Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

Fun to watch: マリナーズに粘り勝ち

8月16日(現地)オリオールズ5-マリナーズ4 ○

大相撲で、勝ち身が遅く、相撲を長引かせてしまうお相撲さんのことを「相撲が好きだ」ということがあるのだけど、今日の試合を見ていてそんな言いまわしを思い出した。

双方とも決める場面は多々ありつつ、チャンスの逃しあい、しのぎあい。この人たち野球が好きだなあ……。でも、今季これまでの両チームの対戦のように、あっさりとした薄味の戦いではなく、どちらも譲るまい、手を離すまいという必死の思いを感じさせてくれたので、見ていて楽しかった。

こんなことを考えながら、試合後、ショウォルター監督の会見をネットで見てびっくり。

バック親分、"It was fun to watch.(見ていて楽しかった)"と言ったのだ。

やっぱり?(笑) やってる人が楽しいんだもん、見てるほうも楽しいに決まってる。

うん、ほんとうに野球が好きなんですね。

11回2死からの、アダム・ジョーンズのサヨナラバントヒットには驚嘆。ここぞというチャンスでブンブン振りまわしてあっけなく凡退することも多い、これまでのジョーンズ像をくつがえすような発想だった。その場で思いついたと本人は述べていて、しかもこれ以前に出塁して三塁に行ったとき、ロペスには「オレはバントやらないよ」と布石を打っておいたとコメントしていたので、それが本当なら相当腹黒い(笑)。

就任して以来、ショウォルター監督のコメントにたびたび登場するせりふが

"Be proactive rather than reactive."(相手の出方に反応するのではなく、先手を打て。)ということ。

そしてもうひとつが、「プロのアスリートでも、スピードでプレッシャーをかければミスを誘発できる」ということ。

たびたび決定打を欠き、長打も出ないなかでシブイ勝ち方ができたのは、「先手」と「スピード」という意識が浸透しつつあるからかもしれないと思わせる今日の試合だった。

これでオリオールズは、ショウォルター就任以来、ホームでは7勝1敗。うち4試合がサヨナラ勝ち。また延長戦では今季11勝3敗。これだけ見たら、すごく強いチームみたいだ(笑)。

上原は7回1死からヘンドリクソンをひきついで、ロペスとグティエレスを連続三振(キレのある球。気持ちよかった~)。

8回も続投し、無死からツーベースとバントヒットで一、三塁のピンチを迎えるが、8番ソーンダースとは12球の粘りあいのすえフォークで三振に。つづくウィルソンも高めのストレートで三振にしとめ、ここで降板。イチローとの対決も見たかったけれど、イチローにはけっこう分が悪いので(^_^;; いい判断だったと思う。

上原はスタンディングオベーションの中、ベンチへ。ああ、なんかこっちまで誇らしい気分。ありがとう。代わった左腕のゴンザレスがイチローも三振にしとめて、結局、ピンチのあとは三者連続三振だった。

ところでソーンダースとの対戦中、10球めに捕手のウィーターズがマウンドに駆け寄った。

上原に何か耳打ちすると、上原がうなずいて、口元を隠しもせず "One more."と言ったように見えたのだけど、気のせい?

そのあともう1球ストレートを投げてから、12球めにフォークで三振。マウンドに駆け寄ってすぐフォークではばれるから、もう一球ストレートを投げてから、という考えだったのかなあ。マウンドを降りるとき、上原は、「ありがとう」というように、ウィーターズの背中をぽん、とたたいた。いろんな面でチームメートとの意志の疎通もスムーズになってきているんだろうなと感じた場面だった。でも、マウンドでしゃべるときは口元隠してね(笑)。