Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

チェン、ティルマン、好投。

あか~ん、と思ったけどチェンとティルマンのがんばりでマリナーズ戦をどうにか2勝1敗で終え、今季16カードめの勝ち越し。昨年のシーズン勝ち越しトータルとならびました。すばらしい。162試合のちょうど半分である81試合を終えて44勝37敗と7つの勝ち越し。それからオールスター休みまでの勝ち越しも確保。これは2005年以来だそうです。2005年は後半戦大崩壊してけっきょく負け越したみたいなんですけどね(^_^;; でも当時のチームはベテランが中心。今は若手が中心のチーム。それがどう後半戦に作用するか。

SEA戦の2、3戦めをふりかえります。

7/3 オリオールズ5-マリナーズ4 ○ 勝:オデイ(5-0) S:ジョンソン(24) BOX

ヘルナンデスとの投手戦のなか、チェンが7回1死までパーフェクトというすばらしいピッチング。でも20人めの打者ウェルズに、フルカウントからフォアボールを嫌って、どまんなかに投げ込み、HRを打たれてしまいました。これでパーフェクトも完封も一瞬にして消滅。残念だったけど、究極の選択ですよね。4点差あったし、勝負に行くのは納得。もちろんぎりぎりのところを狙うか、あるいはボールになる変化球で四球覚悟の三振勝負に出るのもありだと思うのですが、ヒットを打たれて逃すより、四球で逃す方が後悔の念は強く残るような気が(と、このあいだの杉内のときに思った。あの試合は点差がせっていたから状況がちがうけど)。チェンのピッチング動画、リンク貼っておきます。

しかもこのあと8回にソーンダースの二塁打で降板すると、ストロープがメロメロでなんと同点にされてしまい、勝ち星まで消えてしまった……。これは想定外(>_<) ストロープは今季ずっとすばらしかったから文句はいわないけど、このところリリーフ陣に少しかげりが見えているのが気がかりです。

で、同点のあとなおも満塁のピンチだったのですが、ここはストロープに代わって登板したダレン・オデイがきっちり押さえてくれました。

オデイも前回のインディアンス戦ではヒット4本とかなり打ち込まれていたのですが、この日は完ぺき。よかった~。ここで逆転されたら、2試合連続の tough loss で立ちあがれなくなりそうでした。

(オデイといえば、ふたつ前のエントリで紹介したショウォルター監督のドッキリのあと打ち込まれたりしてたんで、まさかドッキリショックじゃないよね、とわたしはちょっぴり気にしていたのですがw そうじゃなくてよかった。)

そして9回表、もうこのまま延長戦に持ち込むしかない、と思いはじめた2アウトから、なんとなんと伏兵のロバート・アンディーノが値千金の一発! ぜんぜん打てそうにないファーブッシュでしたが、アンディーノへの初球と2球め、なぜか変化球がとんでもなくすっぽぬけたんですよね。それで直球に的を絞ったところへ、高めの球がきて……という流れ。アンディーノはずっと打撃不振で、守備でもミスが多く、前日もウィーターズからの絶妙の送球をぽろりとやったばかり。雪辱の一発となりました。この日の試合前、ブライアン・ロバーツのDL入りが発表されて、レギュラー二塁手の座に返り咲いたことも作用したか。(控えでいるあいだは、たまに出てもなにか力みかえっている印象でした。)すべてのことにマイナスとプラスはあるものです。

あ、そうそう、この日わたしはNHK衛星の現地コメンタリーで試合を見ていたのですが、試合終了とともに日本語音声にきりかわったら、解説の大島さんが「チェンがかわいそうすぎますよ。今日はチェンを勝たしてやらなきゃいけない試合でした」と力説。アナも同調して「チェンも次の試合、気持ちを切り替えないといけませんね」とコメントしていたのですが、「いったいチェンをなんだと思っているのやら」と、少しムッとしてしまいました。

同点にされてひきあげてきたペドロ・ストロープの背中を笑顔でポンポンたたいて労をねぎらったチェン。勝ちはつかなかったけど、好投してチームが勝利し、試合後は満面の笑みでした。勝ち星がつかなかったから気持ちを切り替えなきゃ、なんていうやわな男じゃありませんぜ。タフなTeam Guy です。

7/4 オリオールズ4-マリナーズ2 ○ 勝:ティルマン(1-0) S:ジョンソン(25) BOX

今季初先発、満を持してあがってきたクリス・ティルマンが8回1/3、2安打2四球、7奪三振、2失点(自責0)の好投。投球回数はキャリアハイ。球速もときに97に届き、昨年より2、3マイルアップ。フォームをコンパクトにし、淀みなく流れるようなリズムを身につけたことが功を奏したとのこと(ソース)。あと、ジェイミー・モイヤーら、今季オリオールズの3Aに滞在したベテランたちから先発投手のルーティンについて話を聞けたことがとても役に立ったという記事もありました。

ただ、ティルマンの場合はほかのオリオールズの若手と同様、安定感がいちばんの課題なんですよね。だから次の試合……といいたいところだけど、オールスターブレイクに突入。そういうわけで、チームはいったんティルマンをオプションして、下で投げさせる予定です。

