Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

悩ましきワンデー・プレーオフ

まったくねえ、だれがこんな展開を予想したでしょうか。

一夜かぎりのワイルドカード対決、ワンデー・プレーオフオリオールズとレンジャーズが対決するなんて。まったくもう!

レンジャーズ対アスレチックスの3連戦。いくら敵地だからって、ひとつぐらい勝つと思うでしょ、レンジャーズ。最後の試合は出勤前に見ていましたが、ハミルトンの落球の場面では思わず「うそー!!」と絶叫してしまいましたよ、朝の5時半(ごろだったっけ?)に。見たくなかったなあ……。

野球ってこわい。勝負ってこわい。何が起こるかわからない。

「でも、それだからこそ毎朝起きて試合をするんだ」という意味のことをバック・ショウォルターがよく言うのですが、本当に心からそうだなと思いました。そうでなければカードゲームか何かのように、数字と数字をつき合わせて、多い方が勝ち、ということにすればいいのです。どんなに給料が違おうと、経験値に差があろうと、過去の対戦成績に開きがあろうと、その日のその試合、その打席で何が起こるかはやってみなけりゃわからないのだと強く思いました。

そんな究極の一発勝負がワンデープレーオフ

上原が移籍して以来3年間、日に日に深まる愛情を込めて応援しているオリオールズと、その上原が移籍したレンジャーズと。というより、「負けたくない、勝ちたい」という上原と。……そのどちらか一方をわたしに選べっちゅうんですか、野球の神様?(苦笑)

もう、明日は、何も考えずに、ただただ楽しむだけにします……な~んて、そんなことができりゃあ苦労はないのですが。試合が始まったらいったいどんな気持ちになるのやら、想像もつきません。

まあ、冷徹に予想すれば7・3でレンジャーズ有利でしょう。

オリオールズがレイズとの最終戦に勝って94勝をあげ、カムデンヤーズでの開催権を手にしていればこれが6・4ぐらいにはなったかなと思うのですが。

先発がダルビッシュとソーンダース。今季オリオールズは、なぜか2カードともダルとあたりませんでした。初対戦の手ごわい相手。初回の制球がすべてかなという気がします。そこで失投があって、オリオールズの打者が逃さずに打てれば、あるいは辛抱強くボールを見て球数を投げさせることができれば、オリオールズのチャンスが増えるかもしれない。でも変化球をぶんぶん振っていくようだと苦しいと思います。

ソーンダースはレンジャーズ戦の通算成績が0勝6敗、ERA8点台だかなんだかという、あまり魅惑的ではない数字です。でもオリオールズに移籍してからは、そこそこまとめる投球をずっとしています。ウィーターズの配球を加味して、うまく罠をしかけることができるかどうか。5回2点ぐらいまでに抑えてくれたら御の字かな。オリオールズブルペン勝負がすべてだと思います。ショウォルター監督は先発をひっぱる人なのですが、いつもより心持ち早めの継投をおねがい!

オリオールズには数多くの元レンジャーズ戦士がいます。

上原との交換相手だったクリス・デイヴィス、トミー・ハンターをはじめ、ダレン・オデイ、ペドロ・ストロープ、テイラー・ティーガーデン、エンディ・チャベス、オマール・キンタニーヤ、そしてバック・ショウォルター。

彼らが、この地をよく知っていることを味方につけることができるかどうか。あるいは逆に意識して力んでしまうのか。シーズン中の対戦では、(本人はけっして認めないでしょうが)デイヴィスあたりは少し力んでいるように見えました。デイヴィスは強振すると飛距離が出ず、力感なく振れるときほど調子がいいので、そのあたりの気の持ちようも大切になってくるかなと思います。それにしてもレイズ戦の2戦め、唯一の得点をたたきだしたセンター最深部への33号HRはすさまじい当たりでした。実況のゲーリー・ソーンが「モンスターショットというものがあるとしたら、これがまさにそうです!」と断言したほど。オリオールズでレギュラーとして出ることで、ほんとうに開花した1年でした。

いっぽうのレンジャーズは、アスレチックス戦ではまったくレンジャーズらしさが見えませんでしたが、ホームに戻れば変わるでしょう。レンジャーズがレンジャーズらしく試合をしたら、まあまちがいなくオリオールズは粉砕されるんですけど(笑)。でもあんまりしょぼくれた彼らは見たくないです。あー悩ましい。

そしてなにより、上原には最高のピッチングをしてほしい。それが8回だったらオリオールズには芽がないということになるし、ダルに球数を投げさせて早めに交代に追いこみ、7回あたりに上原が出る展開なら少しは望みがあるかもしれない。

こうやって書いてみると、やはり少しオリオールズ寄りなのは否めませんが(^_^;; とにかく手に汗握るような好ゲームが見られたらなあと願っています。エラーにつぐエラーとか(このあいだみたいにね)、ガチガチに緊張してふってもふっても当たらないとか、そんなのじゃなく、シーズン中そうであったところの姿を全部発揮してくれたら、もうどっちが勝ってもわたしはたぶん喜べると思います。たぶん。わからないけど(笑)。

あー、見たいけど見たくない。さっさと終わってほしい。でもじっくり見たい。

ほんとうに悩ましいワンデー・プレーオフです。

【追記】

オリオールズの外野トリオが表紙を飾る〈スポーツ・イラストレイテッド〉Oct.1 を手に入れました。在庫がなかったので池袋のJ書店で注文したのですが、カウンターのおにーさんに何月何日号だかわからないと言ったら

「表紙が誰だかわかりますか」と問われたので

「野球のメジャーリーグオリオールズの選手です」と答えたら

「オリオンズ?」

と返されました(^_^;;

オリオンズ……ロッテ・オリオンズ。金やんが監督だった……って、ちゃうちゃう。にいちゃん、あんた、ロッテ・オリオンズのころまだ生まれてへんやろ。

そんなわけで何度も何度も「オリオールズです。オ・リ・オー・ル・ズ」と繰り返した午後でした。

記事を書いているのがデイヴィッド・サイモン。元〈ボルチモア・サン〉のサツ回りの記者で、The Wire というボルチモア市警が舞台の刑事ドラマの作者なのだとか。そのサイモンの奥さんはローラ・リップマンというミステリ作家で、ボルチモアを舞台にしたミステリシリーズを書いています。

プレーオフ前日のインタビューで、昨年レンジャーズにいたエンディ・チャベスが衝撃発言。レンジャーズがあとストライク1つでチャンピオンというところまで迫りながら、ライトのクルーズが頭上を抜かれて……というあの場面について、チャベスは、回のはじめ守備固めに入るつもりで一塁あたりまで駆けだしたが、コーチに「戻ってこい」と呼び戻されていたことを打ちあけました。呼び戻された理由は説明されず、チャベス自身も聞いていないとのことです。(ソース)