Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

元阪神フォード、メジャーで5年ぶりHR→2試合連続

Unlikely Heroes--意外性の男たち。代わる代わる登場する日替わりヒーロー。今季のオリオールズを語るうえで欠かせないキーワードです。

きのうの試合では、休養十分のチェンに加えて、ふたりの「意外性の男たち」がパワーを発揮しました。

8/27 オリオールズ4 - ホワイトソックス3 ○ 勝:ストロープ(5-2) S:ジョンソン(40) BOX

チェンは8月19日以来、中7日での登板。「忘れがちだがチェンはルーキーなんだ」とショウォルター監督はよく口にするのですが、チームはチェンの総イニング数を中日時代にさかのぼって考慮しているようです。ちなみに2010年が188回、2011年が164回2/3、今年が昨日を含めて157回。アメリカでは前年度からいきなり大幅に増やすとケガのリスクが高まると考えられていて(実証されているかどうかはともかく)、これからも少し間隔をあけながらポストシーズンまで大切に使っていきたいという意向のよう。

(それにしてもチェンの中日時代の年間総イニング数を、メジャーに移籍してから初めて知るというのもおもしろいなー。日本でも特に高卒や大学卒の新人に関してぐらいは、もう少しこういうことに気を遣ってもいいんじゃないかと思います。)

きのうのMASNの放送では、チェンのこんな数字も紹介されていました:

      中4日     中5日以上

勝利数  7-5      5-2

防御率  4.48     3.11

被打率  .252     .240

HR/9   1.49     0.81

きのうは6回、ユーキリスに一時逆転となる2ランを浴びたものの、6回4安打2失点(自責1)。四球1、三振8。ユーキリスへのHRは、その前のワイズのゴロで一塁カバーに走ったとき、レノルズからの送球をめずらしくポロリと落としてしまったあとのできごと。ちょっと心理的にひきずりましたかね。全体としては非常にシャープな投球でした(動画)。

打つ方では、まず元阪神ルー・フォードの2007年7月29日以来5年ぶりというHRで先制(動画)。最近、ネイト・マクラウスが好調でスタメン自体2週間ぶりぐらいのフォードでしたが、久々の起用に応えてくれました。

スポナビで「ルー・フォード」のタグをクリックしたら阪神時代のこんな記事を見つけたので勝手にリンクを貼らせていただきますが、ほんとに目立った成績は残せなかったんですねー。

2007年にツインズでプレーしたあと2008年阪神タイガース→2009年レッズ3A→2010年メキシコ→2011、2012年独立リーグ→2012年5月、オリオールズマイナー契約とわたりあるき、7月末、5年ぶりにメジャー昇格。7月31日の試合で、メジャーでは1,771日ぶりとなるヒット。そしてきのう、5年ぶりのHRを放ったわけです。まさに放浪の叙事詩、『オデュッセイア』を地でいく男。

(そしてなんとなんと、つい今しがた、8/28日のChisox戦3回裏にも連日の2号ソロ! もう、どうなっちゃってるの?(笑))

その後ユーキリスの2ランなどで3対2と勝ち越された8回裏、こんどは、5月にパイレーツからリリースされ、オリオールズマイナー契約、8月初めに昇格したネイト・マクラウスが逆転2ラン!

いや~、なんなんでしょう、この日替わりヒーローパワーは。実は今、アダム・ジョーンズが自身最長のHR欠乏中(110打席)だったりするんですよね。でもこうして毎日だれかが活躍してくれるおかげでカバーされている。そして相手投手も「こいつだけ押さえておけばOK」と的を絞るわけにいかないので、投げにくいのではないでしょうか。

ネイト・マクラウスに関していえば、きのう本人もインタビューで答えていたのですが、2008年にパイレーツでオールスターゲームに選出されるほどの働きをした当時の監督だったジョン・ラッセルが、現在オリオールズベンチコーチを勤めていることが精神的に大きいようです。というか、O'sとの契約が実現したこと自体、ラッセルとのコネクションのおかげだったとか。高度情報化社会ではありますが、やっぱり人間が持てる力を発揮するうえで、人と人とのつながりっていうのは、あだやおろそかにできません。

打率.217(8/28現在)とけっして高くないのですが、今日の2戦めでも3安打してますし、なにより守備の安定感がすばらしい。マクラウスがレフトに、マチャドがサードに入ってから、オリオールズの守備はぐっと安定感を増しています。

そんなわけできのうの試合,最後はジム・ジョンソンが締めて4-3。これで1点差ゲームは13連勝、2点差以内の試合でも45勝18敗です。得失点差がマイナスなのに勝てているのは、ひとえにこういう僅差の試合をものにしているおかげなんですね。

◎その他の情報を

・アダム・ジョーンズ、今日の試合で7月27日以来ひと月ぶりの25号。通算100号! 

 上で「自身最長のHR欠乏中」と書いたとたんに(笑)。とはいえ、ヒットはコンスタントに出ていたんですけどね。これでまた長打のほうも調子が上向いてきますように。

・8月22日にブルワーズからリリースされた左腕ランディ・ウルフ(36)を獲得。今季は3勝10敗、防御率 5.69という成績。ブルペンにマタスしか左腕がいないための補強と思われます。

・松坂がウェーバーにかけられているそうで、オリオールズも興味を示していると名前があがっているけど、先発はもうだぶつき気味だからないだろうなー。むしろレンジャーズとかいかが。

・今季の意外性の男たちのひとりだったスティーブ・ピアスが、ヤンキースの4番に!(驚)。

今季をNYYの3Aスクラントンでスタートしたピアス→6月にオプトアウトしてオリオールズと契約。6/14の古巣パイレーツ戦では3ランを含む5打点と活躍。→しかしルー・フォードに押し出される形で7月末にDFA。→アストロズにクレームされ、先日、アストロズの珍しいサヨナラ勝ちの試合で活躍。→8/27 金銭トレードでヤンキースへ。そして今日、ヤンキースで4番デビュー。2打数無安打も、1四球1得点で勝利に貢献。あー、これまたすごいオデッセイだ……。

なとど書いてるうちに今日も快勝。結果だけ記しておきましょう。

8/28 オリオールズ6 - ホワイトソックス0 ○ 勝:ティルマン(7-2) BOX

なんか「いいティルマン」がデフォルトになってきた気がするんだけど。今日は7回1安打無失点、三振5。1安打ですよ、1安打(四球4出してるけど。)絶好調の左腕、クリス・セールに投げ勝ちました(動画)。

あと、上にも書いたように今日もフォードがHR。お久しぶりのジョーンズの25号(通算100号)もうれしい。さらにその前、2回の先制点は満塁からマーケイキスの走者一掃ツーベース。勝負強いわー。そして一番うれしかったのが、8回、9回をリリーフしたブライアン・マタス。8回は三者凡退。9回は1安打打たれたものの最後はゲッツー締め。9月、10月(ポストシーズン含めてます(笑))の大きな戦力になってくれそうです。

これでオリオールズは71勝57敗。貯金14は2005年以来7年ぶりだそうです。

ささ、明日はトレードでやってきたばかりの左腕、ジョー・ソーンダースが先発予定。オデッセイな男たちの仲間入りを果たしてくれるでしょうか。Go, O's!