移籍後ベストピッチ (so far)
えー、ちょっとずつレンジャーズの選手たちの顔をおぼえつつあるわたくしです。
イアン・キンズラー(ずっとスランプだったらしいけど、今日は絶好調だった)は、体もでかいし、強打だし、従来の二塁手のイメージではないけど二塁手なのね。かっこいいお兄さん。
ショートのエルヴィス・アンドルースは、俊足・巧打だけど、それ以上にいつもニコニコしてるのがすごく印象的。ピッチャーが打たれるとすぐ声かけにいくし、つねにチームを盛りあげようとしているのがわかる。いい選手。
そんな中、上原も存在感を発揮しつつあります。
◎8/10 vs SEA 4-3 ●
同点の7回に登板。
4番カープにセンター前ヒット
5番オリーボは浅いセンターフライ。これはセンターがよく取ってくれました。
6番グティエレスはレフト前ヒット。球が浮いて、ヒットはみな痛打。一、二塁。
7番ウェルズの当たりは三塁のヤングを強襲してレフト前へ。カープが帰って勝ち越される。強い当たりだったし、若干イレギュラーもしてましたね。
つづくシーガーは空振り三振に、ロビンソンは一塁ゴロにとって後続は断ったものの、この日はチームも得意の逆転を封じられ、移籍後初の負け投手に。
どうも本拠地では投げにくそうな上原(^_^;; この日はボールが滑ってコントロールがつかなかったとのこと。オリオールズ時代とは違う起用法のなか、新しいルーティンの見つけ方にも苦労している模様。
でも上原の一番の才能は対応力なので、課題が生まれれば生まれた分だけ、まためらめら燃えるってもんです。
8/13 vs @AUK 7-1 ○ 2/3回 無安打無四球 1三振 ERA1.90
2-0と僅差の7回、先発コルビー・ルイスが先頭の松井をしりぞけ、次のウィリンガムに二塁打を打たれたところで、二番手オリバーに交代。しかしオリバーがデヘススに簡単にツーベースを打たれ1点差に。
この一死二塁の状況で上原にスイッチ。緊張する場面です。
まず代打コナー・ジャクソンをストレート三球で1-2と追い込み、4球めのフォークで空振り三振! きれいに落ちた。
つぎのスウィーニーにはスリーボール。直球でストライクをとったあと、5球めのストレートをはじき返されてレフトへ。ひやっとする当たりだったけれど、レフトのハミルトンがよくキャッチしてくれた。(動画)
デーゲームではまぶしくてボールが見えないというハミルトン。(Numberの記事)スライスしていく打球によく追いついてくれました。
そしてそのレフトに向かってグラブをあげ、ベンチ前でも引きあげてくる選手たちをハイタッチで迎える上原。新チームに溶け込もうとしてやっているのではなく、以前からの自分のスタイルを貫いているからこそ、この熱い姿がレンジャーズファンやチームメートの心を捉えてるんだと思います。
8/15 vs @LAA 8-4 1回2/3、無安打無四球無失点、2三振、ERA1.84
首位攻防4連戦の初戦。上原、建山、高橋尚成という75年組が集結する試合でもあります。せっかくなんで、この3人をとりあげたNumberの記事にもリンクをはっときます。読まれた方が多いと思いますが、一応。
試合はエンジェルス先発のリチャーズが、二死をとっただけで負傷交代し、波乱含みの展開に。2対1とレンジャーズリードの5回表、エンジェルスは4回から救援の(そして4回は危なげなかった)高橋尚成が連打でピンチを招き、アンドルースのバントを三塁悪送球。敵ながらもったいなかった。これで打線に火がつき、この回6点。8-2。
いっぽうレンジャーズ先発のオガンドーも、悪くはないけどすばらしくもないというピッチング。7回1死からブラニャンにツーランを浴びたところで上原に交代。
無走者、4点差とはいえ、相手に流れがある場面。しかもラリーモンキーが登場したらしく、かなり盛りあがったなかでの登板。
まずはイズトゥリス(オリオールズのセザール・イズトゥリスの弟ですね。いや、弟のほうが有名なのか)を2球でライトフライ。浅くて、追いつくかちょっと心配だったけどしっかりキャッチ。
つづくカヤスポは直球、直球、フォークで絵に描いたような三球三振。
5球で2人打ち取ってチェンジ。こういう投球が見たかった!
ベンチに帰るとすぐ、続投を告げられていたように見えました。
8回は3番アブレイユから。4球めを打ってゆるい一塁ゴロ。
4番ハンターは、初球いきなりバント。うわっ、やられたと思ったけれど、ベースの手前で切れてファウルに。ラッキー。ハンターにはあまり打たれた記憶がなく(なんていうと打たれるかもしれないけど)、もしかしたらハンターの側に苦手意識があるんじゃないのかな。1球フォークでボールのあと、89マイル、90マイルの球をきれいに空振りして三振! いつものことだけど、放送席からは「89マイルを空振りするっていうのはあまり見かけないけどこれがそうです」とか「99マイルに見えるな」とか「sneaky!」という声が。sneaky というのは「ずるっこい」というようなことですが、まあ「打者が幻惑される」ってことですかね。
数字信仰の強いアメリカ人にも、数字で表れるものがすべてじゃないってことが身に染みてわかるピッチング。痛快です。
続くトランボはゆるいサードゴロ。これをマイケル・ヤングがエラー(汗)。ヤングは、バッティングはほんっとうーにすばらしくて、見るたびに「さすが!」って思うのだけど、守備はたしかにちょっとあれですね。
でも上原あわてず、つぎのバーノン・ウェルズを初球で一塁ファウルフライに。スリーアウト。
マイケル・ヤングに「オッケー」と目で合図して、次打者をしとめた姿にしびれたファンも多かったようで、オフィシャルサイトでも「一気にファンになった。見ていて楽しい」「味方のエラーに集中力を失わない姿を、若手も見習ってほしい」なんていう書き込みが。
そして恒例になったベンチでのバチバチハイタッチ。この日は途中で1回吠えてましたね(笑)。放送中のアナも大爆笑。ツイッターでも「ぼくもコウジにハイタッチしてほしい」というファンが続出。すっかり名物になったなあ。
(なのに昨日のNHKBSのMLBハイライトでは上原の投球、割愛(怒)。なんちゅーことでしょうか。かりにも首位攻防なんですぜ? ぶつぶつぶつ。)
うわ、たらたら書いてるうちに今日の試合が始まってしまった。2点先制してるけど、まだまだこれからです。ゲーム差も今日の試合前で5ゲームと開いているけど、このあとChiSOX BOSOX そしてまたエンジェルスと強敵が続くので、気は抜けないところ。上原も慣れない場面での投球が続くけどがんばってほしいです。
そしてBSではオリオールズとアスレチックスが。マトゥスくん、初回はナイスピッチング! 今季見た中では制球も球の力も一番いい感じ。(でもそう書くとやられることが多いので要注意。)こちらもこれからなのでがんばってほしいです。
【追記】マトゥスは6回2/3。百球越えまでショウォルター監督がひっぱって、ランナー2人残して降板したら、トロイ・パットンが初球を打たれてふたりとも返してしまったので、けっきょく6失点。でも悪かった2回以降は立てなおしたし、希望の持てる内容だったと思います。次いこう、次!