Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

Datz the man.: オリオールズベンチコーチなどなど

日本シリーズダルビッシュ、すごいなあ。あの投げ方でなぜ押さえられるのだ?)とワールドシリーズ(シーソーゲームなのだけど、やはりヤンキース強し)で沸く中、ひっそりと地道にオリオールズのお話を。

11月1日づけのスポニチに、こんな記事が出ていた。

来季も先発を熱望していたオリオールズ・上原が、メジャー2年目は救援に配置転換となることが決定的となった。

 マクフェイル球団社長がシーズン終了直前に上原と会談していたことを明かした上で、30日付の地元ボルティモア・サン紙上で「最終決定ではないが、そう(救援に)なるだろう。彼も理解してくれた」と話した。

配置転換は、もう何か月も前から話題にのぼっていることで、べつに新しい情報ではないのだが、球団社長と上原との会談で正式に合意したとなれば話はべつ。〈サン〉の記事を見落としていたのもくやしかったので、捜して読んできた。記事のもとになったのは、10月30日づけ〈ボルチモア・サン〉のジェフ・ズレビック記者の記事。

Orioles president of baseball operations Andy MacPhail said he spoke to pitcher Koji Uehara before the end of the season and told him he'll likely be used out of the bullpen in 2010. (中略)

"It's not a foregone conclusion but likely," said MacPhail on converting Uehara to a reliever. "I think he understands. Medically, it might be the thing that makes the most sense."

オリオールズのアンディ・マクフェイル球団社長は、シーズン終了前に上原と会談し、来季(2010年度)はおそらく救援で働いてもらうことになると告げたことを明かした。「完全に決まったわけではないが、おそらくそうなるだろう。彼もわかってくれていると思う。医学的な見地からも、ブルペンで使うのが一番いいかもしれない」

というわけで、ほとんど報道のとおりなのだが、"I think he understands"は、「彼も理解してくれた」とまでは行かない表現だろうと思う。実はスポニチの記事の中で一番「おお?」と思ったのがこの部分だった。すごく微妙なニュアンスなので、実のところ、その場に居合わせなければなんとも言えないところだが、「とりあえず拒否してなかったので、わかってくれただろう」という、マクフェイル氏側の主観的な表現のように思われる(I think がついてるし)。

もちろんリリーバーになる公算はかなり高いが、上原自身は、キャンプに行って監督なりマクフェイルさんなりに正式に告げられるまでは、正式に「わかりました」と言わないだろう。2007年にクローザーを仰せつかったときをはじめ、これまでも何ごとにつけそうだったので。

その他のオリオールズ関連ニュース。

◎メルヴィン・モーラ(37)、FAに。

五つ子のお父さんで(って、それが最初に来る?^_^;;)、長年オリオールズ三塁手を務めたモーラだったが、今季は成績がふるわず(.260 、8HR、打点48)、起用が減ったことに対してシーズン途中に、「監督がリスペクトしてくれない」と不満を爆発させたこともあった。

そんなわけで、チームが来季のオプションを取らず、モーラを放出することは決定的と見られていた。

問題は、後任の三塁手。現在、オリオールズは、外野には人材が豊富で(マーケイキス、ジョーンズ、ライモルド、ピエ)、セカンドはロバーツ、ショートはイズトゥリス(エンゼルスのイズトゥリスの兄)でほぼ決まりだが、一塁、三塁があいている。このうち一塁は、DHとの兼ね合いもあって、オフにだれかひとり大砲を取るか、あるいは足の悪いライモルドを回すか、というさまざまな選択肢があり、まったく未定。三塁も未定なのだが、アリゾナ秋季リーグで若手のジョシュ・ベルが打率.333をマークして、赤丸急上昇中。春季キャンプでも同じように頭角を現してくれば、今季のウィーターズのように5月ぐらいまでベテランでつないで、満を持してベルを昇格させるという案もある。(もちろんリスクはあるが。)

ちなみにジョシュ・ベルは、シェリルと引き替えに今季ドジャースから獲得した選手。期待どおりに成長してくれれば、またオリオールズにとってはうれしい「わらしべ長者」のような(って、シェリルは「わらしべ」ではないので、喩えが悪いけれど、メジャーのトレードを見ているとどうしても「わらしべ長者」を思いだす)取引になる。

◎ジェフ・ダッツ(Jeff Datz)氏、ベンチコーチ(ヘッドコーチ)に就任。

と言われても、「だれ?」という感じなのですが。わたしだけでなく、現地のファンもみな「だれ?」という反応(^_^;; 

どうやらインディアンスで8年間コーチを務めた経験のある人らしい。前ヘッドコーチとは「ケミストリーの問題」で袂を分かったのだから、今回はうまく相性が合いますように。

ところでインディアンスと言えば、新監督として、今年7月に成績不振でナショナルズの監督を解雇されたマニー・アクタ(40)を選んだというので、少しびっくりした。へぇ、と思ってインディアンスのオフィシャルサイトをのぞいてみたら、やはり掲示板は嘆きの嵐――。それでも40歳と若く、ナショナルズを解雇されてから半年間、毎日大リーグ中継を見てインディアンスのことを(だけではないだろうが)徹底的に研究していたことや、スペイン語を話せること、コミュニケーション能力が高いことが評価されたようだ。

ボビー・バレンタインもインディアンスの最終面接を受けたのち「落選した」、と日本では報じられたが、ロッテの監督を辞してから日が浅く、チームのこともリーグのこともまだほとんど知らない、と自分から伝えたそうだから(記事)、落選というよりむしろ身を引いたというのが真相のようだ。

果たしてアクタ(まちがって変換を押したら「芥」と出た。やばい(笑))がナショナルズで負けが込んだのは選手のせいであって監督の手腕のせいではなかったのか、監督の手腕の評価というのは、結果と切り離して考えることが難しいのでなかなか困難だ。それにしても、年度途中で解雇された監督がすぐまた次の働き口を見つけるというのも、チャンスの国アメリカならではなのかなあ……。メジャーをきちんと見始めた今年、まだまだびっくりすることがたくさんあって面白いのだった。