Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

バック&DD、2018年まで延長!

するだろうするだろうと言われながらなかなか正式発表がこなかったのですが、昨日、日本時間の朝、発表されました。オリオールズ、バック・ショウォルター監督の契約延長です。

一時、「3年延長か」という情報が流れたのですが、発表されてみれば5年の延長。2013年までは旧契約に入っていましたから2018年までということになります。

といっても、発表が長引いたのは年数でもめていたわけではなく、単純にショウォルター監督のスケジュールが忙しくて時間が取れなかったのが原因のようです。オーナーのピーター・アンジェロスも、バック側も、いってみれば相思相愛の形で、合意そのものはとっくに形成されていたもよう。

シーズン中からそうなのですが、ショウォルター監督は自分がスポットライトを浴びるのは、ほんとうはいやなんですよね。それでも2012年シーズンの顔はやはりバック。球団としてもその名前をもじり、さらに「シートベルトをしめろ」という意味をもたせた"Buckle Up!"というキャンペーンをはり、シーズン後半にはファンがみんなこのTシャツを着たりボードをかかげたりしていました。

それでもショウォルター監督のコメントは「恥ずかしい」。

しかしバックが謙遜して選手に花を持たせようとすればするほど、周囲が放っておかないという、ある意味幸福な関係が生まれているのです。

この契約延長が発表される前にも、ショウォルター監督はMASNの番組で、まだ1年契約が残っているのだから、そんなに騒ぐようなことではない、と述べ、さらに金銭面について問われるとこんな返答をしました。

「わたしの『裕福』の判断基準は、ターゲット(スーパー/デパート)にいって好きなものを買えるということなんだ。今のところ充分だと思っているよ。……スムージーとポップコーンを買って歩きまわるのは楽しいからね」(ソース:MASN)

なんてラブリーなコメント。うん。

そして、バックと同時にダン・デュケットGMの契約も同じく2018年まで延長されました。4年間の延長。こちらのほうは地元メディアからも「異例」と驚きをもって迎えられましたが、それだけオーナーがツートップを信頼し、またツートップ同士も互いにうまくいっているのでしょう。

そもそも昨年のGM選びのときは、ショウォルター監督も面接に深くかかわったんですよね(昨年のエントリ ……あ、面接に出席してたことは書いていませんが)。

ジェリー・ディポト(現LAA GM)や、トニー・ラカバ(ジェイズ副GM)に断られたとき、アメリカのメディアは一斉にオリオールズの不手際を非難しましたが、その後のエンジェルスやブルージェイズの大胆な補強の仕方を見ても、おそらく若い彼らは、オリオールズ、ひいてはショウォルター監督とは、やりたいことが違ったんだろうなと、ひしひしと感じるわけです。オリオールズは、なんだかんだ、やはりオールドスクールだし、それがチームカラーに合っている。DDにはそのオールドスクールさを受けいれて、そのなかで自分のカラーを出していく老獪さがあるような気がしています。

アダム・ジョーンズをはじめ、選手たちもこの決定を大歓迎していますが、ちょっと出かけなければならないので、コメントなどはまた後ほど。

またオリオールズから(こちらもアダム・ジョーンズをはじめ)WBCに出場する選手たちが何人かいますので、そのことなどものちほど追記します。

【追記】

ダン・デュケット(DD)とショウォルターの記者会見がなかなか面白かったです。こんなものを延々と見る酔狂な日本人はわたしぐらいしかいないと思いますが(そしてバックの英語は聴き取りにくいので、肝心なところでちょいちょいわからないところもあるのですが(^_^;;)自分用のメモとしてリンクを貼っておきます。(1、2、3)

DDがバックのことを「いっしょに仕事をしてこんなに楽しい人はいない」といえば、バックが「わたしのことを『楽しい人』なんて呼ぶ人がいるとは」と笑いをさそい、コンビネーションのよさをうかがわせる、という雰囲気。DDは、昨年のクリスマスに選手獲得の相談でバックに電話をしてバックがそれに応じたとき(日本でいえば、正月休みに仕事の電話をするようなものですからね)、「自分と同じ心を持つ男がいる」と感じたのだそう。昨年は実にシーズンを通して52人の選手をメジャーで使いこなしたツートップ。そのいい関係をこれから6年間、さらに発展させてほしいです。

選手たちの反応を。

アダム・ジョーンズは、昨年夏に自分が契約延長する前、ショウォルター監督と直接話をして、チームにずっと関わってくれるかどうか、確認したのだそうです。ショウォルター監督の契約延長が発表されるとこんなツイートをしました。

