Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

Gold Glove for Jones!: O'sアダム・ジョーンズGGを獲得

オリオールズのセンター、アダム・ジョーンズがゴールドグラブ賞を獲得した。パチパチパチ。なんでも、実兄がブログで漏らしたとかで、先週には受賞が噂されていたのだけど(そういうのって、事前に知らされるものなの?)、今日、正式に発表された。

アダム・ジョーンズ(24)は、センターで今年、補殺9(ア・リーグ中堅手2位)、守備率.986(同7位)。また公式ページによればレンジファクター(=アウト寄与率:(刺殺+補殺)÷守備イニング数×9 )ではア・リーグ中堅手中トップだとのこと。さらに、数字には表れないが、8月16日のエンゼルス戦であわやグランドスラムという大飛球をキャッチしたのをはじめ、インパクトの強いプレーが多い。特に塀ぎわのプレーが印象的だ。

オリオールズ選手のゴールドグラブ賞受賞は1999年のマイク・ムシーナ以来10年ぶり。外野手の受賞となると1975年のポール・ブレア(8回受賞)までさかのぼる(いくらなんでもさかのぼりすぎ)。

今回はトリイ・ハンター、イチロー(ともに9年連続)と並んでの受賞。MLB公式ページにも「ジョーンズはシアトルでは2年間イチローの陰に隠れていたが、2008年にベダードとの交換トレードでオリオールズに移籍し、今回この”ゴールドグラブ・チーム”でイチローと共に受賞することとなった」と記されていた。

記者投票で決まる日本のゴールデン・グラブ賞とちがって、メジャーのほうは各リーグの監督、コーチが投票する(自軍の選手には投票できない)。ジョーンズはそのことを喜んでいる。

「相手チームの監督やコーチが投票してくれた。シーズン最後にけがで欠場したのに賞を取れてびっくりしている。相手チームに印象を残せたのがよかったと思う」

打撃面では、打率.277、二塁打22本、19HR、70打点、83得点という成績。ただオールスター前には打率.303、出塁率.357、長打率.481だったのが、オールスター後にはそれぞれ.222 .290 .405 と低下し、9月には足首を捻挫して、シーズン終了となってしまった。おそらく課題は打撃云々よりもまず1年通して活躍するスタミナだろう。巨人の坂本もそうだったが、後半の失速の原因を分析して対策を立てられれば、来シーズンはかなりの活躍が期待できるはず。

いつも言っているが、オリオールズの外野は若くて強力なメンバーがそろっている。イチローの陰で受賞を逃したが、右翼のマーケイキス(25)も守備力は折り紙付きだ。補殺は13でア・リーグ右翼手トップ。(もっとも、イチローの場合は走者が自重するので、この数字だけでは判断できないわけだが。)守備率は.981で6位、ゾーンレイティングは3位(ゾーンレイティングは、ググってみたらとても複雑でひと言では説明できないとわかったので放棄。すみません。)。打撃でも打率.293、18HR、101打点を記録し、選手、マスコミなど球団関係者の投票で今年の「オリオールズMVP」にも選ばれた。これでアキレス腱手術のライモルドが順調に回復し、またピエがさらに力を伸ばしてくれたらずいぶん期待がもてるのだけど。

ところで、さきほども書いたように、MLBゴールドグラブ賞は、記者でなく監督、コーチの投票だそうな。記者投票より現場目線でいいかも、と思ったが、日本のように各チーム同じ試合数で当たるわけではないから、年間数試合しかしないチームの選手に関してはどうしても印象や名前で選ぶことになりがち、という面もあるようだ。守備力の絶対的判断基準というものもないし、やはりなにかと論議を巻き起こしがちな賞であることは日米共通らしい。

それでもやっぱりこの賞は大切! なにしろ「攻撃」と「守備」がこんなにすっぱりわかれているスポーツってほかにない。テニスやバレーボールなどもサーブ権ごとに攻守交代するけれど、野球は攻撃のときと守備のときで、持っていく道具さえ違うのだ。考えてみたらずいぶん面白いスポーツである。そのおかげで、「守備のスペシャリスト」という選手にも活躍の余地が生まれるのだし、年齢も体型もずいぶんまちまちな人たちが、それぞれ自分に合うポジションを見つけてプレーすることができる。だから喧々諤々やりながらも、ゴールドグラブ/ゴールデン・グラブ賞は毎年たいせつに続けていってほしいし、選手たちのあこがれの賞であり続けてほしいと願う。

34年ぶりに外野手が受賞したオリオールズ。「印象で授けられることが多い」と言われる賞であればなおさら、激戦の外野手部門にジョーンズが食いこんだことのすばらしさを思う。ボストンとNYのうしろに隠れた影の薄いチームから脱却し、来年こそは「再建」から「挑戦」へステップアップしてほしい。

ところでこの記事を書きながら、そういえば日本のゴールデン・グラブ賞って、以前は「ダイヤモンドグラブ賞」って名前だったなあと思いだした。いつ変わったんだろう、つい最近かな、と思ったら1986年だそうで。23年前ですか(^_^;; 正直、20年前ぐらいだと「最近」に分類してしまう近ごろの自分がこわいです。(スポナビの若いブロガーさんたちなんか、まだ生まれてないし。)