Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

野球の神様はいる! 2011年レギュラーシーズン最後の1日【追記あり】

オリオールズ 4-BOS 3 ○

いやー、すごいすごいすごすぎる! 2009年にオリオールズを応援しはじめてから、こんな歓喜の日は初めてじゃないでしょうか。

っていっても、シーズン69勝目なんで、喜びすぎかもしれないんですけどね(笑)。

でも、わたしがツイッターでフォローしている現地のO'sファンたちも「こんな感動は97年以来初めて」とか「死ぬまでオリオールズを応援し続ける!」とか、それはもうたいへんな感激ぶりでした。

だって、あのにっくきBOSをやっつけたんだから!(今年もいろいろあったもんねー。あの大乱闘とか、そのあとの死球合戦の試合とか。)

そして何より、シーズン最後の最後まで、ほんとうに気持ちのこもった試合をして、強敵に勝つことができたんだから。一昨日のエントリでわたしは「まるで自分のプレーオフ進出がかかっているかのように、すべてをかけてやってほしい」と書きましたが、最後の喜びようを見ていると、ほんとにこの人たちがプレーオフに出るんじゃないか、ぐらいの勢いでしたよね(笑)。

69勝93敗。どこからどう見てもショボイ数字だけど、これでも去年より3勝多いんです。昨年は8月にバック・ショウォルターが就任してからバック・マジックで一気に勝ち星を伸ばしたけれど、今年は7月末のトレードデッドラインの前後がチーム状態最悪で、もう100敗も免れられないのではと思うほどでした。でも8月下旬――そう、あのフラナガン氏の悲劇があったあたりから、何か目がさめたようにまとまりが出て、いい試合ができるようになってきた。そして9月は15勝13敗。あれ、意外と負けてるな(^_^;; ただ、コンテンダー相手のカードが続いた9月12日以降は、すべてのカードで勝ち越し、ないしはスプリット。その間、エンゼルスを優勝争いから後退させ、タイガースをホームフィールド・アドバンテージ争いで後退させ(DETはその後インディアンスには全勝してますので、TEXが地元開催権を得たのは、ひとえにオリオールズのおかげ)、そして何よりもBOSに深刻な打撃をあたえて、Spoilerとしてこれ以上ないくらいの働きぶりを示したのでした。

それにしても今日のなりゆきのなんとドラマチックだったこと。

そしてそれをすっぽりと見のがすわたくし――思えば2006年のWBC韓国戦、あの上原が投げた試合もリアルタイムでは見られなかったんだった(遠い目)。でもいいの。気持ちはともにあったので、試合は見ていなくてもまるでずっと見ていたような満足感を感じているから(へんなやつ。)朝チェックしたときは負けていて、しかもタンパは7-0。うううと思いながら昼休みにチェックしたらどちらも同点! うっそ、まさか、しかもまだやってるんだ(雨!)と思いながら夕方チェックしたらオリオールズもレイズも勝っていた。ひぇー。それもほんの数分のあいだにどちらもサヨナラで。おとといベケットからランニングHRを打ったアンディーノのヒットで、2アウトから。昨日パペルボンに球数を投げさせたのが伏線になったとはいえ、よくぞ土壇場からひっくり返したなあ。ハイライト映像のリンクだけ貼っておきます。

おまけにナリーグでも同じようなことが。なんてすごい1日だったんでしょうか。まさしく後世に語りつがれる、歴史に残る1日と言っていいでしょう。そしてその重要な一端をオリオールズが担ったことがとても誇らしい。

めったにやらないんだけど、この試合だけはmlb.TVで最初から見るつもりです。加入してよかった――(回し者か。)

ツイッターのタイムラインをさかのぼっていたら、もうそれだけであまりのすごさにクラクラしたのですが、レイズのマドン監督のこの言葉にはちょっとうるっときました。

"RaysJoeMaddon Can't express enough gratitude to Buck and the Os for their incredible professionalism. We don't do this without their respect for the game."(バックとオリオールズの選手たちの、ものすごいプロフェッショナリズムにはいくら感謝してもしつくせない。オリオールズが野球に対し敬意をもって戦ってくれたおかげで、われわれはプレーオフに進出できた。)

さあ、これで金曜日からのプレーオフで、レンジャーズはホームでレイズと対戦することになりました。(レンジャーズも地元開催権をかけて、きょうはシビアな戦いをしていたのですよね。上原も投げたし。)

正直いいまして、今のチーム状態だったらレッドソックスよりもレイズのほうがこわい気はします。実際、9月に戦った最後のレイズ戦では負け越してますし。でもレンジャーズも打撃の調子はずっと上がり続けているので、なんとかその勢いを止めずに正面突破してほしいと思ってます。

そしてオリオールズはオフシーズンへ。GMのアンディ・マクフェイルとの契約が今季限りで切れ、そのまま退任することが濃厚。目立った成果をあげられなかったという批判は当然あるものの、バック・ショウォルターの任用と、昨オフのハーディーvsマイナー2選手のトレードは賞賛に値するでしょう。ハーディーは今日の試合でも一時逆転となる2ランを打って、自己最多の30号で今季を終えました。来季もケガなく力を発揮してほしいです。

