Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

"These Orioles just don't go away."――とにかくしつこいオリオールズ

きのうは移動日。ロードで延長戦2試合もやったあとなので、ありがたい休日でした。

マリナーズ3連戦、初戦は大勝でしたが、2戦めは延長18回、3戦めは延長11回。

何度も言うけど、どんだけ野球が好きなのよ?(^_^;;

それでも長々寝技に持ち込んで、しつこく勝ちぬくオリオールズ。これで延長戦は15連勝。1949年のインディアンズ(19連勝)に続くメジャー2番めの記録だそうな。

5時間44分に及ぶ第2戦を終えたあと、マリ番記者ジェフ・ベイカー氏がブログにこう記していました。

オリオールズが得点より失点のほうが多いのに優勝争いをしている秘密がわかった。とにかくしつこいのだ(These Orioles just don't go away.)→記事」

まさしく。

何度もチャンスがありながら決められず、けっしてほめられた試合運びではなかったけれど、とにかく執念だけはまさっていた。そんな試合でした。

9/17 オリオールズ10 - マリナーズ4 ○ 勝:ティルマン(8-2) BOX

ティルマンは古巣に強い。これでマリナーズ戦では3勝0敗、ERA0.83です。前腕の神経の炎症で前回登板から少し間が空きましたが、いい投球での復活は心強い。球速があるので、調子のいいときはほんとに支配的な投球ができます(動画)。いっぽう攻撃陣は、マリナーズ先発のノエシを、マクラウスの先頭打者弾から一気に攻略。わずか1回1/3、7失点でKOしました。ウィーターズが22号2ランを含む3安打3打点。快勝。

9/18 オリオールズ4 - マリナーズ2 ○(延長18回) 勝:トミー・ハンター(5-8) S:ジョンソン(44) BOX

大勝の翌日に往々にしてあるように、M's先発エラスモ・ラミレスを打てず。オリオールズ先発のチェンがオリーボの2ランのみの5回1/3、2失点で粘り、その後アリエッタが3イニング1/3をナイスピッチングでつなぐも、点を取れそうな気配がまったくありません。(それにしてもアリエッタ、カーブがきいてますな。いつもこのくらい投げられたら、また先発に戻れそうなんだけど。)

そんな完封負け目前の9回でしたが、代打のフラーティ、つづくマクラウスの連打でチャンスを作り、ハーディがきっちり送って二、三塁にすると、続くクリス・デイヴィスが、これ以上ないくらいしぶ~いコロコロヒットで同点に! びっくり。

こうしてお得意の延長戦に突入。しかしこのあとが長かった。お互い決められそうなチャンスは山のようにありながらあと一本が出ず、ついに例のクリス・デイヴィスが投げたBOS戦の17回を越え、延長18回に。この間(かん)、ロスターの広がった9月ならではの豪華継投で、マタス、オデイ、ストロープ、スティーブ・ジョンソン、トミー・ハンターが無失点でつなぎます。アリエッタも入れたら開幕時のローテのうち3人が投げてるよ。

特に13~15回の3イニングを投げたスティーブ・ジョンソンがすばらしかった。実はこのジョンソンもティルマンとアダム・ジョーンズをオリオールズにもたらした、あのベダードトレードの産物と言えなくもないんですね。交換相手の一員としてやってきたシェリルを、2009年にドジャースにトレードし、代わりにきたのが内野手のプロスペクト、ジョシュ・ベルとこのジョンソンでしたから。あの当時はベルがメインと言われていましたが、3年たって立派に花開いたのはジョンソンの方だった……。何度も言うけど、トレードってやってみないとわからないです。

そんなこんなでついに延長18回。マクラウスが歩き、ハーディがヒットで一、三塁のチャンスを作ると、「クラッチな男」テイラー・ティーガーデンが代打で登場。期待にたがわず初球をライト前へ! ついに均衡を破って3-2。さらにレノルズのサードゴロの間にもう1点加えて4-2。最後は18回まで温存していたジム・ジョンソンが3人で締めました。お疲れさま。ちなみにティーガーデンのヒットは今季7本め。そのうちの6本が打点つき。しかもサヨナラHRあり、同点弾あり、勝ち越し打ありと、すべてが重要な局面での一打です。

