Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

マーケイキスの離脱を越えて

対NY4連戦はけっきょく2勝2敗のスプリットでした。あらためてスコアだけ書いておきます。

9/6 オリオールズ10 - NYY6 ○ 勝:オデイ

9/7 オリオールズ5 - NYY8 ● 負:チェン

9/8 オリオールズ5 - NYY4 ○ 勝:ソーンダース S:ジョンソン

9/9 オリオールズ3 - NYY13 ● 負:ブリトン

ブリトンはどうにもヤンキース戦に相性が悪いです。打たれるというよりも、苦手意識を克服する必要がありそう。9日の投球もほとんどが低めにはずれるボール球での自滅でした。

この4戦の激しさを思うと、スプリットは、満足とまでは行かなくてもそう悪くはない――のですが、オリオールズは大きな戦力を失ってしまいました。8日の第3戦で、ニック・マーケイキスがサバシアの投球を右手に受け、親指を骨折してしまったのです。

2点を先行されたあと、レノルズとルー・フォードのHR、そしてJJのタイムリーなどで逆転し、最後ストロープとジョンソンがそれぞれ1点ずつ失いながら、一塁塁審ジェリー・ミールズの誤審もあってどうにか逃げ切ったというワイルドな試合。ちなみにミールズというのは昨年、パイレーツとブレーブスの延長19回の試合で誤審をやらかした人です(昨年のエントリ)。

試合のハイライトを見ていただきたいのですが、なかほどに、死球のあと患部を固定してベンチにもどったマーケイキスをショウォルター監督がハグしてなぐさめる場面が。

試合のなかでのほんの一瞬のふれあいなのですが、目にしてちょっと泣きそうになりました。

マーケイキスは2006年にメジャーデビュー。以来ずっと弱いオリオールズをひっぱって戦ってきて、今年ようやくプレーオフをうかがおうかというチャンスを迎えた矢先の離脱です。しかも今年まで一度もDL入りしたことがなかったのに、今季はキャンプ前の腹筋の手術に始まって、6月の有鉤骨骨折、そして今回と、計3回も大きなケガをし、手術(後述)を受けたことになります。なんというめぐり合わせの悪さ。無口で、言葉でひっぱるタイプではありませんが、少々のケガでは決して休もうとせず、前回のDLのときもショウォルター監督に「試合に出られないときのニッキーほど、うちひしがれた人間はいない」といわしめるほど、常に試合に出て戦っていたい男。監督もその心根をよく知っているからこそ、あのハグになったのでしょう。

しかも8月に有鉤骨骨折から復帰して一番に定着してからは、休んでいた分をとりかえすかのように打ちまくり、オリオールズ8月攻勢の原動力になっていました。今季オリオールズは、マーケイキスの出場した試合では62勝42敗。出場していない試合では16勝20敗と負け越しています。でも、もう、その損失を嘆いてめそめそしているひまはありません。

とりあえずNY戦の4戦めからトップバッターにはネイト・マクラウスがすわり、ノーヒットながら2四球を選びました。なんとかしようという気持ちは感じられます。

そして今日、8月にDFAされてけっきょく3Aノーフォークに所属していたエンディ・チャベスが再昇格。さらに2008年のドラフト3巡め、22歳の外野手L.J.ホーズが初のメジャー昇格を果たしました。3Aのシーズンが終わって、自宅で『Mr.ベースボール』のビデオを見ていたとき、「2時15分までに球場にきてくれ」と電話がかかってきたのだそうです。今季、2Aから始まって3Aに昇格。3Aでの82試合で打率.300、出塁率.374、長打率.397、OPS.771という成績。HR3本とパワーヒッターではなさそうで、ゼイビア・エイヴァリーとタイプがかぶるんじゃないのかなという気もしますが、かぶろうとかぶるまいと、とにかく新しい風を吹き込んでもらいたいです。今季、新たに昇格を果たす選手がやってくるたびに、ちょっとしたエネルギーをもらってきたオリオールズなので、今回のコールアップにもそういうねらいがあるものと思われます。

