Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:アリエッタ好投、開幕戦勝利

開幕ですね~。これから喜んだり落ち込んだり、またきびしい戦いが始まるんだなと思いつつも、やっぱりワクワクうれしいオープニングデーです。

オリオールズの本拠地、OPACYことオリオールズ・パーク・アット・カムデンヤーズは今年で20周年。まずはそのOPACYの開幕風景をどうぞ。ファンのわくわく感が伝わってくる楽しい映像です。いいなあ。一度は行きたいです。

つづいて選手紹介と、ウィーターズ&マーケイキスのゴールドグラブ表彰式の映像を。和田がDLでこのセレモニーを体験できなかったのが残念。来年はぜひ。選手紹介ではジョーンズやウィーターズが人気なのは当然として、レギュラー陣の最後に名前を呼ばれたロバート・アンディーノへの拍手が一段と大きかったのが印象的。昨年の最終戦、BOSを奈落のどん底へ突き落とすサヨナラ打を打ったことをファンは忘れていません。

今日の観客は 46,773 人。映像で見るとほぼ超満員。しかも初回からオリオールズ有利の展開に持ち込んだせいもあり、客席にエネルギーが満ちていて、とてもいい感じでした。

今オフのオリオールズのチーム作りに関して米スポーツ記者たちは一様に懐疑的です。ガスリー対リンドストローム+ハメルとのトレードについても、大量のマイナー契約にしても、「先を見てない」「質より量」と嘲笑し、「100敗もありうる」(ジョン・モロシ)という予想まであるほど。現実的で行動を旨とするアメリカ人のメンタリティはたしかに見あげたものだなと思うこともよくあるのですが、弱い者を徹底的に糾弾し、揶揄するこの姿勢だけはどうしても好きになれません。これは弱者の側に立って初めて実感できることなのかも。レイズがターンアラウンドしたときには、日本のマスコミを通してしかmlbを見ていなかったのでどのくらいの手のひら返しが行われたか知らないのですが、「オリオールズだって……オリオールズだって、いつか見返したるからなあ」とひそかにこぶしを握るわたくしです。

さて、試合の方はツインズのパバーノから効果的に得点を奪って、4-2で勝利。

まず初回にニック・マーケイキスの逆方向への2ラン(動画)で先制。マーケイキスは今オフ腹筋の手術を受けて、実戦デビューもかなり遅らせ、慎重にリハビリを続けてきたので、パワーがどれだけ戻るかなあと心配だったのですが、不安を払拭する活躍、うれしかったです。6回にも3ベースでもう1打点。それでも5月ぐらいまでは、抑え気味にときどきDHに回ったりして疲れをためないようにしてほしいです。

投げる方ではジェイク・アリエッタが7回2安打無失点、4奪三振の好投(動画)。こちらもオフにひじの骨棘の手術を行ったのですが、昨年、痛みをやりすごしながら投げていたときに比べて明らかに制球がよくなっているのが好材料。いきなりエースになれとはいいませんが、先発一番手というきびしいポジションで、なんとか1年間、離脱せずにがんばってほしいです。

そうそう、8回にはこんなプレーも。ツインズ2死一、二塁からサードゴロで、やった!と思ったらレノルズがとんでもない送球(怖)。これをファーストのクリス・デイヴィスが思いきりストレッチしてナイス捕球。昨年からひきつづきレノルズの送球はほんとにこわいです(^_^;; 

9回は4点差でブルペン唯一の左腕トロイ・パットンが登場したのですが、初登場の緊張感か制球定まらず、ウィリンハムに2ランを浴び2点差に。

ここで新クローザーの(ショウォルター監督が昨日発表しました)ジム・ジョンソンが登場。JJも安打でふたりランナーを出しましたが、最後を締めてセーブを挙げました。

その他の動きを。

・シモン、レッズへ。

ウェーバーに出されていたアルフレド・シモンは予想どおりクレームされてレッズの一員に。

・ダレン・オデイが開幕ロスター入り。ザック・フィリップス、パット・ネシェックは3Aへ。

これによりオリオールズブルペンは当面トロイ・パットンが唯一の左腕ということに。フィリップス、ネシェックともオープン戦では好投を続けていたのでショウォルター監督も「落とすのはとてもつらかった。今季かならず上がってくるだろう」と述べています。

・アーマンド・ガララーガをリリース

オフにドジャースからトレードで獲得したダナ・イブランドを3Aに降格した影響(だと思う)で、マイナー契約のガララーガをリリース。あのまぼろしのパーフェクトゲーム以来、ガララーガは試練に見舞われていてちょっと気の毒。またいいことがありますように。

・ディラン・バンディ、鮮烈なプロデビュー

オリオールズ、昨年のドラフト1位(全体5位)のディラン・バンディ(19)が、今日の1Aの試合でプロデビュー。3イニング6三振、ひとりのランナーも許さない快投を見せました(記事)。

マトゥスやブリトンのメジャーデビューを急いで、故障や伸び悩みにつながったこともあり、あまりあわてて上げることはしないだろうと思いますが、19歳とは思えない体つき、落ちつきぶりは魅力。そう遠くない未来にメジャーで見られそうな予感がします(言ってることがバラバラやん(笑))。

明日はトミー・ハンター×リリアーノ。今季も気長に(でもひそかに熱く)見まもります。

【追記】

そうそう、これを忘れちゃいけません。

ロッキーズに移籍して開幕投手になったジェレミー・ガスリー、アストロズ戦で勝ち投手になりました。パチパチパチ。

ガスリーらしく制球のばらつくところもあり、あまりリズムはよくなかったですが、ランナーを出しながらも粘りの投球で7回3失点。降板直後に味方が点をとってくれて、勝ち星を手にしました。なんか、しみじみうれしい(笑)。O'sではむくわれなくても黙々と、明るく投げ続けていたので、今年は勝ちがたくさんつくといいなあ。

それから、ガスリーがトレードされたのと同じ日にオリオールズからリリースされた左腕リリーバーのクレイ・ラパダがなにげにヤンキースの開幕ロスター入りしてます。典型的な左打者専門、いわゆるLOOGY(Left Handed One Out GuY)で、昨年もそれなりの成績を残したのですが、オリオールズには一人一殺の投手を抱える余裕がなく、ガスリーのトレードと同じ時期にリリースされたのでした。

面白かったのはこのエントリでもお伝えしたようにガスリーがツイッターで"Toto, I have a feeling we're not in Baltimore anymore."(トト、ぼくたちもうボルチモアにいるんじゃないみたい。)といったとき、ラパダが「今、オレのこと『トト』って呼んだ?」とコメントしたこと。ガスリーが、ボルチモアから出ていく自分を、竜巻で吹き飛ばされた『オズの魔法使い』のドロシーになぞらえたのに対して、ラパダはドロシーの愛犬トトに自分をたとえたのでした。

まさしく竜巻なみの暴風に翻弄されながらも、自分の居場所を見つけて、しがみつき、いつの間にか必要欠くべからざる存在となることを目指すのが、メジャーリーガーの現実ですもんね。味わい深いやりとりだったなと思います。