"Me signing my 6year deal with the @Orioles is arguably the smartest thing I've done. Not money wise but for the opportunity to play for Show"(ぼくがオリオールズと6年間契約延長したのは、最高に賢いことだったと思う。金銭的にという意味じゃなく、ショウ(Show)のもとでプレーできるという意味で。:リンク)

こうもコメントしています。

「偉大な選手には偉大な監督がつきものだよね? たとえばジーターにトーリがいたように。自分をそんな偉大な選手になぞらえるわけじゃないけど、 ときとして監督が、選手の背中を押して才能を発揮させることがある。ショウはそうやってぼくを生かしてくれたと思う。(中略)

ショウは、毎日ぼくよりずっと前にきてずっとあとまでいるけど、ぼくも球場入りすれば野球だけに集中していた。チーム全体がそうだ。ピンポンをしたりなんだりいろいろやっても、みんな気持ちは野球だけに集中していた」(MASN)

ニック・マーケイキスは、DDとバックの記者会見に列席してました。寡黙な人ですが、義理堅くて、ジョーンズのときも出てたのよね。〈ボルチモア・サン〉にバックとニックのやたら迫力のある写真が載っていたのでリンクしておきます。かっこいい~。

オリオールズは、静かな静かなオフシーズンで、せっかくポストシーズンに進出して勢いもあるのに、何もしないとは何ごとかと批判を招いていたわけですが、ファン的にはなんかこれでOKなようなw。戦力面の補強ではないのに、19日土曜日のファンフェスを前に、気分的には充分もりあがりました(笑)。

その他のニュースを:

◎ノーラン・ライモルド(今季$490,500 )と1年1MIL、トミー・ハンターと1年1.82MIL(今季$493,500)で契約に合意。どちらも年俸調停権を持っていました。

残りの7人(マタス、クリス・デイヴィス、ジェイソン・ハメル、ジム・ジョンソン、ダレン・オデイ、トロイ・パットン、マット・ウィーターズ)は、年俸調停を申請。ただし、まだ手続きのみで、実際には審問にいたる前に契約の見こみ。

オリオールズの場合、コアの選手たちの年俸がこうして毎年あがっていくことも、FAなどで大きな動きをしにくいひとつの要因になっているかもしれません。

かといって、レイズのように保有しきれなくなった選手をパッとトレードするという方式にはならないのですよね(まあ、ベダード⇔ジョーンズ以下5人という有名なトレードもありましたが)。それはやはりオリオールズ流(の、メイン)ではない。今オフなんか見てると、むしろ日本の球団のような肌合いさえ感じるオリオールズなのでした。

◎アダム・ジョーンズがWBC、チームUSAに参加。昨年12月にオファーがあって、ずっと水面下でひそかにやりとりをしていたようです。

ほかにはペドロ・ストロープがドミニカ代表、ルイス・アヤラがメキシコ代表、内野手プロスペクトのジョナサン・スクープがオランダ代表に。

ミゲル・ゴンザレスは、メキシコ代表のオファーをけっきょくことわったようです。(かなり真剣に悩んで、ロスターに名前も載っているのですが、昨シーズン、ウィンターリーグも含めてかなりの球数を投げたので、やはりキャンプ優先でいくとのこと。)

オランダにはレンジャーズのプロファーもいますし、外野にヤクルトバレンティン楽天アンドルー・ジョーンズの日本助っ人組も。オランダは台湾で行われるプールBですが、韓国や台湾も、けっしてあなどれない相手と認識しているでしょう。

さらにO'sシングルAあたりの選手ではカナダにクリス・ロビンソン、オーストラリアにアラン・デ・サン=ミゲルなんて名前もありますが、どういう選手だか知らなかったりします。ごめんなさい。

◎レイブンズ、プレーオフに勝利。AFCチャンピオンシップへ。

フットボールには弱くてあまりわからないのですが、先週のレイブンズ対ブロンコスの試合は逆転につぐ逆転のたいへんな試合で、オリオールズの選手たちも大興奮でした。(ツイッターを見てると。)

そんななか、氷点下のデンバーに飛んで直接応援にいったのがアダム・ジョーンズ。この写真、いいなあと。昨年、オリオールズに対してレイブンズの選手も声援をおくってくれ、こんどはオリオールズがレイブンズを応援し。実はレイブンズ設立以来、両チームが並んでプレーオフに進出したのは2012年度が初めてなのだそうです。今週末の試合にもジョーンズは行くみたいですよ。熱い男だ。

そんなこんなで、スプリングトレーニング開始まであと約3週間。

動きのないオリオールズに気をもんでいましたが、バック・ショウォルターの会見を聴いていたらどうでもよくなっちゃいました(笑)。

今年もバックについていきます!