Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原はどこへ行くかな【追記あり】

20日間のごぶさたになってしまいました。この間、なにやらカナダ方面でやたら盛大に花火があがっていましたね。ぶるぶるぶる。

11月20日には上原が帰国しました。ブログによれば、シーズン終了後、フロリダにいったり、自宅で薪割りをしたり、ハロウィンパーティーでヒッピーに扮したり(笑)、ハリケーン「サンディ」で停電の被害にあったりと、とてもアメリカンなオフを満喫していた上原。そういうの、いいなあ(除:ハリケーン)。やはりその国の文化になじんで、暮らしを楽しむって大切なことですもの。

さて、そんな上原について気になるのは、やはり来年の所属先。

6球団からオファーが来ているとも、フィリーズが調査しているとも言われていますがどうなりますか。ほかにはオリオールズ、ブルワーズの名前がよくあがっています。

レンジャーズも、フェリースがTJ明け、アダムズもFA+手術明け、オガンドは先発に回るかも、ということでブルペンはごっそり入れ替えになるので当然上原に戻ってほしいようですが、「400万ドルは高すぎると球団は考えている」と、FOXスポーツのローゼンタール記者は観測しています。上原自身も「黒田さんの五分の一あれば万々歳なんやけど」(黒田は1500万でサイン)ともらしてますので、金額的にはそこらへんの線をめぐって各チームの攻防になるのかなあと思います。

ただ、わたしの個人的な想像だと、よほどのことがなければレンジャーズには戻らないんじゃないかなと。今季の起用法を見ていると、宝の持ちぐされと言ってはあんまりだけど、非常にもったいなかったという気持ちが強いので。その象徴ともいえるのが、あのオリオールズとのプレーオフでのダルビッシュからホランドへの継投だったと思うのですが(当時のエントリ)、それ以外に前半戦でも「こういうところでもっと上原を使えばいいのに」と思う場面は多々ありました。一介のファンがじりじりするくらいですから、本人はもっと痛切に感じていたんじゃないでしょうか。必要とされる環境を求めるのは野球選手の本能のようなものですし。

今週になってアメリカの記事にもさかんに上原の名前が登場するようになったので、フィリーズ地元紙の記事にひとつリンクを貼っておきましょう。

内容をざっとまとめるとこんな感じです。

・上原は極端なフライボールピッチャー。それでいて、カムデンヤーズや、ボールパーク・イン・アーリントンという打者有利の球場で好成績を残している。被本塁打と被長打はリーグ平均よりやや悪いが、ほかの数字が飛び抜けてすぐれている(10.8 K/9、0.8 BB/9、1.75 ERA)。

・今季のFA相場は高騰しており、フィリーズは今いるメンバーの年俸総額が高く、ぜいたく税のことを考えるとあまり余裕がないためおいそれと手を出せない。

・したがって、年齢と故障歴ゆえにあまり高騰しないと思われる上原の獲得は理にかなっている。

――な~んだ、けっきょく「お買い得」の話かい (-_-)

上原のすごさは、実際にピッチングを見ないとぴんとこないから仕方がないのかな。球速(88マイル)や球種(2種類)を数字で見ただけでは、どれだけ説明されてもいまいち把握できないですものね。

自宅のあるボルチモアが有利では、と書いている記事もあったけれど、オリオールズ地元紙では今オフ、まだ名前を見かけていません。今季、ブルペン陣はみんな好調だったからなー。だからといって、可能性がないわけではないけれど。

でもフィリーズボルチモアから近いし、わりとあり得るシナリオのように思えます。

……な~んて、去年のデッドラインのときもぎりぎりまでエンジェルスだと思っていたし。こればかりはじっさいに決まるまでなんとも言えません。あれこれ想像しながら楽しみに待つことにしましょう。(……でもALEastだけはやめてね。あ、もちろんオリオールズはべつですよ。←かってなお願い)

【追記】

今日もまた新たな記事が出ていました。

ダラス・モーニングニュースより。Strike-throwing Uehara in demand

レンジャーズは再契約したいと考えているが、制球のいい上原は引く手あまた、という内容。上原が日本のマスコミに「数球団からオファーがある」と語ったこと、日本に帰国する前にボルチモアの自宅に戻ったことなどに触れながら、今季の成績をまとめています。

「36イニングに登板して20安打しか許さず、43三振を奪う一方で与えた四球はわずか3だった。

K/BB 14.33 という数字は、35イニング以上投げたリリーフ投手のなかでは史上三位(!)の好記録 殿堂入り投手のデニス・エカーズリーの、57回 2/3で18.33(1989年)、73回 1/3で18.25(1990年)に次ぐもの」

ふむ、エカーズリーの記録は投球回数からいっても段違いではありますが、それでも与四球3はほんとうにすごいです。リリーバーであっても1試合で3四球ぐらい出しちゃう人はいくらでもいますからね。

【さらに追記】

デトロイト・タイガース系のこちらのブログは上原の通算成績に関してこんな指摘をしています。

「上原は過去3シーズンとも、1試合(9回)あたり10.75以上の三振を奪っている。またメジャー通算の与四球は29。これはバルベルデの2012年の与四球より2つ多いだけだ」(By Rob Rogacki on Nov 25)

いっぽうESPNは「過小評価のFA5選手」という記事の4番めに上原をとりあげています。(by Jim Bowden November, 26, 2012)

「過小評価の理由:上原は2011年シーズンの最後に絶不調に陥り、ポストシーズンロスターからはずされた。このときの悪いイメージが尾をひいて、各球団のスカウトは、今季の上原のすばらしい巻き返しに乗りおくれているのだろう。今季は43三振で3四球。K/BBは驚きの14.33。絶妙の制球で投じる88-89マイルのファストボールと、打てないスプリッターは非常にすばらしい。2012年の上原を評価するには、2011年を完全に忘れなくてはだめ。2013年も必殺のセットアッパーとして活躍するだろう」

ベストフィット:フィリーズ、レンジャーズ、ブルワーズ、レッドソックスオリオールズ

ふむ。ほぼ同意だけど、2011年を忘れろというのには、ちょいと異を唱えたいですねえ。たしかに9月からポストシーズンにかけては不調でしたが、7月までは完ぺきだったんだから。でなければデッドラインでトレードなんかされなかったでしょう。まったく最後の1~2ヶ月のイメージというものがいかに全体のイメージを支配するかの証左ですね。ぶつぶつ。