サヨナラグランドスラム：That ball is history!

平日のデーゲームにもかかわらず５万１２２７人の大観衆が集結したボールパーク・イン・アーリントン。すごいです。そのファンの熱意に12分に応える、歴史的１戦でありました。

といっても、リアルタイムでは５回ぐらいまでしか見られなかったのですが。ホランド、調子悪かったなあ……。シーズン後半は制球も安定していたし、ポストシーズンの１戦目もよかったので、あれほど制球ままならないピッチングは久しぶりに見た気がしました。

でも、それを補ってあまりあるピッチングをしたのがスコット・フェルドマン。4回1/3をすいすいと無失点。これで試合が落ちつき、レンジャーズに勝機を取り戻しました。2009年に17勝をあげながら昨年はたびたびケガがあって、ポストシーズンのロスターにも入れなかったそうな。どんなにかくやしかったことでありましょう。そんなフェルドマンに訪れたきょうのチャンス。そして最高のパフォーマンス。

「常にいい活躍したいと誰だっておもっている。でもとにかくできるかぎりの準備をして、全力を尽くすしかないんだ。そうすればあとはなるようになる」

洋の東西を問わず、トップアスリートがよく口にする言葉ではありますが、誰かが書いたものを読みあげたのではなく、みな体を張って自分のすべてを投入して勝ち得た言葉だから重みがあるなあと思います。

打のヒーローは文句なしにネルソン・クルーズ。このクルーズもシーズン最終盤にハムストリング痛でDL入りし、復帰したあとも今ひとつタイミングが合っておらずに心配されていました。なのでこのステージに達してからの復活は大きいです。７回に同点HRを打ったあと、９回には腕（と、そのあとはねて脇腹）にデッドボール。相当痛そうだったけど、それでも最後にあのすさまじいサヨナラグランドスラムを打ってしまうのだからすごすぎる！（ちなみに試合後にレントゲンもとり、骨は無事だったとのこと。よかった。）

動画はこちら。FOXテレビのジョー・バック氏はすごく著名なブロードキャスターらしいのですが、今日のこの実況に関してはちょっと冷静すぎるような気も。でも、ごちゃごちゃいわんとただ歓声だけをきかせるのはさすがです。（むかーしむかし、TBSラジオで聴いた、渡辺謙太郎アナによる末次の逆転満塁サヨナラHRの実況を思い出します。）

動画では２番めに出てくるKESNラジオの"That ball is history!"のおじさんがおもしろい。この人、HRの実況はかならず"That ball is history."と言うのですが、今日の１打はホントにメジャー史上初のポストシーズンでのサヨナラグランドスラムという歴史的な１打でしたからね。（ちなみに、PSでのサヨナラGS、以前に１度あったものの、一塁を回ったところでもみくちゃになってベースを回らなかったので記録はシングルヒットというのがあるそうですが、確認とれてません。）

（……って書いてたら、今、フジムラくんがサヨナラ打！（リアルタイム）かわいいなあ、フジムラくん。ミーハーなコメントですみません。）

そんなわけで今日も上原＆建山は登板なし。

でも４連戦ですし、今日はかなりリリーバーを使ったので、チャンスはめぐってくるでしょう。本人もようやく吹っ切れたようでこんなコメントをしています。

「（ブルペンで準備して）楽しんだほうがいいなと思った。（地区シリーズで）打たれて引きずっていたのがばかみたいに感じた。短期決戦は個人のことはどうでもいい。（今後の登板は）どこかであるでしょう」

うん。よかったです。さきほどのフェルドマンのコメントと重なる部分もあるし、こういう心持ちで臨んでいれば大丈夫だろうと。毎日、歴史の現場に居合わせているのですから、本気でめいっぱい楽しんでほしい。そうすればきっと、野球の神様がほほえんでくれると思います！

【追記】昨夜のうちにコメント欄でhatoさんに教えていただきました。「今度ＣＷＳの監督になる（はずの）ロビン・ベンチュラのＮＹＭ時代のエピソードです（1999年）」とのことです。ちょうど監督就任で名前が出たタイミングで。おもしろいですね！　今朝のスポーツ紙ではスポニチがこれに触れてました。スポーツ紙はすぐにリンクが消えてしまうので、こちらにコピペしておきます。

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幻のサヨナラ本塁打　クルーズはポストシーズン初のサヨナラ満塁弾だが、大リーグで語り草となっている「幻の満塁弾」がある。９９年のナ・リーグ優勝決定シリーズ第５戦（対ブレーブス）。メッツのロビン・ベンチュラ（来季からホワイトソックス監督）が３―３の１５回１死満塁から中越え本塁打。しかし、一塁を回ったところで興奮したチームメートに抱きつかれ、記録は単打扱い。４―３での勝利となった。

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