O's:フェンウェイで2勝1敗
オリオールズは、苦しいロードをしめくくる、フェンウェイでの3連戦でした。好調のBOS相手だし、3連敗だけはやめてねと思っていたので、接戦を制して1、2戦をとれたのは大きな喜び。これで昨年から通算、フェンウェイパークで7連勝という球団記録を樹立しました。3戦めはこのところ4戦連続QSのマトゥスくんだったので、あわよくば……なんて甘い夢を見たけどそちらはもろくも粉砕。ううう。まあ、苦しいチーム状況でよくふたつ勝ったといっておきましょう。
6/5 オリオールズ8-BOS6 ○ 勝:ジム・ジョンソン(1-0 17S) BOX
とったりとられたりの激しいシーソーゲーム。6回裏に逆転され、7回表に再逆転。よしっ、と思ったのだけど、9回2アウト2ストライクから、ジム・ジョンソンがあたっているサルタラマッキアに2ランを浴びてしまい、今季初のセーブ失敗。グリーンモンスターのフェンスぎりぎりで、ファンが手を触れたようにも見え、ビデオ判定になったけれど、判定変わらず。これで6-6の同点。う~、blown save いつかは来ると思っていたけど、BOS戦かあ、という痛恨の念が。
しかしその裏、続投で球威の落ちたアセベスからレノルズが粘って四球を選ぶと、スティーブ・ピアスがきれいにバントで送り、ポーリーノがセンター返しのタイムリーで勝ち越し! さらに守備固めで入っていたフラーティーが安打でつなぐと、チャベスもきょう3安打めとなるタイムリーでもう1点。今季、HRでしか点がとれず(ぜいたくな!)、そのHRもこの2週間ほどまばらになって苦戦していたオリオールズが、今日は得点圏でなんとタイムリー8本。すばらしすぎる。しかも下位打線が大活躍。マーケイキスの穴をしっかり埋めました。
10回裏はジム・ジョンソンがリベンジ登板できっちり三者凡退。初のセーブ失敗のあとすぐ自分で雪辱し、今季初勝利を手にしました。動画には少ししか映っていませんが、試合終了のあと、ウィーターズ&ジム・ジョンソンというでかい2人が並んでいる姿がうるわしいです(笑)。
この日、試合後のインタビューでショウォルター監督は「あまり一喜一憂したくはないが、今日は、今季のなかでもいい試合だった」と喜びました。エラーもポロポロ出たし、Blown Save もあって、むしろ「Ugly(ひどい)」と形容してもいいくらいの試合運びだったのですが、ショウォルター監督がつねづね説くのは「たとえそういうことがあっても、最終的に帳消しにするチャンスはいくらでもある」ということ。それを全員で実践できたからうれしかったのだと思います。
そしてジム・ジョンソンは、10回裏にマウンドにのぼった理由をきかれると"Because it was my fault. (ぼくの責任だから)」とシンプルにひとこと。そして「みんながカバーしてくれてうれしかった」と続けました。おだやかで冷静なこの人の物腰がわたしはとても好きです。(インタビュー)
昨年8月から続いていた連続セーブは25試合で途切れてしまいましたが、すぐに自分の手でやりかえすことができたのですから、一番望ましい途切れ方だったかもしれません。
6/6 オリオールズ2-BOS1 ○ 勝:チェン(5-2) S:ジョンソン(18) BOX
リアルタイムでは見られなかったのですが、見てたら心臓破裂しそうな試合。チェンががんばった~!