で、このふたりを40人ロスターに入れるため、つぎのふたりがDFAされました。

・ライアン・アダムズ

・ケヴィン・グレッグ

な、な、なんと、シーズン最終盤のこの時期になってついにグレッグがDFA……。

先日のNYとの4戦目でも8回に登板して自責3。ほかのブルペン陣が好調なため、最近では登板間隔があきすぎて、投球感覚を維持できないというジレンマに陥っていたようで、本人も、うすうすこういう動きがあることは察していたようですが、やはり優勝争い、プレーオフ争いの最後までいられないのはとても残念だと語っていました。

投球面では期待されたような成績をあげられなかったグレッグですが、若手投手たちからはたいへん慕われていたようです。ザック・ブリトンは、昨年、NYで1イニング9失点というキャリア最悪の投球をした翌日、1時間グレッグと語り合ったのだとか。

「困るといつも彼のところにいっていた。経験豊富だし、話しやすかったからね。とくに不調のときは親身になってアドバイスしてくれたよ」(ブリトン

先日、NY戦でKOされたときも、ずっといいピッチングをしてるんだから今日のことは忘れろ、とアドバイスされたそうです。(ボルチモア・サン)

シーズン残りは少ないですが、どこか契約してくれるところが見つかるといいですね……。

さあ、泣いても笑ってもあと20試合ちょっと。今日からコンテンダー同士のタフな6連戦が始まります。勝ち越したい! でも星勘定してもしょうがないので、とにかく1戦1戦せいいっぱいがんばってほしいです。

Go, O's!

【追記】

おお、そうだ、先日ちょっと書いたアスレチックス、ブランドン・マッカーシーですが、今日退院したようです。先週5日の水曜日にライナーを受けて入院、緊急手術し、もう1週間めの今日退院。アメリカの病院は早いなー。

脳出血があって、それを除去する手術を行ったため、チームのトレーナーは「術後2日め、3日めには合併症が起こる危険性も高く、「まだ生命の危機を脱したとは到底いえない」と言明。それで日本の新聞にも「重体」という報道が出たりしたんですけど、トレーナーは慎重に見きわめるとしながらも同時に、2日めからマッカーシーが体を起こして自力で固形食を食べたことも発表していたので、ニッカンのこの記事はずいぶん中途半端に危ないところだけを強調したもんだなと、わたしはひそかに憤慨していました。事実、この翌日には本人がツイートを再開(なかなかブラックユーモアに満ちていて笑えます)。さらに昨日は立ちあがって廊下を歩くことにも成功。本日の退院となったわけです。(でも、これでもう退院しちゃうんだ……。)

頭蓋骨骨折が完治するまで激しい運動は禁じられているそうで、今季登板することはないようですが、生命の危機を乗り越え、大きな機能の損傷もなさそうでほんとうによかった。来年、また元気に登板する姿を見せてほしいです。

【追記2】

うっ、4回表2死一塁でハメルが急遽降板。まだ膝が100%ではないのか。厳しい局面に追い打ちをかける展開(泣)。どうか今季終了なんていわないで~。

【追記3】

ハメルは、手術する前と同じような鋭い痛みを感じたとのこと。明日MRIを撮るようです。うーーーーーむ。今日はスティーブ・ジョンソンが緊急リリーフでみごとなピッチングをしてくれたし、先発の頭数がいないわけではないのです。が、離脱前とまったくかわらない安定感を見せてくれていただけに、ハメルがまたいなくなってしまうのは残念すぎる。ううう。

あと、「後述」と本文に書いておいて後述しわすれていたマーケイキスの手術ですが、今日、ぶじに終了。骨折箇所に小さなプレートを入れるというもので、完治までの期間が3週間ほど短縮できると言われています。プレーオフ後半まで粘れば、復帰の見こみがある……かも?

【追記4】

で、今日9/11の対レイズ戦、9 - 2で勝利しました。勝:スティーブ・ジョンソン(3-0) BOX

ハメルのあとをひきついで緊急登板のジョンソンがおみごと。先発に、ロングリリーフにと、ほんとうに貴重な戦力になっています。JJハーディーが2HR(20号、21号)を含む4安打5打点。ほかにもウィーターズのRBI二塁打、デイヴィスの25号ソロなどで着々加点。NY戦で手のつけられない状態だったレノルズは無安打でしたが、ほかがしっかりカバーしています。

明日はミゲル・ゴンザレス。がんばろう!