Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's&レンジャーズオフの動き(タイトル修正しました)

昨日のマリナーズ、グレッグ・ホールマン選手の悲報は衝撃でした。

弟に刺されるというあまりにむごい事件。家庭内で何があったのか知るよしもありませんが、その無念を思うと「安らかに」という言葉すら口にするのがためらわれるほどです。(エイデンハート投手の事故のときも同じことを思いました。)

同じオランダ出身選手である、オリオールズのリック・ヴァンデンハークもショックに打ちのめされている様子。つい2週間前までホールマンのほか、アダム・ジョーンズやプリンス・フィルダーらとともにアムステルダム、ローマ、プラハを回る欧州野球教室ツアーをしてきたばかりだったのです。ホールマンとは7歳のころからいいライバルであり友人であり、互いに励まし合う関係だったそうで「とても信じられない」とコメントしていました。野球の根づきはじめたオランダで、人々がどうかホールマン選手のことを記憶に留めてくれますように。

ほかのちびちびとした情報をメモ代わりに記しておきます。

オリオールズ、韓国SKワイバーンズの鄭 大炫(チョン・デヒョン:33歳)と契約間近か。

デュケット新GMラテンアメリカとアジアに強いとの触れ込みどおりか、北京五輪の胴上げ投手である、右の下手投げリリーバー、チョン・デヒョンを獲得との噂。膝の手術などもして多少力が衰えているようではありますが、どうなんでしょう。制球がよければおもしろいかもとは思いますが。

さらに26歳の内野手(右投げ右打ち)マット・アントネッリとメジャー契約(こちらは健康診断もすませてオフィシャル)。ブライアン・ロバーツが間に合わなかった場合のバックアップとして考えている模様。アントネッリは2006年のドラフト1巡め(全体17番め)でパドレスに入団。2年後にメジャーデビューするもぱっとした成績を残せず、2010年FAに。昨年はナショナルズの3Aで打率.297、出塁率.393 8HR、30打点ながら メジャー昇格なし。オリオールズでチャンスをつかみとることができるか。

◎一方、レンジャーズは、ツインズからFAとなっていたジョー・ネイサンと総額1450万ドル(約11億2000万円)の2年契約で合意。ネイサンはトミー・ジョン手術で2010年を全休。昨年、前半は不安定だったものの後半持ち直して14セーブ。来年は手術後2年目となるため、さらに安定感が戻るとレンジャーズは期待している模様。

これによって、クローザーのネフタリ・フェリスを先発ローテに移すことが可能に。FAのCJウィルソンとは、話はするけど深追いはしないという方針のよう。

マダックスコーチ、流出はなし。

レッドソックスカブスの監督候補に挙げられていたマイク・マダックス投手コーチ。その後レッドソックスからは自ら撤退し、カブスで面談を受けたものの、結局ブルワーズの打撃コーチだったデール・スウェイムが就任して、マダックスコーチはめでたく元の鞘に。レンジャーズとしてはほっとひと安心ではないでしょうか。

そういや、レッドソックスは現在30球団で唯一監督未定の球団になっておりますな。オリオールズGM選びに手間取っていたとき、ESPNのバスター・オルニーが「他のアリーグ東の諸球団のように光速で事を運べなくては、オリオールズの進歩は望めない」なんてツイートしてたけど、BOSが手間取るのはかまわないのかしらね、と皮肉のひとつも言いたくなる今日このごろ。ホントにボビー・バレンタインになるのかな。面談後のボビーのインタビューを読むと、「すばらしい街、すばらしい球場、すばらしいチームだ。これまで監督候補としてわたしの名前があがった中で、こんな魅力的な要素がそろったチームはなかった」と、すごく前のめり。オリオールズの監督選びで名前があがったときとはおお違い……まあ、おかげで(?)ショウォルター監督になったからいいんだけど。

◎上原帰国? 例年どおりこっそり帰ってきたみたい(笑)。(11月21日だと思われるけれど、詳細は不明。【すみません。勇み足だったみたいなのでブログタイトル修正しました。多分まだボルチモア

そういえば18日の報知新聞に「上原、ブルワーズ移籍急浮上!」という、妙に具体的だけど、ほとんど裏付けのない記事が載りました。気になってその後、レンジャーズ、ブルワーズ関係の情報などもちらちら眺めてはいますが、一度もueharaという名前を目にしていないので、まあ現時点では、ないだろうと思ってます。レンジャーズも先ほど書いたようにフェリスを先発に、ネイサンをクローザーにというもくろみで動いているものの、もしネイサンが不安定だったらアダムズがうしろに回ることも考えられ、そうなると7回8回あたりが手薄になるので、そう簡単に上原を手放すことはできないでしょう。

とはいえ、上原自身はそんな外部のことは多分気にしていないはず。

昨年も一昨年もそうでしたが、体が無事で、ちゃんと動くことさえできれば、必ず周囲を納得させるだけの成績を挙げられるという自信は持っているはずです。

先日、深夜に放送されたTBSの〈S☆1Jスポプラス〉は、1年間の取材映像をまとめた総集編のような内容でしたが、その中でも

「野球選手やもん。野球で返すしかなんも解決でけへん。」

と言っていました。地区シリーズのレイズ戦で打たれたあとの発言でしたが、今もきっとそれしか考えていないんじゃないかと思います。

修正ついでに上原が〈S☆1〉で語っていた自分の投球の極意についての話を少し足しておきます。前々回のエントリのコメント欄でみなさんからお話があったようなことが語られていました。

・基本的に球種はストレートとスプリットだけだからスプリットを意識させる。

・コントロールアウトローの生きたボールが生命線。

(ここでノムさんの「技巧派も本格派も基本は外角低めのストレート。 上原は目つぶってても外角低めにほうれる」というコメント。)

高めを意識させてアウトローでしとめたり、逆にアウトローを意識させて高めで空振りを誘うという投球で、7月までは空振り三振率がメジャートップ。

ポストシーズンではそのアウトローが高めに浮き、またスプリットも抜けて打ちかえされていた。(本来の投球ではなかった。)

ついでに9月の〈もみあげ通信〉でも興味深いコメントがあったので再録――。

・不調だった8月から復調した9月。そのきっかけはマダックスコーチに相談してビデオで投球フォームをチェックしたこと。一目瞭然で腰の位置、下半身の使い方が違うことがわかった。

・9月4日のBOS戦ではカットボールを実戦初投球。アヴィレスを投ゴロに。「キャンプからずっと課題にしていた球ですから。来年以降の課題の一つでもあります」

・18日マリナーズ戦。二死満塁で登板し、初球にスローボール。77マイルのスプリットを投げた。

「満塁で投手が代わって、初球ストライクをとるならファストボールと打者が思っているだろうと思ったんで。いつもスプリットは81~2マイルのところをちょっと抜いて思い切って投げました」

遅い球でストライクをとった後は、速球とスプリットで緩急をつけたピッチング。最後は外角へのストレートで空振り三振。

「ランナーなしだったらヒット打たれてもいいやってなりますけど、あそこの場面は満塁ですから、かなり勇気がいりましたね」

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よく指摘されるように上原はフライボール・ピッチャーなので、たしかにレンジャーズボールパークは最適な環境ではないかもしれません。でもそれだけではなく、やはりポストシーズンは自分の最高の球が投げられてなかったのだと思います。切れのいいストレートとスプリットが投げられれば、「遅いフォーク」や「カットボール」も交えてさらなる投球術が冴えわたるはず――。来季、テキサスのファンの前で上原が真の力を発揮するのを楽しみに待ちたいと思います。