打線の方は、アダム・ジョーンズの20号で先制し、クリス・デイヴィスやアンディーノのタイムリーなどで加点。このカードの前までどうしても出なかったタイムリーが少しずつ出はじめたか。(マリファンの傷口に塩を揉み込むようですが――って、まさかこの記事をわざわざ読まないと思うので書いておくと――ジョーンズもティルマンも、かつてのベダードとのトレードでマリナーズから来たんですよね。)

クリス・デイヴィスは、もともとstreaky(調子の波がはげしいバッター)なのに加えて、ライトの守備につくようになってからぱったり打てなくなっていたのですが、前カードあたりからまた少し上向いてます。勝てなかった第1戦でもどでかい3ラン打ちましたしね。この日は守備でもむねりんの打球をダイビングキャッチ。ちょっとケガの心配な飛び込み方ではあるけど、athletic なので、案外、内野より向いてるんじゃないのかなという気も。(ファーストだと、ショートバウンドの処理に非常に難があるんですよね。)

あと、トレードでやってきたジム・トーミは連日5番DHで試合に出て、今のところ2安打のみ。……なんだけど、2戦めにヘルナンデスがものすごく神経を使ってピッチングしているのを見て、あー、こういうことなのね、と思いました。本人が結果を出し始めたらそれに越したことはないのですが、やはり存在感は際だってます。MASNのゲーリー・ソーンによるインタビューをきいたのですが、まさに実直、篤実を絵に描いたような話しぶり。「どこに移籍しても、そのチームのカラーになじむように。でも経験はあるからいろいろアドバイスできると思う。長いキャリアだけどワールドシリーズだけは経験がないので、それを目指したいという気持ちが強い」とのこと。エラー数メジャートップで、AL東地区で唯一失点が得点を上回ってるチームなんで、WSはまだちょっと夢だけど、去年口にするよりも違和感がないと思うのはわたしだけ?(笑) どんどん言って、体に馴染ませた方がいいのかもね。

その他の動きを。

・オールスター、Last Voteはアリーグがダルビッシュ、ナリーグがフリース。おめでとうございます。ジェイソン・ハメルはダル、ピービに次いで3位でした。

ウェブサイトからの投票だけでなく、#VoteYu #VoteHammel などのハッシュタグがついたツイートもカウントすると発表されてから、MLBファンのタイムラインはお祭り騒ぎで、見てて楽しかったです。(わたしもハメルに投票しましたw)

オリオールズナショナルズは「ベルトウェイ」でタッグを組んでハメル&ハーパーを推していたのですが、どちらも残念ながら落選。でも地元記者たちが「自分たちは伝える立場だから投票はしない」と、一貫してガマンしてたのがえらかったです(*^-^*)

・先日昇格したばかりのスティーブ・ジョンソンをオプション。ティルマンとの入れ替え。登板機会がありませんでしたが、またあがってきてね。

・で、登板後にティルマンを2Aにオプション。オールスターブレイクに入るので、2Aの試合で登板間隔を守らせ、10日後にまた昇格の予定。

・代わりに内野手ジョー・マホーニーがメジャー初昇格。25歳、2007年のドラフト6巡め。ティルマンが再昇格するときまでの期間限定なので、40人ロスターに載っている選手ということで選ばれたもよう。

・上原がブルペン入り。ここだけレンジャーズネタですが。ケガしてから2週間でキャッチボール解禁になり、徐々に距離を伸ばして遠投へ。次に強度も増してブルペン入りまでこぎつけました。つぎはマイナーでの実戦、そしてオールスター明けの昇格をめざすことになります。

レンジャーズはいちおうまだ西地区でLAAに4.5差をつけてはいますが、先発ではルイスも離脱し、さらにブルペンのマーク・ロウも肋間筋痛で離脱。シーズン途中で契約したオズワルトは2試合連続炎上と、投手陣はかなりガタガタです。ホランドや上原など、ASG明けの復帰組がこの悪い流れを押しとどめられるか。Kojiの復帰が待ち遠しいです。でもあせらずに。

さて、オリオールズ前半戦最後のカードは、アナハイムでの対LAA4連戦です。前回、カムデンヤーズでは2敗だったので、できれば最低でも2試合は勝ちたいなああ。アリエッタよ、ティルマンのあとにつづいてくれ! 打線もシアトルでの復活がまぼろしじゃなかったところを見せてほしいです。

Go, O's!

【追記】今日のラインナップに入っていたクリス・デイヴィスが今、スクラッチされてライトにはフラーティーが。背中をアイシングしていたそう。うー、やっぱりきのうのダイビングキャッチか。映像で見るとかなり衝撃が強そうだったので心配になったのですが。大ごとでないことを祈ります。

【追記2】だめだ、アリエッタ……。打線がこんなに点とってくれてるのに! マジで一度オプションしたほうがいいと思います。中途半端に上に置いておいてもいいことない。ブリトンも3Aでそこまでシャープではないみたいなんだけど、今のアリエッタよりはましだと思うわ……。