・この日の勝ち投手はトミー・ハンター。ティーガーデンや、9回に同点打を打ったデイヴィスとともに、元TEX組大活躍の日でした。オデイとストロープも投げましたしね。

そのハンター、ブルペンで立ちあがってウォームアップを始めた瞬間、帽子にカモメの落とし物がポトンとふってきたそうな(写真を見ると、跡が残ってますw)。ブルペン全員が笑い転げて(中学生か(笑))みんなが「吉兆だ!」と言ったら、そのとおり勝ち投手になったのだとか。そのことを楽しそうに語るハンターのインタビューはこちら。「アヤラがガムを投げてきたのかと思ったけど、そうじゃなかった。みんなで死ぬほど笑ったよ。でも『ウンがついてる』って言われて、そのとおりになった。お気に入りの帽子だからそのままかぶっていったんだ。おれは頭がでかいから換えがなくて。カモメにとっても標的がでかかったのかもね(笑)」てな話です。

・で、シアトル時間午前1時、ボルチモア時間午前4時近くに試合が終了し、番記者のみなさんが記事を書いてようやく寝静まったころになって、ケン・ローゼンソールから「オリオールズがディラン・バンディを昇格させる」と、驚きの第一報が。わお。

バンディはマイナーリーグのシーズンが終わったあと、フロリダの教育リーグでトレーニングを続けており、朝の4時ごろホテルの部屋で電話を受けたようです。相部屋の選手が電話に出て、「すぐ空港にいけってさ」と言われたときには、からかってるのかと思ったそうな。あたふたと飛行機に乗ってシアトルに飛び、セーフコフィールドの偉容を目の当たりにして初めて、メジャーに昇格したという実感がわいたそうです。マチャドと同じでこの人もいい面構えしてるんですよね。そういえばマチャドが昇格したのも8月にマリナーズと延長14回を戦った翌日のことでした。もちろんブルペンを使いきって手薄になったからというのが直接の動機でしょうが、疲弊したチームへのカンフル剤というような意味合いもあるのかもしれません。けっきょく翌日の登板はありませんでしたが、ふさわしい機会があれば見てみたいですし、本人にとってもこの最終盤の雰囲気を味わえるのは大きな経験になることでしょう。

9/19 オリオールズ3 - マリナーズ1 ○(延長11回) 勝:アヤラ(5-4) S:ジョンソン(45) BOX

延長戦15連勝はもちろんすごいのだけど、実は今年のオリオールズ、延長戦の翌日の勝率も高いのですよ。今、手元に数字がないのですが。まあ、だいぶ慣れてるってんですか?

この日はキング・ヘルナンデスとジョー・ソーンダースの投手戦。ふたりとも8回1失点はりっぱ。前日ブルペンを使いきったことを考えると、とりわけすばらしいパフォーマンスです。

そんなこんなでこの日もまた延長戦に突入。木曜日はわたし仕事だったので、あとからツイッターのタイムラインをさかのぼったのですが、その瞬間の番記者さんたちのツイートを見て笑ってしまいました。

1 2 3 4 5

「またかよ」「まじで?」「まさか今日も延長になるとは」……ですよねえ(^_^;; 選手も大変だけど、記者も大変。

でもこの日は延長11回にアダム・ジョーンズの30号2ランが飛びだして勝ち越し。その裏、マリナーズはジム・ジョンソンからヒットを連ねてチャンスを作りますが、ゲッツーと盗塁失敗で万事休す。ちなみに前日、ウィーターズが18回捕手を務めたので、この日の捕手は前日のヒーローティーガーデンでした。2日分の延長戦を短くまとめた動画がありましたので、リンクを貼っておきます。

NYではイチローさんが大爆発してチームをひっぱり、また1ゲーム差に。でも、直接対決がない以上、相手のことは気にしてもしょうがないんですよね。

きょうからは対BOS4連戦。今季は勝ち越しているとはいえ、一度も楽に戦ったことはありません。ゴール前の直線、さらなる執念でかけぬけてほしいです。

Go, O's!