ついにゲレロと合意
いや~、この2週間ばかりずっと噂先行状態だったのですが、ついに現実のものとなりました。ブラディミール・ゲレロと合意。しかも1年8MILで! ずっと火種があって煙が立っていたわけですし、ゲレロの行く先もなんだかんだオリオールズ以外にはなさそうだったので、合意自体には驚かなかったけれど、この金額にはびっくり。ぜったいもっと値切ると思ってました。現地のマスコミも驚きを隠せないようだけど、どんな経緯があったのか、真相はいまだ不明。
オリオールズはまだガスリー、およびルーク・スコットと調整中なので、総年俸は確定していないのですが、ゲレロとデュークシャーの分を加えると90MILドルを越え、2010年の総年俸よりも20MILの増加になるのだとか。ピーター・アンジェロスオーナー、勝負に出ましたな。どうか金も出すが口も出す状態にならずに、この新メンバーが落ちつくところに落ちつくまでどっしりと見守ってほしい。
選手たちは一様にゲレロを歓迎しています。
ブライアン・ロバーツ
今、この9年間で一番わくわくしている。選手みんなそうだ。殿堂級の選手が打線の中核に加わるんだから。すごく楽しみだよ。
打席を見るのが楽しみな選手、というアンケートを採ったら、ゲレロは誰にきいても必ずトップ5に入る選手だろう。どんな球を狙っているか、どこまで飛ばすか、最後までわからない。手と目の連携がずば抜けてる。だからあんな数字が残せるんだ。
ニック・マーケイキス
これほど厚みを増した打線はほかにないんじゃないか。ゲレロにはアナハイムでいつもやられていた。味方になるのはうれしい。すごい力になると思う。
ルーク・スコット
ブラディミールはいい意味で怪物だよ。最高の悪球打ちだ。たいていの選手ならファウルにもできないような球をフェンスのむこうまで飛ばす。彼の打った球を見て「なんであんなことができるんだ?」ってよく思う。あぜんとすることもあるよ。ラインアップに入ってくれるのはとてもうれしい。
ぼくは努力家だから、レフトの守備には全力を注ぐつもりだ。肩も充分に強いし、しっかりと守ることができる。不安はないよ。
……というわけで、ルーク・スコットはおそらくレフトへ。かっちりした守備の好きなショウォルター監督のお眼鏡にかなうことができるかどうか。ピエとライモルドの運命は定かではないけれど、どちらもケガが多いので、少なくともスプリングトレーニング中はさまざま動向を見定め、その後、おそらくはまだオプションのあるライモルドが3Aスタートになるのではとのこと。でもピエをトレードに出して投手を獲得することもあるかもしれないし、そこら辺はまだ今後も動きがありそう。
それにしても、まれに見る動きの激しい冬になりましたなあ……。
内野の4分の3、打線の半数近くが入れかわるという。
おまけにコーチ陣は総取っ替えだし、こりゃあほぼ別のチームと考えてもよさそうだ。
打線はこんな具合になるんでしょうか。
1(二)ロバーツ
2(右)マーケイキス
3(一)リー
4(DH)ゲレロ
5(左)スコット
6(三)レイノルズ
7(中)ジョーンズ
8(捕)ウィーターズ
9(遊)ハーディー
見なれん(笑)
スプリングトレーニングの1か月半のあいだに、どう互いになじませ、収まるところに収まる状態にもっていくか。監督の手腕が問われるのはもちろんだけど、選手全員が「自分たちは高い目標のために集まってきたんだ」という意識をはっきりと持ちつづけてほしい。
若松勉さんが『背番号1の打撃論』(ベースボールマガジン社)で、78年の優勝に触れ、広岡監督と森コーチが「巨人はたいして強くない。それは巨人にいた自分たちが一番よく知っている。だから私たちの言葉を信じなさい」(p.52)と、負け犬根性を払拭したのが何よりも大きかった、と記している。バック・ショウォルター監督も、折りに触れて同じことを選手に説いている。だからフェンウェイやヤンキースタジアムでも、オリオールズの選手たちは、これまでよりも少ししゃきっと背中を伸ばして戦えるようになってきている。
こんどの新チームでもそのメンタリティーを醸すことができるか。
そしてピーター・アンジェロスオーナーが、口を出さずにじっくり見守ることができるか。
……できる!と信じて応援したいと思う。