3回に犠牲フライで1点先制されるも粘りのピッチング。7回には1死二、三塁という大ピンチがあったのですが、そこからギアを一段あげてバードを三振、アヴィレスをポップフライにとって7回1失点。7安打打たれましたが、無四球。三振4。(動画)
この場面についてショウォルター監督は、交代を考えなかったのかとの問いに「あれだけのピッチングをしていたから、自分で白黒つけさせてやりたかった。敬意を表しての続投だよ。それに全力投球で応えて結果を出してくれたね」と述べました。チェンのマウンド上での存在感についてたずねられると「勝ち気だし研究熱心だね。イニング間でも、自分の先発でないときでも試合をよく見ている。だからよく状況がわかっているんだ。立派だよ」と。賛辞を惜しみませんでした(*^-^*)
さていっぽう打線の方はベケットにカンペキにおさえられ、5回まですべて3人で終えるという状況。(4回にチャベスがヒットを打ちますが、ハーディーが併殺。)
ところが6回にベテミット、フラーティーの連打で無死一、三塁のチャンスを作ると、アンディーノが4球目をしぶとくライト前に運んでタイムリー! 1対1。
昨年、最終戦でパペルボンを沈めたアンディーノ。
「バンビーノの呪い」になぞらえてファンからは「アンディーノの呪い(The Curse of Andino)」なんて呼ばれ、こんなTシャツまで作られるほど。きょうのしぶといヒットは、まさにCurse of Andinoを体現するものでした。
さらにDLから復帰後、バットがよみがえっているチャベスが内野ゴロでもう1点。シブイ。
この虎の子のリードをストロープ→ジョンソンのリレーで守りきりました。
Blown Save の翌日の1点差ゲーム。しかも先頭バッターはきのう同点ツーランのサルタラマッキア。さすがに本人も「まだ記憶が生々しかった」と笑っていましたが、これを6球勝負でレフトライナーに押さえたあとは、2連続三振をうばって試合終了。たいしたものです。
えー、チェンへの他の選手たちのコメントをもう少し。
「今までどおりのピッチングだよ。シーズン当初からずっとこういう投球をしてくれてる。チェンはどんな状況でもあわてない。安定感の見本みたいな人だ。マウンドに立てば何が起きても冷静だね」
ロバート・アンディーノ:
「チェンは好きだ。台湾からきて、メジャーではルーキーだけど、びくびくしてない。どんどんストライクでせめて、試合を作ってくれる」
サルタラマッキア:
「いい球を投げていた。ファストボール、カッター、5、6種類の球をうまくミックスして、場面場面でどんぴしゃの球を投げるから何もできなかった」
バレンタイン監督:
「終盤に入ってから94マイルの、よく動く球を投げていた。きょうはキレがよかった」ソースはMASNとサンです。
そして今日の第3戦。ブライアン・マトゥスが打ち込まれ、打線はバックホルツに完封されて完敗でしたorz...
オリオールズ0-BOS7 ● 負:マトゥス(5-6)
初球を見たときは、うん、調子よさそう、と思ったのに、ペドロイアに粘って歩かれたところからガタガタと崩れていき、ついぞ立て直せず。けっきょく2イニングしか投げられませんでした。ふぅ。
悪いときも悪いなりに投げられるようになってくれるといいのだけど、今日はとにかくどの球も制球できなかったようです。つぎの登板でがんばれ。
明日からはホームに帰って交流戦。まずはフィリーズ。調子が悪いとはいえ、こっちだって調子悪いんだからタフな相手です。なんとか勝ちをもぎとってほしい。
今年のオリオールズを見ていてわかるのは、胸を張ってContenderです、プレーオフ狙います、というには、まだあまりにエラーも多いし選手が毎日毎日入れ替わるし、非常に発展途上のチームなんだということ(だからって、別にあきらめたわけじゃないんですよ。はい。)でも、そんななかでも意地を見せて勝利をつかんだこのBOS戦は、なかなか目をみはるものがありました。
ひとりだけすごい人がいて勝つのではなく、ただの勢いだけで勝つのでもなく、なんかみんなで必死にもがいて泥くさく勝つのがいいな。そのほうが長続きするような気がするから。それをわたしは「オリオールズマジック」と呼びたいと思います。
Go, O's!
【追記】
えー、レンジャーズのこともちらっと。今日はダルビッシュ乱調で負けましたが、一昨日投げたホランドが昨日になって左肩の疲労で15日間のDL入り。フェリスのDLだけでも苦しかったのに、追い打ちをかけるようなできごとになってしまいました。ホランドはこの2週間ほどウィルス性胃腸炎で体重を5キロ近く減らしてしまい、一昨日もスタミナ不足で5回降板していた(でも勝ち投手)のですが、それがどうやら肩にも影響を及ぼしたのかもしれないとのこと。ただしくわしい診察はまだなので、はっきりしたことはわかりません。(でも5キロも減っていれば筋肉が相当落ちてるはずですから、もう一度ビルドアップしないといけないのは、素人でも想像がつきます。)
これでオガンドが先発にまわり、3Aからタナー・シェパーズが昇格。ブルペンでオガンドが担っていた7回のリリーフは上原が務めるとのこと。アスレチックス3連戦では登板がなく、「どの場面で投げるのか」ととまどい気味の上原でしたが、今後、重要な場面での登板が増えると思います。とはいえ、今までのアプローチを変えることなく、さらにコツコツといい登板を積み重ねてほしいです。