剣豪ハミルトンWalk-off! & コウジは２イニングパーフェクト

すいません、わたしのなかの勝手なイメージなので押しつける気は毛頭ないんですけど、ハミルトンって見れば見るほど「剣豪」に見えてくるんですよね。あの全身の力を抜いたようなゆるりとした立ち姿。体から発するいわくいいがたい「気」。相手投手からしたら「剣呑（けんのん）」としかいいようがない雰囲気じゃないでしょうか。ボルチモアで４ＨＲをやったとき、ダレン・オデイは吸い込まれるように真ん中に投げてしまいましたし、今日のフレイザーは、もう次に投げたら打たれると察したかのように、ひどく投げにくそうな様子でいったんマウンドをはずしてからチェンジアップを投じ、みごとにバッサリやられてました。おそるべし。

でもって、ホームベース１周してもどってきて、インタビューを受けたら「いや～、５回に守備でフェンスに激突して火花が散って、まだ頭がクラクラしてたからボールを見るのに必死だった」なんて声が裏返ってたりして、超人的なところと妙に人間的なところが渾然一体となっているのも、物語に出てくる剣豪みたい。（素浪人・月影兵庫とかね←やばい、古い古い古すぎる。）

今日は上原も同点の10回、11回に登板。６人をクリーンに片づけました。残念ながらその裏のチャンスではどちらも点が入らず、勝ち投手は逃したけれど、勝利に大きく貢献したと胸を張って言える登板でした。（えっへん。）

5/26　レンジャーズ８X-ブルージェイズ７　○　勝：建山　（延長13回サヨナラ）　BOX

上原、打者６人、無安打、無四球、無失点。三振１、ERA1.04。投球数22球（うちストライク17）　

【10回】

１　エンカルナシオンを５球め、ファストボールで高々とあがるファーストファウルフライ。

２　アレンシビアを６球め、フォークで空振り三振。その前に直球でファウルを打たせて、同じところからストンと。非常にきれいに落ちました。

３　テムズを４球め、フォークでライトフライ。ウォーニングトラックまでふらふらとあがったので、少しヒヤリと。ただ、打球に力がなかったのでよかった。初球、２球めのフォークで完ぺきに空振りを奪い、３球めはワンバウンド。４球めのフォークも低めに決まっていたけど、ひろわれた感じ。でも初めにあれだけの空振りを見せられると、続けたくもなりますよね。打者の対応力がすごいな。

トロント側の実況を聞いてみたのですが、「上原はいろんな球種を織り交ぜてくる。ファストボール、カーブ、チェンジアップ、スプリット……」と言っていて、「ん？」と。でも、そういうふうに見えるのだったら、とてもいいことです。

【11回】

10回裏にランナー二塁というチャンスがあり、それなりに盛りあがったが得点ならず。回またぎで、しかもこういう逸機のあと投げるのは大変だと思うのですが、淡々と続投。オリオールズでリリーバーになって間もないころ、回またぎがうまくいかなかった時期がありましたが、今では「次の回も投げるものだ」と思って気持ちの準備をしていることが伝わってきます。

１　ローリーを初球のファストボールでセカンドフライ。こういうときの初球アウトはほんとにうれしい。

２　クーパーを２球めのフォークで力ないセカンドゴロに。

３　ビスケルを４球めのフォークでセカンドポップフライ。

この回はすべて打球がセカンドへ。非常に落ちついて見ていられました。すばらしい。これで12戦連続無失点。

本人のブログ

打撃のほうでは、今日はハミルトンのWalk-off HRのほかにクルーズ-トレアルバ-モアランドの３連発というど派手なやつが６回に飛びだしています（動画）。７、８、９番ですよ？　たまったもんじゃない(^_^;;

その後試合は膠着状態に入って延長戦に突入。13回表にロビー・ロス（と、そのランナーをひきついだ建山）が２失点するわけですが、この時点でブルージェイズは弾が尽きていたといえるでしょう。昨日の試合で先発のモローが０回2/3でKO。ブルペンをひととおり使いきっていたために、13回裏を昨日41球投げた五十嵐に託すしかありませんでした。

この五十嵐がキンズラーに四球。（相変わらずかつぎ投げのようなフォームが気になる……。）そしてアンドルースに左中間タイムリーツーベース。それにしてもジェイズの外野はなんであんなに浅く守っていたんでしょう？　定位置だったらレフトフライだったような気も。２点差あるのだから長打警戒で深く守っていてもよかったのにと、やや疑問。

そして五十嵐から、こちらも昨日31球投げて４失点だったフレイザーにバトンタッチ。で、冒頭に記したようにジョシュ・ハミルトンが５球めのチェンジアップをセンターの一番深いところにたたきこんでサヨナラHR！　ファストボールはカットしていたものの、前には飛んでなかったので、１球チェンジアップをはさんで……ということだったのか。でもプレートの上に投げたらやっぱりあかんのね。ほんとに居合い切りのようにすっとバットが出る様には見とれてしまいます。かっこいい。

13回表に打者２人に投げた建山が今季初勝利。よかったね♪　サヨナラの輪に入っていっしょに喜んでました。上原の姿は見られなかったけど、アイシングでもしていたのかな。あのテンポのいい２イニングの投球が勝利を呼んだのだと、わたしは勝手に信じることにします（笑）。

というわけで、また気持ちよく、次へ。コツコツ行きましょう。