去年があるから今がある。最終6連戦に向けて Go, Orioles!
うう、すみません。書きたいことがいっぱいあるのに1週間のごぶさた。その間オリオールズはよろよろしながらも粘りつづけ、上原さんもがんばっとります。まずはオリオールズのほうから――。
BOS戦とTOR戦の結果をかんたんに記しておきます。
9/21 オリオールズ4 - BOS2 ○ 勝:ゴンザレス(7-4) S:ジョンソン(46)
今季、もっとも予想外かつ安定感のある活躍をしているうちのひとり、ミゲル・ゴンザレスが6回1/3、2失点の好投。打ってはウィーターズが3打点。レスターに初めて黒星をつけました。
9/22 オリオールズ9 - BOS6 ○ (延長12回) 勝:ハンター(6-8) S:ジョンソン(47)
またしても延長戦。12回表にトーミの2ベースで勝ち越すと、チャベス、マチャドのタイムリーで加点。これで延長戦は16連勝。
・先発ランディ・ウルフは5回3失点と粘りのピッチングでしたが、カーブを投げたときヒジに痛みを感じ、MRIの結果、左ヒジ側副靱帯の損傷と診断され60日間DLに。5年前に一度トミー・ジョン手術を受けているそうですが、もう一度手術を受けるかどうか考慮中とのこと。左腕リリーバー、トロイ・パットンが足のねんざでDL入りし、ブルペンの左腕不足を補うため、8月末にFAとして契約(その前にブルワーズにDFAされていました)。大事な局面でのリリーフ、そして先発と、わずか5登板ながらいい働きをしてくれました。パットンが帰ってきたかと思ったら入れ替わるようにDLというのも皮肉な話で、本人も残念でしょう。手術を当面見あわせてこのままチームに帯同し、ベンチから見とどけることも考えているそうです。
・リリーフで勝ちのついたトミー・ハンター。ファストボールが98、99マイルをコンスタントに計測、一度は100をたたきだし、話題に。このくらいの球をコンスタントに投げられるのであれば、試合後半のリリーバーとして活躍できそう。
9/23 オリオールズ1 - BOS2 ● 負:アヤラ(5-5) (勝:田沢)
あと1本が出ず惜敗。9回もランナー1塁でトーミが2ベースを打ったのですが、エンタイトルになってしまったため3塁に止まらざるをえず、後続が押さえられて敗戦。残念でした。8回を三者凡退に抑えた田沢に今季初勝利がついています。
・マチャドのナイスプレーの動画をひとつ。この日に限ったことではありません。この人はホントに輝きがあります。レンジの広さといい、肩の強さといい、まじまじと見つめてしまいます。
・そして忘れちゃいけない、ディラン・バンディのメジャーデビュー。8回1死2塁という場面。監督から「この回を終わらせてくれ」という指令を受けての登板。外野フライ2本で切りぬけました。ブルペンに電話がかかってきたときは、あわててグラブが見つからず、登板を終えてベンチに戻ってみたら手がふるえていた……と、初々しいコメントも残していますが、アウトローのストレートや、空振りを奪った「スライダー」(カッターは球団から禁じられているのでカッターではなくスライダー)には目をみはるものがありました。
9/24 ①オリオールズ4 - TOR1 ○ 勝:スティーブ・ジョンソン(4-0) S:ジム・ジョンソン(48)
スティーブ・ジョンソンがふらふらしながらも5回無失点。けっして球は速くないし、ヒットもそれなりにゆるすのだけど、ていねいなピッチングで失点は最小限に防ぐタイプ。シェリルとの交換トレードでやってきて、ジョシュ・ベルよりはるかにものになったのでした。立派。
ジョーンズの32号2ラン、フラーティーの5号ソロなどでダブルヘッダー第1試合は快勝。
9/24 ②オリオールズ5 - TOR9 ● 負:チェン(12-10)
チェンが5回5失点。それでも5回まで投げられたのはさすがですが、ちょっと球のキレがなかったか。本人は疲れはないと否定していますが、気になるところではあります。あとをついだアリエッタも6回はナイスピッチングだったけれど7回にランナーをためてドカン。よく見る光景なんですよね……。これを克服しないと、先発復帰は遠いよ。
打線も3度の満塁で2点しかとれず……。ヤンキースと1.5差に開く。
9/25 オリオールズ0 - TOR4 ● 負:ソーンダース(8-13)
なななんとここへ来て完封負けを食らうとは。しかもツインズがNYYにリードを許す展開だったので、ああ、2.5差までひらいてしまうか、と覚悟していたら、なんと逆転勝ちしてくれた。ありがとう、ありがとう。
9/26 オリオールズ12 - TOR2 ○ 勝:ゴンザレス (8-4)
だいじな試合でミゲルがまた踏ん張って7回2失点。なんて見あげたやつなんだ。今年の冬はメキシカン・リーグでプレイしていて、オリオールズに入団が決まったのもキャンプが始まってから。キャンプ中1度もメジャー帯同がなく、まったく日の当たらない存在だったのに、ここまでの投手になるとは。まさに今年のオリオールズを象徴するひとりといえましょう。
過去2試合、タイムリー欠乏で不安だった打線は、タイムリーなんてケチなこといわずになんと7HR! なにもそんなにまとめて爆発しなくても(^_^;; マクラウス6号、トーミ4号、マチャド5号、6号、クリス・デイヴィス27号、28号、レノルズ23号。すごいですねー。