で、巷ではバック・ショウォルターがGMに昇進する可能性がささやかれています。たしかに適任かもしれないけど、そしたら監督は? 正直、バックがGMだったら監督はだれがやるにしてもやりにくそう(^_^;; だったらGMも監督もショウォルターがやれば、という声も実際にあるのですが、そりゃあいくらなんでも荷が重すぎる気がします。(物理的に。)比較的早い時期に発表がありそうなので、こちらも注目です。

というわけで、見てない試合についてよくこれだけ語れるなという感じなのですが、書かないと落ちついて寝られそうにないので(笑)、ひとまず。上原の登板試合にについてもまとめておきたかったのですが、今日はもう遅いので明日にでも。

あー、やっぱり野球ってほんとにすごいとため息をついた1日でありました。

【追記:9/30】

今、きのうのO'sの試合と、レイズ-NYYの8回~をMLB.TVで見ました。

そして実際に見た今のほうが、信じられない気持ちが強まりました。

なんなんだこれは!(笑)

masnのゲーリー・ソーン(Gary Thorne)が"Baseball God"と何度も口にするのもむべなるかな。多くの方がおっしゃるように、まずは7回裏からの雨天中断ですね。あれがすごく大きかった。中断のあいだにトロピカーナではレイズが8回に6点とって1点差まで詰め寄ります。しかし9回は簡単にツーアウト。代打の、ベイスターズにもいたダン・ジャンセンもツーストライクまで追いこまれますが、なんと土壇場で同点HR! ここから野球の神様大忙し。

あたかもトロピカーナ・フィールドとカムデンヤードが車の両輪のように、互いに相手をひっぱりながらひとつのゴールに向かって突き進む形。

カムデンヤードの中断明けまでには、レイズ戦は7-7の同点。これがさらなる魔法をかけたことは間違いないですね。

とはいえ、ゴールへの道が一直線だったわけではなく、オリオールズに関して言えば、8回表のピンチでスクータロをホームで刺したのがほんとにほんとに大きかった。もちろん二、三塁間で止まったランナーの走塁ミスという言い方もできるけど、それでもこういう局面でたびたびミスをおかしてきたのが、かつてのオリオールズ。きのうはアダム・ジョーンズ-ハーディーの中継もマット・ウィーターズのタッチも、ひとつのムダもなく見事にきまりました。ビューティフル! BOSは9回表にもチャンスをつぶしますが、今日はここぞというところでことごとく、昨日のラッキーボーイ、ラバーンウェイのところに打順が回り――というか、ゴンザレスに打順が回ってO'sが3度敬遠し、それが見事にはまってラバーンウェイを打ち取るという形でした。

2日続けてやられるわけにはいかない、と。

しかし9回裏、ジョーンズが三振、レノルズが三振でツーアウト。これ、リアルタイムで見てたらほんとに胸がつぶれますよ(^_^;; 

でもクリス・デイヴィスが初球をツーベース。

このときちょうどトロピカーナは12回裏に入ったところ。放送席もO'sがツーアウト2塁という情報を伝え、少し空気がざわめきはじめます――。

O'sの次打者はノーラン・ライモルド。直球に強いパワーヒッターだけど、ボールふたつのあと空振りふたつで追いこまれます。BOSは勝利まであと1球。立ちあがって拍手するBOSファンたち。

しかしライモルド、5球めのストレートをひっぱたくと、右中間を割るエンタイトルツーベースに。同点!

このニュースはすぐトロピカーナに伝わり、スタジアム全体が大歓声に包まれます。12回裏、アプトンの打席のさなか。ロンゴリアがウェイティングサークルで待機しているところ。もうこうなるとどっちも勢いが止まらない!

そしてO'sはアンディーノが打席に。アンディーノもまちがいなくラッキーボーイなんだけど、一昨日も、そして前カードでのパペルボンとの対戦もものにしています。単なるラッキーボーイではなくなって、ホントにいやらしい打者になったのか? 果たせるかな、4球めをたたくと鋭い打球がレフトへ。クロフォード捕球できず。バックホームするもサヨナラ! オリオールズ、全選手がグラウンドへ飛びだし、アンディーノの上になだれこんでおおさわぎに。シャンパンがないのが不思議なくらい!(笑)

そしてもちろんこの知らせはトロピカーナフィールドへ。大歓声に包まれるスタンド。抱き合うファン。ロンゴリアの打席中ですが、しばし歓声をやりすごさなくてはならないほど。そして、ほどなくこちらもロンゴリアのWalk-off HRでフィナーレへ。こちらはホンマもんのシャンパンファイトつき。

ふぅ。たしかにヤンキースは調整モードに入っておりましたが、だからといって、9回2アウト2ストライクからHRが出るものじゃないですよ。やはりレイズは強いです。

そんなわけで、きのうは全力でレイズを応援してたけど(リアルタイムでは見ていなかったので念を送ってただけですが)、明日からのDSでは、こんどはレンジャーズを必死に応援しないとと思いました。レンジャーズ、がんばってほしいです。

さみしかったのは、オリオールズ戦の放送の最後のことばが「それでは来年、サラソタでお目にかかりましょう!」だったこと……(寂)

いい終わり方をすることが、そのまま次年度につながるわけではないということは今年身に染みて感じさせられたこと。でも選手たちは一様に、オフシーズンにはこれまで以上にトレーニングに励んで来年につなげたいと言っていました。その言葉、忘れないよ。

そんなわけで、翌日あらためて堪能する「メジャーリーグ最高の1日」でありました。