O's:天敵たちとの連戦中
一昨日のマリアーノ・リベラのケガは衝撃でした。まだケガの程度がわからなかったとき、映像を見たら球場を去るとき笑顔だったので、最悪の事態は避けられたんじゃないかなと思っていました。ところが前十字靱帯損傷と。とっさに「さっきの笑みはやりつくした、という笑みだったのだろうか」と思いました。
でも昨日になってリベラは「こんなふうにして終えるわけにはいかない。物事が起こるのには理由がある。チームには迷惑をかけるけど、ぼくは前向きだし、またカムバックしたい」とはっきり表明しました(動画)。
今季かぎりでの引退をにおわせていたリベラですが、このケガでたしかにあらたなモチベーションを獲得したように見えます。やはり生来のファイターなんですね。でなければクローザーなんていう過酷なポジションをこれだけ長期間守り抜けるわけがない。
前十字靱帯のリハビリは過酷ですが、もどってきたアスリートは数多くいます。フィギュアの高橋大輔などは、リハビリの過程でかつてよりも股関節の柔軟性が増し、スピンの技術があがったといいます。リベラはまちがいなくカムバックを果たすことでしょう。その間に、案外新たな球種を手に入れたりしてさらなる高みを目指すなんてこともあるかも。ヤンキースはにくたらしいけど、リベラは応援せずにいられない――今回、ほとんどすべての野球ファンがそんな自分の気持ちに気づいたんじゃないかなあと思います。
さて、オリオールズも粘り強くがんばっとります。
リベラがケガ前に最後のセーブを記録したのがオリオールズ3連戦の初戦、黒田の登板試合でした。その試合と2戦めまでは前エントリに。
5/2 オリオールズ5ーNYY0 ○
アリエッタが前2回の汚名返上で8回無失点の好投。打つ方ではマット・ウィーターズの7号、マーケイキスの3号のほか、今季まだヒットのなかったニック・ジョンソンのタイムリーなどで5点をとっての快勝でした。
5/4 オリオールズ6ーBOS4 ○
1日オフをはさんできのうからフェンウェィでの3連戦。初戦はチェン・ウェインの先発。7回無失点だった前回に比べるとキレもなかったか、5回5安打4失点(自責3)、四球3、三振4というピッチング。ERA2.76。
でもチェンのいいところは粘りなんですよね。
きのうも初回、ツーアウトをとってからアンディーノ、レノルズと2つのエラーが出て(レノルズの三塁からの送球はほんまにあかん)一気にピンチになったのだけど、そこでふんばってオルティスをショートゴロに。2回には三塁打と、捕手で入っていたポーリーノのパスボールで失点し、さらに四球などもあってまたピンチに陥りますが後続をおさえて傷口を広げず。4失点はしたものの、このチェンの粘りが逆転を呼んだともいえます。
打線はとられたらすぐとりかえす、と、こちらも粘り強さを発揮。なかでも今季これまでいいところなしだったレノルズに1号HRが出たのが大きかった。(で、これを書いている今、BOSとの2戦めで3ラン。調子に乗れば手がつけられないんだけどねえ。)
7回には無死満塁からダブルプレーの間に1点というじみ~な形で同点に。
で、この日いちばん輝いたのはブルペンでした。チェンが5回で降板したあとリンドストローム、ペドロ・ストロープ、アヤラと無失点リレーで延長戦に。
バックにも助けられました。なかでもすばらしかったのが8回、JJハーディーのこのプレー。ハーディーのところに打球が飛ぶとだいたい安心して見ていられるのだけど、このプレーなんかは運も作用してるかも。勢いっていうのもたしかにありますね。
延長戦に入ってもアヤラ、トロイ・パットンと無失点は続きます。そして13回表、クリス・デイヴィスのしぶ~いタイムリーとレノルズの犠牲フライでついに2点をもぎとると、その裏、食中毒から立ちなおったジム・ジョンソンがさくっと3人締め。8回を無失点に抑えたこのブルペンリレーをごらんください。ハイライト映像としては、なかなか珍しいジャンルといえるんじゃないでしょうか。これでブルペン防御率は1.56(メジャー1位)。まあ、いくらなんでもこんな数字のままいくはずはないんだけど、大切なのは絶対的数値じゃなく相対的数値ですからね。先発ができるだけ長いイニングを投げ、ブルペンの疲弊を避けるというのが、大切なフォーミュラかなと思います。
そして現在続行中の第2戦。今8-0でオリオールズリード中。
先発のハメル(前回は黒田に惜敗)が6回2安打無失点、8奪三振と好投中。
打線はアダムジョーンズのグリーンモンスター越え場外2ラン(駐車場に着弾)と、レノルズのこれまたあわや場外という特大3ランで3回に一挙7点のビッグイニング。Wow.
BOS先発のアーロン・クックは2回にパスボールのあと本塁クロスプレーで膝を負傷(痛)。続投しましたが、次の3回に打ち込まれたので何かしら影響があったのかも。ダルと黒田が同じような状況でホーム突入を阻止したプレーがありましたが、やはり危険なのねと再認識したのでした。
【追記】クックは止血のためきつくテーピングして戻ったら、足がしびれてしまい、3回は手投げになってしまったのだそうな。降板後、11針縫ったそうです。
今7回裏、BOSが反撃中。あかんあかん、ちょっとでも気をゆるすと8点ぐらいあっというまに取り返されるからね。気をゆるめずに断ちきりましょう。
【追記】ハメルが1点とられたあと、ダレン・オデイがもうひとりランナーを返されましたが、後続をたちました。8回もピンチがあったけれど、アンディーノのこのプレーで無失点に。9回は久々のグレッグで3人締め。オリオールズ8ーBOS2 ○
きょうもこれからデーゲームでハンターが登板。今日は見られないので夢の中で応援しときます。
Go, Birds!