・このうちデイヴィスの2本めをブルペンにいたアヤラが帽子でキャッチ。じつは24日のダブルヘッダー第1試合でもフラーティーのHRをキャッチしてます。いったい何の芸なの?(笑)
・トーミ、マチャド、デイヴィスと3本のHRが飛び出した5回。トーミが42歳でマチャドが20歳。マチャドが生まれたとき、トーミはすでにメジャーデビューしていました。同じイニングにHRを打ったチームメート同士で22歳差というのはメジャー史上2番めに大きな年の差だそうです。(しかしなんでも記録がありますね、Elias)
同イニングにHRを打ったコンビで一番大きな年の差は23歳差で、2005年6月14日、レンジャーズ戦の5回にHRを打ったブレーブスのフリオ・フランコ(46歳)とケリー・ジョンソン(23歳)だそうな。
このときのレンジャーズの監督は、バック・ショウォルター。
そしてケリー・ジョンソンは今ブルージェイズにいます。
なんなの、このわけのわかんない因縁は?(笑)。
今日は試合がなく、地元ですごしたオフでした。アダム・ジョーンズは昼寝をしてからレイブンズの試合に行ったみたい。ほかにも監督やデイヴィスなど何人かがいっしょで、スタジアムのスクリーンに姿が映し出されると、観客からも大声援があがったそう。ボルチモア全体からのサポートが感じられて胸が熱くなる今日このごろです。
地元のサポートといえば、小学校に呼びかけて「学校をオレンジにそめよう」という "Go Orange" というプロジェクトがあり、応募した30校のなかから選ばれた最優秀賞の学校を今日、マスコットのバードと何人かの選手たちが訪問したみたい。「レイブンズの選手には会ったことがあるけど、オリオールズの選手は初めて。すごくうれしいです」と語る子どももいたり。そうだよねえ、今まで影がうすかったんだよねえ。これでオリオールズファンももっともっと増えるといいな。
そしてファンといえば、今、カムデンヤーズのスクリーンで流されている、ファン感謝のこのビデオクリップがステキすぎる! The Wanted というグループの "Glad You Came" という曲に合わせて、オリオールズの選手が口パクで歌う(?)シーンをつなげ、「来てくれてありがとう」というメッセージをつたえるビデオなのですが、おちゃめなハンター(しかも着てるのがチェンのTシャツ!)、レノルズ、オデイや生真面目なハーディ、ウィーターズ、そしてジョーンズ、マチャド、アンディーノ、ストロープのノリのよさなど、いろいろな素顔が垣間見られてたのしいです。若手投手3人組(ブリトン、マタス、ティルマン)も出てますね。昨日からヘビーローテーション中(笑)。
そしてそして、クールなビデオといえば、オリオールズの現在継続中の延長戦16連勝をまとめたこの動画もかっこいい。でもあと6試合のうちにまた延長戦があるかもしれませんからね。油断はできませんよ(^_^;;
今日、NYYがブルージェイズに負けたので、また1差に。でも直接対決がない以上、あとはもう、自分たちがひとつずつ勝っていくしかないんですよね。レイズも一度は脱落するかと思われながらしぶとく食いさがっていますし、最後の3連戦はすごく大変な試合になりそう。でももう泣いても笑ってもやるっきゃないんです。
昨年、あのレッドソックスとの最終3連戦を迎える前、わたしはこんなふうに書きました。
「オリオールズも、べつにここでBOSへの積年の恨みをはらそうとかいうんじゃなく、まるで自分のプレーオフ進出がかかっているかのように、すべてをかけてやってほしいんですよ。笑われるかもしれないけど、いつかその日を迎えるための準備として」
あのとき、まさか2012年のレギュラーシーズンを1週間を残した段階で、オリオールズがワイルドカード争い、そして優勝争いにどっぷりからんでいようとは、さすがに夢にも思っていませんでした。
でも、昨年、本気で戦ったから今がある。得失点差だけのデータをとりあげて、「オリオールズは運だけで勝っている」とか「ちゃんとしたチーム作りをしていない、勝利にふさわしくないチーム」なんてとんちんかんな論評をする人たちが今もまだ跡を絶たないのですが(cf.「週ベ10/8 p.83)、ショウォルター監督が就任してからのオリオールズの戦いぶりをきちんと追っていれば、そんな不見識なコメントは出てくるはずもない。今年急に勝ちだしたわけではないのです。数字には残らなかったかもしれないけど、ちゃんと土台を築いてきたから今があるのです。
あと6試合の熾烈な戦いの結果、何が起こるかは神のみぞ知る。でも選手たちはきっと、結果なんか気にせず全身全霊をかたむけて戦ってくれるでしょう。その戦いを心から応援したいと思います。
(この1週間はちょっと忙しくなりそうなので、ブログの更新ができないかもしれませんが、見られるかぎりしっかり目を見ひらいて見るつもりです。)
Go, O's!
【追記】マット・ウィーターズがパパになりました。9月28日早朝に生まれたようです。マヴェリックくん、3650グラム。今日の試合は産休で欠場するものと思われます。でも遠征先でなく、地元にいるときに生まれたのでよかったかな。Congratulations!