Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

Making a history: 去年の勝ち星を越え、史上初の快挙(?)へ

あああ、いよいよ残り1試合になってしまいました。今、地元紙やオフィシャルサイトの掲示板でよく見られる嘆きは「せっかく面白くなってきたところなのにもう終わっちゃうの!?」ということ。7月まではだれもが「もうシーズン終了でいいよ」と思っていたのに、世の中何が起こるかわからないなあ。

ということで、デトロイト・タイガースと4連戦中。

木曜日は豪雨で中止になり、1日金曜日にダブルヘッダーが行われた。

メジャーのダブルヘッダーって、1試合めが終わって20分後に2試合めが始まったりするんですね。さすがに投手と捕手は使い分けていたけれど、野手はどちらにも出るわけで。トイレに行くひまぐらいしかないじゃないの(笑)。

しかもこの日は1試合分のチケットで2試合観戦できるということで、ずいぶんざっくりしてるなあと思ったが、あとから映像を見ると1試合めは観客かなり少なかったもよう。2試合めはだいぶ入っていたようだけど。

試合は1試合めがティルマンの好投と打線の爆発で10-6と勝利。2試合めはガスリーのナイスピッチの間にもぎとった2点を上原が守り抜き、2-1と勝利。上原は2アウトからドン・ケリーにHRを打たれ、さらに次打者にシングルヒットを許すものの最後は三球三振でしめた。

ショウォルター監督のコメント:

「(オリオールズにエラー3つと残塁などの拙攻もあったが)ガスリーとコウジの好投が勝敗を分けた。コウジがいてくれると、選択が楽になる。コウジの投球は、ナイフのように鋭い。ほとんど四球を出さないので不安感がないね。アメリカンリーグで試合を締める上では、非常に大きいことだよ。めったに自滅しないから、相手は彼を倒すべく戦わなくてはならない」

で、この勝利によりショウォルター就任以後のオリオールズの勝敗が33勝22敗となり、ショウォルターは、8月以降にチームを引き継いで、その年のそれまでの勝ち数を上回った史上初の監督となった。(ただし1900年以後の記録による。)

実質2か月で4~7の4か月分を上回ってしまったのだから。まあ、それまでがいかにひどかったかということの証左でもあるわけですが、やはりすごいですよ。

そういえば今年の6月にレディ・ガガヤンキースのクラブハウスに入りこみ、服を脱ぎ捨ててあられもない姿を見せた、とかいうスキャンダルがあった(詳細は知りません。)でもって、人気司会者のデヴィッド・レターマンがその一件をラジオで取り上げ「レディ・ガガはスタジアムからスタジアムへとめぐりあるいて恥をさらすつもりなのかね。それじゃあオリオールズとおなじだ」とコメントし、ボルチモアの地元民が憤慨しながらも言い返せない、という小さな事件があった。それも今となっては笑い話だ~(笑) 

そして今日(現地2日)は、マティスが6回9奪三振1失点のナイスピッチングでガララーガとわたりあい、ゴンザレス(7回)、JJ(8回)、上原(9回)という勝利の方程式で逃げ切った。

上原は、2、3日前からコントロールが最高の状態ではないようで、今日も先頭にヒットを許したが、そのあとはペラルタをセンターフライ、デーモンを5球めのフォークで空振り三振、インジはピッチャーゴロにしとめて13セーブめをあげた。

じつは上原は7月16日以降、32試合、34イニングにわたって無四球。しかもこの間44三振を取っており、無四球での三振記録としては2000年のペドロ・マルティネス(たしか51個ってどこかで見た)に次ぐ記録になりつつある。「連続もの」が出るときは上原の好調のあかしなので、来シーズンまでキャリーオーバーできるのかどうかはわからないけれど、ぜひ続けてもらいたいです。

イズトゥリス、マーケイキスのすばらしいダイビング・キャッチも飛び出し、少ない得点を守り抜いた試合だったが、試合後、ショウォルター監督は、ふたりの守備を絶賛するとともに(親分、イズトゥリスが大好きなんですよね~。シブイ)、攻撃に関してこんなコメントをした。

「攻撃面でうれしいこともあった。ウィギー(ウィギントン)は打率2割5分だが、大事な場面で打っていることはみんな知っている。だが小さなことも見逃せない。きょうはノーアウト二塁の場面で、ヒットよりもとにかくまず走者を進塁させるバッティングをしていた。(ウィギントンのセカンドゴロで走者は三進。)そういうことは必ずしも記録には表れないから、数字だけ見て選手を評価しようとすると見落としてしまう場合が多い。そんな打席だったね」

こういう陰の努力を見逃さない眼差しが、また次なる陰の努力を生んでいくんだな。

最後におまけ。上原の背番号ショットと、ウィーターズ上原を語る(MASNより。)

(わたしが聞き取れた範囲内なので、間違いもあると思います。ご容赦ください。)

リリーフ投手にとって最悪なのは四球を出すことですが、上原は7月16日以来一度も四球を出していません。上原がすばらしいのは決して圧倒的な速球があるわけではないのに、打者を幻惑することによりストライクゾーン内で勝負できること。マット・ウィーターズ捕手にその秘密を聞きました。

ウィーターズ:秘密でもなんでもないですよ。コウジはストライクを取って有利なカウントに持ち込めるし、大きいのはスピードの違うふたつの球種を持っていること。打者としてはどちらかに絞らざるを得ないから、ふたつをうまく交ぜて打者の裏をかいて打ち取っているんです。

打者の目でみるとどうですか?

コウジの球はほかの投手とちがって手もとで伸びるんです。レーザーガンでは88、89、たまに90マイル程度ですが、大振りすると当たりません。

コウジと組んで2年めですが、どうやってコミュニケーションをとっているんですか?

コウジのいいところは、たいていぼくが出したサインどおりに投げてくれるところです。だから、ぼくがサインを出し、コウジが投げるというのがコミュニケーションです。

(このあと無四球記録の紹介など。今季最長はクリフ・リーの144打者無四球が最長。上原はこの時点で119打者だったので、今日で127ぐらいまで行っているかも。元捕手のリック・デンプシーは、単に89、90マイルの球を投げるだけだったら毎晩痛い目に遭うだろうが、上原の場合は球の出所が見にくく、その上球界一と言ってもいいスプリットフィンガーと速球とをうまくミックスできるのが最大の長所とコメントしていました。)

さあ、明日はいよいよ最終戦(寂)。デーゲームなのでリアルタイムでは見られないと思うけれど、いい試合を期待したい。がんばれ。