上原、ボストンへ(汗)
朝イチのショックがいまだに尾をひいています(苦笑)。
でも、意外ではありませんでした。むしろ「うっ、やっぱり……」みたいな感じ。
身体検査後の正式発表になりますが、上原浩治は今日(現地12月6日)、レッドソックスと1年契約425万ドル(約3億4000万円)で合意に達しました。なんとなくそろそろ決まる気がして、昨日は夜の2時ぐらいまで情報をあさっていたのですが、その少しあとに決まったみたい。
きのう就寝前のわたくしのツイートです。:レンジャーズについて&オリオールズについて。
レンジャーズはワシントン監督がウィンターミーティングの会場から直接電話したという報道もありましたが、すでにセットアッパー候補のホアキム・ソリアをとっていたので(手術明けで5月下旬ぐらいからの登板)上原の役回りが今年以上に不透明になるのは必定でした。フェリスもTJ手術から戻ってきますし。それもあってテキサスの線は薄いだろうなと思っていました。
オリオールズもブルペンの頭数はそろっているうえ、だれかが不調に陥れば、トミー・ハンターやブライアン・マタスなどカバーする人材も豊富。補強ポイントはむしろロングリリーフのできる投手なので、上原とは微妙にずれているんですよね。値段が下がれば考慮したかもしれませんが、今オフ人気の上原ではちょっと手が出しづらかったものと思われます。
またデイリースポーツには、上原が複数年を求めてブルワーズのオファーを蹴ったという記事が載りましたが、結果的に1年契約だったことを見ても明らかなように、ちょっと的外れ。わたしもブルワーズ関係のツイートやブログなどちょくちょく見ましたが、チームが必要としていたのは左のリリーフということでしたので、単に折り合いがつかなかったのでしょう。
そんなこんなで、もっとも上原を必要としたのがレッドソックスであった、と (>_<)
いちおうクローザー(ベイリー)もいますし、その前にもアセベスや田澤がいますので、ピースとしてどこにはまるのか、わたしはボストンのチーム事情にはくわしくないのでよくわかりませんが、来季から投手出身のファレル監督ですし、そこらへんはきっとうまいことやるでしょう。
捕手はTEXからいっしょに加入するナポリなのかな。サルタラマッキアはトレードではという話もありましたがどうなるのか。あるいはラバーンウェイ? ブルペンでは田澤といっしょになりますね。これは田澤にとってものすごく大きいと思います。上原は、あまり言葉で教えるタイプではなさそうだけど、見ているだけでもいろいろ吸収できるのではないでしょうか。
あと、ボストンなら上原の家にも近いし、オリオールズとの対戦も圧倒的に増えるから、そういう意味では便利ですね。
それゆえにおそろしく悩ましいけれど。;
んもー、今年のレンジャーズとのワンデープレーオフでもあんなに悩ましかったってのに。
もう、来季は、かつての「アンチ巨人の上原ファン」のような心持ちで応援するしかありません。
どう逆立ちしても今からBOSを応援するのはむりなので、オリオールズを応援しながら上原さんにだけ声援を送りますわい(←なぜ老人風)。
しかし同地区なので16試合もあるんですよね。そのなかには当然、きわどい場面の登板もあるだろうなー(遠い目)。そういうときには、またその場で考えます……(ううう)。
えーっと、気をとりなおして、きょう出た記事をいくつか紹介しておきます。
今年度の上原の成績(36 イニングで防御率 1.75、WHIP 0.64。43奪三振、四球3)を紹介。さらにレンジャーズも上原にオファーしたものの、先にソリアを獲得したので、当面はブルペン以外の課題(グレインキーとかアプトンとかハミルトンとかいろいろ名前があがってますからね)を優先していると述べています。
オフィシャルサイト
内容はほぼ同じ。エンジェルス戦の三者三振の動画が見られます。
Fangraphs
こちらはさすがにFangraphsらしくこまかく数字を分析。
1)上原の生命線はコントロール。落ちる球であるスプリッターでさえも、ボールになるのは36%で、これは一般の投手のファストボールがボールになる割合とほぼ同じ。
2)投手有利のカウントにもちこむことがほとんど。2012年には、513球投げてストレートの四球は皆無。3ボールのカウントを背負って投げたのも25球だけ。
3)決め球のスプリットが非常に有効で、59%がスイングを誘い、振ったうちの39%が空振り。9回あたりの三振奪取率を押し上げる原動力になっている。(通算で9.82、2012年は10.75).
