Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

江戸のかたきを長崎で:クリス・デイヴィス3連弾!

なんだか、MLBワールドはめくるめく1日でしたね。

朝起きたら、ドジャースがBOSのAゴンをウェーバーでクレームというニュース。ここまでは「ああ、どうせ観測気球をあげてオフに交渉するんでしょ」と思っていたのですが、まもなく「ベケットもどこかのチームがクレームしたらしい」「そのチームはドジャースだと確認された」というニュースが立て続けに流れ、すぐさま「ゴンザレス+ベケット+クロフォード+プント」とドジャースのプロスペクトとのトレードが成立間近という速報が。

どちらのチームもわたしにとっては「よそ様」なのですが、こういうすさまじいダイナミズムにはホントに頭がくらくらします。

プロスペクトにくわしくないので、この成立間近のトレード(まだベケットの身体検査待ちだそうですが、ノートレード条項は全員破棄してドジャース行きを了承したとのこと)がどちらに分があるとも判定できませんが、どうもドジャースはひとえにAゴン目当てなんじゃないかという気がしますね。ベケット、クロフォードは、働いてくれればめっけもの、というくらいの気持ちで。ゴンザレスのトレードは、おそらくオフまで持ち越したら多くのチームが参入して乱戦になるでしょうから、不良債権化していたふたりを引き取ることとからめて、今成立させたのではないかと。

といっても、それができてしまう財力が半端ないのですが。黒田と再契約できないほど経営が逼迫していたはずのドジャースなのに、新経営陣になって変われば変わるものです。びっくりしました。

【追記:2010年12月、BOSがクロフォードと7年契約で合意したときのエントリをさがしてみました。「上原残留決定」というブログの後半です。オリオールズがトレードでハーディーを獲得したのとほぼ同時だったんですね。この記事の最後でわたしは「だって、7年後のことなんて、誰にもわからないじゃない!」と記していますが、まさか2年たたないうちにクロフォードが放出されることになろうとは。アメリカのスポーツマスコミは、トレードや補強のシーズンが終わるごとに「勝者」「敗者」をランク付けするのが慣例で、このときもBOSはまぎれもなく2010年オフの勝者と認定されていましたが、そんなレッテルなんて何ほどのものでもないということがよ~くわかります。ど派手な花火のとなりでひっそりとO'sにやってきたハーディーがどれだけ今輝いていることか。あ、もちろんわたしはクロフォードに対して何も根に持っているわけではありません。レイズで生き生きと活躍していた彼がBOSで借りてきたネコのように窮屈そうにしていたのは、見るにしのびなかったです。トミー・ジョンを乗り越えて、来季、陽光あふれるカリフォルニアで見事復活を果たしますように。】

さてさて、オリオールズはアーリントンでのTEX戦を1勝2敗で切りぬけて、よろよろとホームにもどってきました。

8/20 オリオールズ1-TEX5 ● 負:ゴンザレス

 安定感抜群のゴンザレスでしたが、この日は4失点。打線もデンプスターを打てず。

8/21 オリオールズ5-TEX3 ○ 勝:ティルマン S:ジョンソン(38)

 いいティルマンの日でした(ハイライト)。6回2/3、3失点。打線ではマチャドが勝ち越し3ベース&マクラウスが大きな追加点となる2ランを放つ活躍を見せました。

8/23 オリオールズ3-TEX12 ● 負:ハンター 

 レンジャーズは「いいホランド」の日。かたやトミー・ハンターは3回3被弾、8失点。HRがつきもののハンターですが、この日は一番悪いところが出て、試合後マイナーにオプションされました。

ベルトレが3HR(ハンターから2、グレッグから1)。5月にはジョシュ・ハミルトンに1試合4HRされてますしね。なんでレンジャーズとやるとこういうことになるんでしょうか(苦笑)。こうやってまた得失点差のマイナスが積み重なり、「オリオールズはこれだけ得失点差がマイナスで、なぜ8月までWC争いに残ってるんだ」と、統計分析する人たちを悩ませるわけです。

そして1日オフをはさみ、今日からは同地区のライバルTORとの3連戦です。

8/24 オリオールズ6-TOR4 ○ 勝:ブリトン(3-1) S:ジョンソン(39) BOX

ブリトンは6回2/3、2失点。JJハーディのこのプレーをはじめ、バックにも助けられましたが、ナイスピッチング。これで3Aから再昇格して以来、2試合連続好投です。降格前の試合では爪を割って制球が思うようにいかなかったらしいので、そこがクリアされたのも好投の一因なのか。これを続けてくれるとほんとにありがたいのですが。

