Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

ニック・マーケイキス、そして岩隈

1月もあっというまに一週間、七草をむかえようとしてますが(へへ、あえて古風にせめてみました)フィルダーはどうなってるんでしょうね。各チームともあまり長期の契約にしたくなくて、せめぎあいがあるようですが、それにしても動向が伝わってこない。いえ、どっちみちオリオールズには来ないだろうから、あまり気にしちゃいないのですが、フィルダーが決まらないとほかの一塁、DH系のFAが決まらないので早くしてほしいなあ……。

なんてのんきにかまえていたら、オリオールズにちょっと心配なニュースが。昨シーズン終盤、腹部に打撲を負いながらも初のゴールドグラブを受賞したニック・マーケイキスが、なんと今月5日、その腹直筋の手術を受けたのだそうです。オフに入っても治りが悪く、2度目のMRIを受けたら筋肉の断裂が判明。さらに手術してみたら組織が瘢痕化して治癒を妨げていたことがわかったそうで、当初の診断よりかなりの重症だったそうな。

全治6週間前後とのことで、監督と相談してスプリングキャンプの試合には3月中旬までは出場しないもよう。開幕には間に合うということですがどうでしょうかねえ。出場したとしても調子があがるのは5月半ばってことになるのでは。ナショナルズのジマーマンが同じタイプの手術で6週間欠場したことがあるそうですが、もう少し早くわかっていればなあと悔やまれます。でもあせって長引かせてもいけないので、完全に治してほしいです。

どうなんでしょうね。これで今オフのアダム・ジョーンズのトレードはますます遠のいたんじゃないでしょうか。2011年、打率 .284、15HR、二塁打31、73打点のマーケイキスが開幕から危うい状況で、ジョーンズまでいなかったら、何を期待して試合を見ればよいのやらという状況になってしまいそう。

そんなことを考えていたらFanGraphに"Adam Jones, Unfinished Product"(粗削りだがのびしろのあるアダム・ジョーンズ)という記事が出ました。きわめて簡単にざっくりと要約すると、「アトランタ・ブレーブスは、ここ数か月ほどジョーンズに執心で、ジェア・ジュリエンスとマーティン・プラドを交換相手にトレードをまとめようとしているが、ボルチモアがうんといわない。これに対し、ブレーブスファンには「アダム・ジョーンズごときで要求が高すぎる」と気を悪くする向きもあるようだが、ジョーンズは未完成品だから、これまでの彼を見てもその価値は測れない。オリオールズはこれから開花する潜在能力に見合うだけの選手を求めているのだ」という話。

で、面白いのは、ではその潜在能力とは、ということで「過去10年に、25歳以下で、投球の半分以上に手を出し、ISO(長打率-打率)が少なくとも1.5以上の打者」をピックアップして比較していること。そうすると「若くて、運動神経にすぐれ、しかしかなり粗削りな打者」の一群があらわれます。このなかにはミゲル・カブレラ、ライアン・ブラウンの名もあるが、それとは「タイプが違う」。でも「これらの打者なら比較対象になるのでは」として挙げられたのが「Cano, Crawford, Beltre, Gonzalez, Kemp, Phillips, Ramirez, Wells, Hart, Pence, Francoeur, and Patterson.」といった顔ぶれ。

さあ、どうなんでしょう。ジョーンズはどこまで開花するか。オリオールズは彼をキープするのかトレードの駒にするのか。ほかに駒がないのは事実なんですが、できるならキープしてほしいに一票……。

ところでFanGraphには、岩隈さんに関する記事も出ていました。こちら。大半は日本のファンには目新しい内容ではなく、岩隈がどんな投手であるか、球種の紹介と故障歴、昨年肩の故障をして球速が落ちたけれどシーズン後半には少し戻ったこと、アジアの投手に多く見られるようにタメをつくってタイミングをずらすタイプで、ダルビッシュほどのスケールはないが、ゴロを多く打たせてコントロールもいいことなどが記されています。

そして結論としては「基本給$1.5 millionは、マリナーズにとっては本当に買い得。インセンティブは20試合先発、または140イニング以上投球しないと発動しないらしい。これは今オフのベタンコートやロドニーの契約よりもさらに安い。0.5勝ぐらいすれば十分ペイしそうだし、守備のいいマリナーズなら2勝や3勝はできるのではないか。同程度の能力の投手たちが2年総額12MILぐらいを要求しているなかで、マリナーズはよくこの値段で契約にこぎつけたものだ」ということ。

まったくです。去年の騒動はいったいなんだったんでしょう(^_^;;(わたしは、はっきりいって、団野村氏にひっかきまわされたんじゃないかと思っていますが。)岩隈はWBCでもダルビッシュより安定した投球をしていましたし、長期離脱さえなければ活躍できると思います。(ただし、打線の二回り、三回りめはどうしても球数が増えるでしょうから、そこらへんをどう乗りきるか。)

これでシアトルはますますピッチングのいいチームになりそう。打線には目立った梃子入れがないので(汗)イチローの復調と、アックリーやスモークの成長が頼みの綱でしょうか。6試合ぐらいしか対戦しませんが、オリオールズにとっては強敵になりそうです。(レンジャーズ目線では見ていない……(^_^;;)

【追記】

むむむ、7日付けのスポニチに中島の交渉経緯が。気になるところだけ抜粋しておきます。

「提示された条件は1年契約で年俸は80万ドル(約6160万円)前後。今季年俸2億8000万円の4分の1以下だ。それでも「中島は年俸も理解し、控えでも活躍して評価を上げればいいと考えていた」(関係者)」

「複数の大リーグ関係者は「ヤンキースは最後まで保有権にこだわった」と明かす。中島サイドの「1年契約満了後にFA」の要望に対し、ヤ軍は「(自動的にFAとなるまでの)6年間の保有権は捨てない」との主張を曲げなかった。」

本当なんでしょうかね。いくらポスティング・フィーを払うとはいえ、ミニマムの金額で6年も保有されるのでは、とてもじゃないけど契約を結べるわけがない。中島が現地に到着してまもなく破談を発表したタイミングも合わせて考えると、やはり今回のことはヤンキースにはじめから契約する気がなかったとしか考えようがありません。(もちろん、この報道が本当だとして、という条件付きですが。)

どうにもポスティングという制度はあまりにも不都合が多すぎる気がします。FAと同じくオープン交渉にして、出来高の一部を「あがり」として日本の所属球団に支払うというアイディアをスポーツアナの節丸裕一さんが提案していらっしゃいましたが、何かそんな新しい形を考える潮時ではないでしょうかね。

【追記2】

中途半端な知識で書いてるのであとからいろいろ明るみに出るのですが、ポスティングは「メジャーの新人扱い」で6年の保有権が原則なんだそうですね。ツイッターで教えていただきました。だからヤンキースがいけずなわけじゃなく、あくまで「原則は変えられないよ」ということなのだろうと。しかしそうだとしたら、ロスターの空きを作るために簡単にマイナーに落とされたりするわけですよね。もちろん、安い契約なので他チームからトレードの声がかかることもあるかもしれませんが、あくまでも球団主導。やはりあまりにもリスクが高いでしょう。

同様に、もしもダルが5年か6年かでもめているとしたら、これも「6年が原則」ってことなのでしょうね。それがいやならはじめからFAまで待ちなさい、と。

でもって岩隈は1年契約ということですが、そのあとはFAなのかどうなのか。謎。どなたかわかる方教えてください……。