4)いっぽう、ファストボールは球速が遅いので、長打の危険も大きい。各打者に対する最後の球がファストボールだったケースが、メジャー通算で357打席あるが、そのうちの24打席(6.7%)でHRを喫している。
ファストボールをバットに当てられインプレーの打球を打たれた際の長打率は、おどろきの.527。もっともインプレーの打球が飛ぶ割合自体少なくて、リーグ平均の19.3% に対して、上原は14.1% だった。
(こまごま書かれているけど、要するに「ストレートでファウルを打たせて追いこみ、1球遊んでフォーク、または高めのストレートでしとめる」という上原の典型的な投球パターンをデータで表示するとこうなる、ということですね。)
というわけで結論は、いつもと何ら変わらず、スプリットの切れをあげること、そしてストレーをスプリットと同じ腕の振りでビュっと、思ったところに投げることに尽きる、というところでしょうか(言うは易し)。
その意味で、昨年のように乾燥して球が抜けやすいアリゾナでスプリングトレーニングをするのではなく、フロリダでできるのも大きいです。(ひょっとしてそれも考慮したのかしら。)
どこまでいっても悩ましさはつきまとうと思うけれど、動きの激しいメジャーリーグではこれも醍醐味のひとつなのかもしれません。
2012シーズンは、上原にとっていろいろな面でがまんを強いられた1年だったので、2013年は、まずは体調をととのえて、長期離脱することなく、コンスタントに思いどおりの投球ができる1年になるよう願おうと思います。
おそらく今また健康診断のためあちらに向かっているものと思われますが、暮れには『もみあげ通信』をはじめ、いくつかの番組で見られるんじゃないかなと期待しています。
それから、野球とはあまり関係ないのですが、最後にちょっとだけ宣伝を。ずっと取り組んでいる「オズの魔法使いシリーズ」の翻訳、最新刊が出版されましたので、こちらのツイートをごらんください。
第9巻ですが、読み切りなので独立しても楽しめます。カリフォルニア生まれのトロットという女の子が主人公なのですが、ちょうどトロンボとトラウトが活躍していたころ訳していたので「トロット」って打ち込むたびに「間違えないように」と自分に言いきかせてました(笑) いえ、ぜんぜん似てないんですけどね。
ただ、オズはアメリカ文化に深く浸透しているので、関係ないと思うとひょっこり顔を出したりもします。以前にもご紹介しましたが、ジェレミー・ガスリーがトレードされたとき、オズにひっかけたツイートをしていましたし、最近では「オズの魔法使い」ことオジー・スミスのトロフィーがオークションにかけられたというニュースもありました。またこちらは2007年、ヤンキースのルーキー・ヘイジング。左から順にジョバ・チェンバレン、ケネディ、ダンカン、ヒューズだそう。オズの魔法使いのライオンと、ドロシー、かかし、ブリキ男です。
まわりに小さいお子さん(甥っ子姪っ子、ご自分のお子さん)がいらっしゃるみなさん、クリスマスプレゼントに1~3巻ぐらいいかがですか。知ってるようで知らないお話だったりするので、大人が読んでも楽しいと思います。
【追記】
うー、たった今、かなり強い地震が。宮城県で震度5弱。震源が浅かったので津波警報が出ています。みなさんお気をつけて! このところ余震がまた多いので、懐中電灯やラジオなど身近に置いておいたほうがいいですね。出かけるときはペットボトルに1本水を持っていくようにしよう……。