ジョンソン」がいて、そちらはかつてO'sの投手をつとめ、今はMASNでブロードキャスターをしていて、息子がかのシェリルとの交換トレードでO'sのマイナーに入団した、という人物なので、区別するために元巨人の(^-^)ジョンソンのほうは「デイヴィ・ジョンソン」と呼ぶようだ。

デイヴィ・ジョンソンは、リンク先のwikiのManagerial recordsというところを見ていただいてもわかるとおり、監督としてはとてもすぐれた成績をあげている。96年と97年にはオリオールズプレーオフにも導いているし、66歳とやや高齢ながら、WBCの監督も務めたのだから、まだ現役と言ってもいいだろう。

なのになぜ、名前が浮上しては消えるのか(というより、なぜ2年で辞めたのか)と思ったら、このwikiの記事によると、オーナーのピーター・アンジェロと折り合いが悪くて、お互いに口もきかない関係なんだとか。

そんな~! 大人になろうよ、みんな。(いや、無理ですよね。人間、60を超えたらもう大人になんかなれない(苦笑))

そしたらこちらのボルチモア・サン紙記者ふたりの侃々諤々のディベート(ビデオ:英語ですが、この侃々諤々ぶりを味わうために、よかったら半分ぐらいまで早送りしてみてください。おじさんたちうるさいです^_^;;)のなかに、もうひとつ知ってる名前が登場したので、思わず吹き出してしまった。

その名はボビー・バレンタイン

もっとも、ひとりがさらっと名前を挙げ、もうひとりが「コウジと話ができるからいいかもしれないけどね」と返しただけで流されたので、単に「ネタ」レベルだったようだけど。

でも、バレンタインさん自身は、もしどこからか監督のオファーがあればESPNの解説者の座は手ばなしてもいいと言っているそうだから、どうですか、オリオールズ、来ませんか?(よぶお金がないか^_^;; ロッテより貧乏だったりして。)

さてと、こんなわけでこれからしばらくは血なまぐさい話(?)が多くなるだろうけれど、

Last But Not Least...で、本の紹介を。

上原投手と、約束のキャッチボール

斉木桂子 (著) 日本テレビ刊 1200円

24時間TVその他でも紹介された斉木翔太くんと上原投手との交流を翔太くんのお母さんがつづった本。翔太くんが骨髄移植を受けるに至るまでの話、そこに巨人軍と上原投手がどう関わり続けてきたかを語っています。イベントとして1度だけ何かをすることは比較的簡単にできても、折に触れて気をくばり、交流をずっと続けるということは、なかなかできるものではありません。またお母さんも、上の子を救えなかった痛恨の思いから、骨髄バンクの活動に人生をかけて臨んでいる。その強い思いが伝わってきました。わたしはまだ骨髄バンクには登録していませんが、きちんとむきあって、いろいろ知って、時期がきたら考えてみようと思いました。