打つ方では、なななんとクリス・デイヴィスが3連発!。いやあ、半端ないわ、この人のパワー。

まさに江戸のかたきを長崎で……ならぬ、テキサスのかたきをトロントで(まあ、場所はボルチモアですが)。

「ひとりの選手が3連発」という試合が2試合続いたチームは史上初だそうです。また出た、わけのわかんない小さな歴史(笑)。

しかもクリス・デイヴィスは、「野手で1シーズンのあいだに勝ち投手と1試合3HRを経験した史上ふたりめの選手」になりました。もうひとりは1930年のベーブ・ルース。例の延長17回での勝ち投手以来、歴史に名を残しまくってますね(笑)。

この試合、7回にブリトンがランナーひとりを残して降板したあと、オデイが2ベースを打たれて1失点。そこで2死からブライアン・マタスがキャリア初のリリーフ登板を果たし、力強い投球でモローを3球三振にしとめました。この配置転換については、あとで簡単に触れます。

6-2で迎えた9回はリンドストロームで逃げ切りをはかろうとしたものの、マシスに2ランを打たれてしまい、結局ジム・ジョンソンを投入。ジョンソンは後続を三者凡退に押さえ、落ちついて39セーブめをあげました。2点差以内の試合でオリオールズは今季 44勝18敗。これが「得失点差がえらくマイナスなのに勝てている」秘密なわけです。

明日はスティーブ・ジョンソンがメジャー2度めの先発。前回、初先発初勝利をあげながら、ロスターの関係でまた3Aに戻されたりとちょっと気の毒な役割をになっているジョンソンですが、ぜひまた大崩れしない投手のよさを発揮してほしいです。

その他の情報を:

・トミー・ハンターを2Aにオプション、J.C.ロメロをDFA、ブライアン・マタスが昇格、ライアン・フラーティがDLから復帰。

 ハンターはTEX戦のあと降格。マイナーのシーズンは間もなく終わるので、とりあえず2Aのロスターに加えられたようです。ロメロは同じTEX戦の登板で失点。故障中のトロイ・パットンの代役として期待されましたが、ほとんどの登板で失点を重ね、戦力外に。今後はとりあえず家族とともに過ごし、そのまま引退する可能性もあるようです。

 マタスは3Aでリリーバーとして何度かテスト登板し、初めの2回は打ち込まれましたが、自分なりに調整を重ねてある程度コツをつかんだもよう。今日のTOR戦の登板では非常に力強さを感じさせました。

 もちろんまた先発に復帰したいでしょうし、首脳陣も「リリーフへの配置転換は一時的な措置」とコメントしていますが、この経験はけっしてむだにはならないはず。ときとして考えすぎの投球をしてしまうマタスなので、とにかく目の前の打者を打ち取ることに集中せざるを得ないブルペン投手としての心構えをぜひ自分のものにしてほしいです。

フラーティーは扁桃炎で高熱を出してDL入りしていましたが、3Aで好成績を残しての復帰。今日はキンタニーヤに代わってセカンドで先発し、1安打でした。

・きょう8月24日(アメリカ時間)は、オリオールズにとってはマイク・フラナガンの一周忌。試合前に黙祷が行われました(昨年のエントリ)。思えば昨年オリオールズは、あの悲劇のあとまるで目が覚めたかのように心をひとつにして快進撃を始めたのでした。今年もここからあと30数試合、強敵ばかりの厳しい戦いが続きますが、昨年から続くこの一体感をぎゅっと保ちつづけてゴールまで走りつづけてほしいです。

またこの8月24日は、故ニック・エイデンハートの誕生日でもあったのですね。1986年生まれって、うちの長男と一緒なんだ……生きていたら26歳。あらためてフラナガン、エイデンハート両氏の冥福を祈ります。

さらにさらに、鉄人、カル・リプケンJrと、テキサス・レンジャーズのダニエルズGMもこの日がバースデイ。すごいですねー。特別な星のめぐりを感じてしまいます。

・そのテキサスはオリオールズ戦で勢いづいたのか今日もMIN相手に8-0と爆勝してました。ハリソンは7回ツーアウトまで相手をノーヒットに抑えて15勝め。すばらしい。また6月以来、背筋痛で長らく戦線離脱している上原も、明日の3A登板が無事にすめばようやく復帰の見こみです。こんどこそ、何ごともなくリハブ登板を終えて合流できますように!