Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

10 more games: ボストンに勝ち越し最後の10連戦へ

ボストンでの3連戦を2勝1敗と勝ち越したオリオールズ。これで今季のボストン戦は9勝9敗のイーブンで終えた。できれば最後に勝ち越したかったところだけど(すでに望みが贅沢になってる)昨年は年間で2勝しかできなかったことを考えると、かなりの進歩と言えましょう。シーズン通算でボストンに負け越さなかったのは2004年以来で、1998年以降では今年で2度目だとか。どんだけ苦手だったの(過去形にしてみた)……。

心強いのは、マティス(ずっと「マトゥス」と表記してましたが、現地の発音を聞いても「マティス」なので訂正します)、バーゲセンといった若手の先発陣がボストンに対して苦手意識を持っていないこと。今季はふたりとも二年目のジンクスにやられて前半苦労したけれど、来年はコンスタントな成績をあげてくれることを期待したいところ。

で、この3連戦を簡単に振り返ると:

9月20日 オリオールズ4-ボストン2○ 

マトゥスが球数は多いながら5回1失点と好投。松坂との対決だったので、TVで見られてよかった。松坂、よくもなく悪くもない感じでしたが、ボール云々の前にとにかくあまりにも元気がないのが気になった。ベンチに帰るときにもうつむいてとぼとぼ歩いていくし。やっぱり松坂にはちょっと憎たらしいほどの悪ガキっぽさを持ちつづけてほしい。もう少しはじけられる環境のほうがいいのかな、とも思ったり。

あ、もうひとつ気づいたこと。Matusz と Matsuzakaってつづりが似ているなあ。前半はアナグラム(ならべかえ)になっております。どうでもいいけど。

この試合、上原は9回に登場。9球で10セーブめをマークした。

6番ロウリーは、直球、フォークと2球目で浅いセンターフライ。

7番ドリューはフォーク、直球、フォーク、フォーク。4球めで空振り三振。

8番バリテックは、一転、オール直球で三球三振。

キャッチャーはウィーターズ。明らかにミーティングを重ねたあとが見える配球だ。

MASNのメルースキー記者が、上原の配球について監督と交わした興味深い会話にふれていた。コウジはもっとスプリッターを使った方がいいのでは、という問いに対し、ショウォルター監督はこうコメントしている。:

「相手によるね。まちがった配球というよりも、どれだけ確信をこめて投げられるかのほうが大切だ。もちろん絶対に避けなければいけないゾーンはあるが、球がいってしまうことだってある。ピッチングはむずかしい。

これからコウジはスプリッターを多投するようになるか? 一概には言えない。相手ベンチはコウジが直球を打たれたのを見てつぎは何に的を絞る? スプリットだろう。こうして追いつ追われつ続いていくわけだ」

またA-ロッドとの対戦で捕手のウィーターズがスプリットを要求すべきだったかという問いには、基本的には投手が主導権を握るとして次のようにコメントしている。:

「ピッチャーはイエス、ノーどちらにも首を振れるわけだから。確信を込めて首を振れば、捕手がマウンドにかけつけるだろう。

ただ、イニングのテンポなど、ほかの要因もある。わたしは先日、外野でJJ(中継ぎのジム・ジョンソン)と話をしていたんだが、ときには配球よりもどれだけ確信を込めて投げられるかのほうが大切だと言っていた。頭のすみに疑念があると、体もそれに反応してしまうからね」

ショウォルター監督は試合後のコメントでコウジについて訊かれるのが好きみたいで(笑)、必ず "That's a good point to notice.(いいポイントだね)"と前置きしてからコメントする。このボストンとの初戦のときには「上原は球数が非常に少ないので、連投ができるのがいい」と言っていた。

9月21日 オリオールズ9-ボストン1○

バーゲセンが6回1失点と好投。でも5回までは1対0で負けていた。ところが6回の表、ジョーンズを一塁に置いてピエが打ち上げた内野フライをセカンドのスクータロがまさかの落球。一塁からジョーンズが長駆ホームインして同点。このあと7回にはウィギーがアッチソンから3ランを放ったり、9回には調整登板で出てきたパペルボンに襲いかかって4点をうばったりして、結局は大勝だった。

この試合のハイライトは6回のアダム・ジョーンズの走塁。ツーアウトツースリーで投球と同時にスタートしていたとはいえ、内野フライでもまったくスピードを緩めることなく走り、たまたま起きた落球で生還することができた。バック親分は、試合後、ジョーンズの走塁を手放しで賞賛した。

一方、フライを打ち上げたピエ自身はファースト止まり。これについては、監督、「なぜ一塁から生還できるのに打った本人がセカンドに行けないんだ」と試合後にコメント。翌日には「リプレイを見直したら必ずしも二塁セーフだったとは言いきれない」としながらも「常に100%でプレーするというのがあるべき姿だし、選手にはそれを求めていく。このあいだのようなこと(エラー)があれば、それで報われることもあるし、全力プレーを求めやすくなるね」とコメント。ピエとも個別に話をしたとのこと。もー、こういうこまかいケアがほんとうにうれしいというか、ありがたいというか。オリオールズのような若者の多いチームにはまさに必要とされていることなんだと思う。

翌22日はミルウッドが打たれ1-6で敗戦。残念ながらスイープはならなかった。望みは来年に取っておこう。

明日からはカナダでトロント戦。そういえばイチロートロントで200安打を達成しましたね。

いろいろな見方があるのはわかるけれども、上原をフォローし始めてから、10年間も故障による長期離脱がなく、コンスタントに調子を維持し続けることがどれだけ――ほんとうにいくら強調してもしたりないほど――どれだけたいへんなことなのかがしみじみとわかりました。心からおめでとうございますと言いたいです。