Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

ポスティングにまつわるリンク集

前エントリに追記しようかと思ったら長くなってしまったので独立させます。きのうからいくつかポスティングに関する記事を読みましたので、いくつかリンクをご紹介。

・FOXスポーツ、ローゼンタール記者のポスティングの欠陥に関する記事 Why Nakajima did not sign with Yankees

 1球団としか交渉できないからお互いに最適なマッチングを探せないという主旨。

 中で中島の代理人グレッグ・ゲンスキー氏のコメントが紹介されています。基本的には、中島は日本でも最高の内野手で、守備はゴールドグラブ級、パワーもあるし打率も残せる。足も速い。しかしポスティングシステムでは1球団としか交渉できず、毎日プレーしたい中島と、内野のバックアップを求めていたヤンキースは初めから合致しなかったという話。一部引用しておきます。

ヤンキースとポスティンシステムに対して敬意を表するため話し合いを行ったものの、ヤンキースのオファーが現時点での中島のキャリアに合致しないことは明らかでした。中島の決断は、金額とはいっさい関係ありません。ただヤンキースの考える役割では、自分の能力を最大限に発揮してチームを助けることができないだろうと感じたのです。

(“Out of respect for the Yankees and for the process, we engaged in discussions, but it became clear that this was not a good fit at this stage of his career. Nakajima’s decision had nothing to do with money; he just didn’t feel that he would be using his abilities to the fullest and helping his club to the maximum extent possible in the role that the Yankees envisioned for him.)

最後は西武とヤンキースへの感謝のことばで結ばれています。保有権のことには触れていません。(だからといって、そのことが話し合あわれなかったということにはなりません。)

記事ではこのほかに岩隈のことにも軽く触れていて、1年待ってFAで移籍する道を選んだが、2011年シーズンにケガによる離脱があったためにバリューが著しく落ちてしまった、と述べています。

・今日のスポニチ、スコット・ボラス氏の制度改革案

基本的にはきのうのエントリで紹介した節丸氏の案と似ていて、それにプラス、球団に入る保証金の配分率に、FAまでの年限による傾斜をつけるという案。これけっこういいんじゃないかと思います。(しかしあのボラス氏も日本のマスコミにかかると「松坂の代理人」になっちまうんですね(^_^;;)

・同じスポニチの記事 選手会の改革案

第2、第3のチームとも交渉できるようにと。それって入札の意味なくない?(^_^;; だったらボラス案のほうがシンプルでよい。まして団野村氏の「違約金」案は(汗)。契約結んでないのに「違約」の意味がわかりません。ネゴしたけど合意にいたらず契約がご破算になることなんてビジネス現場ではいくらでもあるでしょうに。

・Writer 水次祥子 Official Blogより 「今オフのポスティングを考察してみた」

FA前年のポスティングだと破談の可能性が高まること(たしかに!)や、ポスティング移籍がメジャーの新人扱いであること(それゆえ6年の保有権があること)など、メジャー側の視点も交えて書かれているのでわかりやすいです。6年の保有権がチームにあるからといって6年間しばりつけられるわけではない。(だから6年契約を結んだ上で3Aしか行き場がなくなっている井川とはちがいます。)あくまでも選択権がチームにあるということなのですね。

前エントリにも記しましたが、このことはわたしも今回まで知りませんでした(1年契約が終わったら軽くFAになれると思っていました)。Wikiの「ポスティングシステム」にも保有権に関する記述はありません(2012/01/08現在)。これって暗黙の了解なんですかね?(^_^;; けっこう知らない人多いし、へたすると選手もこのことは意識していないんじゃないかと思いました。

・もうひとつFangraphsの記事も。だいぶ前(December 20, 2011)に読んだので忘れてしまいましたが(オイ)、他チームの獲得を妨害するために入札する可能性(前回の岩隈の時にそういう噂があったことに触れていますが、それが真実かどうかは確かめようがないとしています)のほか、クローズド入札というもの自体の非効率性にも言及しています。今回のレンジャーズもそうですが、入札額というのはチームにとってバカにならない負担です。まして2位以下のチームを大きく引き離した場合は、交渉権を得るだけのために実際に必要だった額よりもはるかに多くのお金をかけたことになります。レンジャーズもこれからナポリやハミルトンなど契約延長を交渉したい選手が数多くいるわけですし、今回の入札がこれからの負担にならないといいなと思います。

・あ、あと、前エントリで「岩隈は1年でFAなんですか」とかとぼけたことを書きましたが、岩隈さんはポスティングじゃなくFA移籍でしたね。忘れてました(^_^;; すみません。

【追記】本文よりコメント欄のほうが勉強になりますので、このエントリをご覧の方はぜひぜひコメント欄も熟読してください。