Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

チェン、きみがエースだ。

きのう、きょうは、ホームでNYYと2連戦。きのうは頼りになるハメルの先発でしたが、先制しながらエラーがらみで逆転負けといういやな試合。このままずるずる負けると、あっというまに「ほ~らね、やっぱり」となるところ。きょうはどうしても勝たなくてはならない試合でした。簡単にふりかえります。

5/14 オリオールズ3-NYY8 ● 負:アヤラ BOX

初回にジョーンズのタイムリーなどで2点先制し、いったん逆転されたあとハーディーの2ランなどで再逆転。膝痛で心配されていたハメルもそれなりに投げていたのでいい流れだったのですが、6回につかまって降板。ランニングなどをしていなかったので若干スタミナ切れになってしまったと本人は説明していました。

ここでリリーフしたアヤラが一塁ゴロを打たせますが、クリス・デイヴィスがはじいて二者生還。同点にされてしまいます。

デイヴィスは先日のあの勝ち投手になった試合以来、打席でもグラウンドでもいいところなし。野球ってむずかしいなあ。これで、メジャー3番めに多いチーム36失策のうち半分近くが一、三塁の失策ということに。オリオールズにとって大きな頭痛の種になっています。(ただ、二遊間が非常にしっかりしてるので、それが救いなんですけどね。)

けっきょくこの日はテシェイラに勝ち越しツーランを打たれて、ジ・エンド。いやな負け方でした。

唯一の明るい話題(bright spot)は、前日メジャーリーグデビューしたゼイビア・エイヴァリーの活躍かな。初ヒットと初打点を記録しました。

5/15 オリオールズ5-NYY2 ○ 勝:チェン(4勝) S:ジョンソン(12S)

チェン 7回4安打2失点、四球2、三振4 ERA2.45 BOX

どうしても勝ちたいときに勝ちを呼び込む投球をする人を「エース」と呼ぶのだとすれば、きょうのチェンはまさしくエースのピッチングでした。相手が今季負けなしの、そして他のどの投手よりもオリオールズに対する勝率が高いサバシアでも、気負うことなく平然と自分のピッチングをするチェン。制球よく、きれのある投球もさることながら、この落ち着き払ったマウンドさばきが味方に与える自信というのもばかになりません。何度かピンチはありましたが、そのたびにすごい集中力を見せてくれました(動画)。

打線はアダム・ジョーンズの11号ソロと、JJハーディーの2本のタイムリーのほかは、ゲッツー間に1点、相手のパスボールで1点と、しぶ~い点のとりかた。でもそれでいいのです。今までさんざん相手にそういう野球をされて苦杯を喫してきたわけですからね。相手のエラーで点が入るのは、それだけランナーを出していたという証し。

そういう意味では、きょうサードに入ったスティーブ・トールソン(2安打1得点)や、きのうからレフトで先発のゼイビア・エイヴァリー(1安打1四球1得点)がいい働きをしてるのが目をひきます。とくにエイヴァリーは足が非常に速いし、意外とパンチ力もあるし、きょうはみごとなバントヒットも披露。ライモルドがいない穴を埋めてくれそう。22歳と若く、将来的にも楽しみな選手です。

チェンは8回、マウンドにあがったところで相手の代打策に合わせて降板。スタンディングオベーション。その後、ストロープがピンチを作りながらもDPでしのぎ(ハーディーうまい)、最後はJJが、やはりDP締め(こっちはアンディーノがめちゃくちゃうまい)。

ヤンキースが相手だとほんとに最後まで気が抜けませんが、しっかりしたいいゲームだったと思います。

試合後には相手のジラルディ監督もチェンに対する賛辞をならべました。

「ずるがしこい投球をされた。91、92マイルの球でコーナーをついて、そこに変化球をまぜてくる。投球術を知っているね。球種が4つあって両サイドに投げ分けられるのが大きい。うちだけでなく、どこに対してもいいピッチングをしているだろう。だからべつに驚きではない」

ショウォルター監督も「どの球もキレがよくて、制球もよかった」と同じ見解。前回のレンジャーズ戦と合わせて、負けられない場面でのストッパー的存在になりつつある?との問いには「試合前にはそんなことを言わないよう気をつかったが、日本でも同じような場面で投げているからね」と、自信と気遣いの両方を見せていました。

「シーズンは長いから、これから厳しい場面にもめぐりあうだろう」と監督も言うように、これから暑い夏場をどう乗りきっていくのか、など、まだ未知の要素も多々あるチェンですが、これまでのところは環境の大きな変化にもうまく順応して、実力を発揮しています。

試合後にはNH<のインタビューに日本語で答え、チームメート(ハメル?)からのシェービングクリーム攻撃も受けていました。MASNじゃないので映像がないのが残念。初勝利でもないのになぜここで、という疑問はあれど(笑)、ああすっかりなじんでるんだなということがよくわかる、いい場面でした。

これでNYY-BOS-TEX-TAM-NYYと続いた、きついきつい15連戦を9勝6敗でクリア。負け越さなければ上出来と思っていたので、望外の成績です。

さて、明日からはカンザスシティに赴きロイヤルズと3連戦。なんと、きのうきょうとレンジャーズをスイープした好調のチームです。ま、どことやっても激戦になるオリオールズなんで(^_^;; また必死の戦いになることでしょう。このところちょっと被弾の多いトミー・ハンターに、明日はびしっとしたピッチングをしてもらいたいところです。(見られない日なので、心のなかで応援します。)

【追記】ジム・ジョンソンのインタビューのなかにチェンへのシェービングクリーム攻撃のシーンがありました。40秒あたりから(15秒あたりに忍び寄るハメル(?)の姿も)。JJもとばっちりを食ってます(笑)。ちなみにこのインタビューのなかでJJも「緩急を使ってコーナーを投げ分けていたけど何よりすばらしいのは落ちつき払っていること」とチェンをほめていました。

チェン自身は、NHKのインタビューでも、今日は調子はふつうで、ウィーターズがよくリードしてくれた、と、日本の投手らしく(?)捕手をほめていましたが、そのウィーターズも「投げるたびに感心させられる。チェンは相手や場面にかかわらず、マウンドでいい投球をすれば抑えられるとわかっているんだ」と述べています。コミュニケーションについては「とてもやりやすい。ピッチングをよく知っているから、ぼくが間を取りに行けば、その意味をわかってくれる。なんの問題もないよ」ということです。