Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

いじられ役? ケヴィン・ゴーズマン

2012年のオリオールズドラ1、ケヴィン・ゴーズマン(22)は、大学時代、登板するとイニング間にかならずミニドーナツを食べるという、ふうがわりなゲンかつぎを続けていたことで有名でした。ほかにも、ストッキングをはくとき、一旦はいて、ぬいで、ドリンクを飲んで、またはいて、みたいな儀式を欠かさないとか(昨年のエントリ)。

野球選手ってルーティンを大切にするし、それが発展してゲンかつぎする人もけっこう多いですが、そのなかでもかなり極端というか。ドラフト時にそのニュースを聞いたときには「大丈夫? ちょっと神経質ちゃう?」と思ったものでした。

でもその後、彼のツイートを見たり、この春初めてメジャーのキャンプに参加して伝えられるいろいろな記事を読んだりしていると、どうやらお茶目さん(って、いつの時代の言葉だw)なんだなと納得。おなじルーキーのディラン・バンディ(彼は2011年のドラ1ですが)と仲がよくてけっこうつるんでいるようですが、バンディがマジメで落ちついたタイプなのに対し、ゴーズマンは先輩たちからちょっかいを出されるいじられ役のようです。

まずはこちらの写真を。今キャンプ最初のゴーズマンの写真がこれでした。なんでしょうね、このサービス精神?

ロッカーはオデイとミゲル・ゴンザレスの間。オデイのとなりはジム・ジョンソン。もちろんこういうロッカーの配置も、チームはしっかり考えていい場所に置いているわけです。さっそくオデイから、「ダンキン」というニックネームをもらったそうな(笑)。ダンキンドーナツ、日本からは撤退しちゃいましたけど、アメリカではやっぱりドーナツといえばダンキンなのね。

そして昨晩、ゴーズマンは、リック・アデアピッチングコーチから「明日は球場入りを朝8時以降にずらすように。ベテラン陣だけの練習があるから」というメールをもらいました。なんだろう、と、ふしぎに思いながら8時すぎにクラブハウスにいくと、ロッカーがこんなことに。

これ、ぜんぶ袋入りミニドーナツなんだそうです。スタッフが手分けして近所のグローサリーストアからかき集めたとか。あほじゃ(笑)。

いちばん上には "Eat Up -- Jonesy" という、アダム・ジョーンズからのメッセージが。首謀者ですな。しかもショウォルター監督も、8時すぎにやってきたゴーズマンにわざわざ「おや、今ごろきたのか?」と声をかけたんだそうでw チームぐるみでなにをやっているのか。

ジョーンズとブリトンのツイートも貼っておきます。

でももちろん遊んでる(遊ばれてる)だけじゃありません。

こちらのブルペンセッションを(動画)を。まだ軽く投げてるだけだと思いますが、ゆったりしたムリのないフォーム、低めにコントロールされた球、よいですね。もっと見たい。

初日には「意識させるといけないから」と、あえてブルペンに近づかなかったショウォルター監督ですが、今日のブルペンセッションのあとには、めずらしく手放しで絶賛していました。

「チェンジアップがいい。あれはいい打者に投げたほうが有効だね。1Aの打者には87、88マイルのチェンジアップは逆に打ちごろだ。この若さであれだけのチェンジアップが投げられるのは大きい。ほかの変化球がそこそこでもかまわないわけだから。球の見づらいフォームをしているし、球が手元で伸びる。腕の振りもしなやかだ。顔もいい。いいリーグの出身だしね」(ソース:MASN)

顔までほめてるし(笑)。ちなみにルイジアナ州立大の所属リーグは、ショウォルター監督が学生時代にプレーしていたリーグなのだそうです。よく考えないとわからないジョークが多すぎるw

えーと、ゴーズマンだけだと片手落ち(?)なんで、ディラン・バンディのブルペン動画も載せておきましょう。投げ終わったあとの安定感がすごいな。

上には先発候補が多いので(ハメル、チェン、ミゲル・ゴンザレス、ティルマン、ブリトン、マタス、和田……)シーズン当初はふたりともマイナースタートだろうと言われていますが、今季中にはなんらかの形で呼ばれそうな気がします。バンディはもう去年、わずかながらデビューを果たしていますしね。

そのほかの話題を。

◎ジェア・ジャージェンス(27)とマイナー契約

ブレーブスからノンテンダーになっていたジャージェンスと、1年1.25MILのメジャー契約で合意したと伝えられたのが1月末。しかしそれから延々と交渉が続き、ようやく2月17日にマイナー契約であらためて合意し、正式発表されました。2011年に半月板の手術を受けた右膝の状態が主な原因のよう。本人は、もう痛みはなく、あとは強化の問題だけ、と主張していますが、手術後、球速がガクンと落ちたと言われていますので、それがケガ(痛み)によるものなのか、フォームを崩したのが原因なのかを見きわめて修正をはかることになりそう。

ジャージェンスといえば、昨年の1月にはブレーブスのほうから「ジャージェンス+α⇔アダム・ジョーンズ」というトレードの申し込みがあって、断っているんですよね(昨年のエントリ)。うん。トレードオファーってやつはほんとに……。

そしてこちらは、今日のジャージェンスのブルペンセッションを物陰から見まもるショウォルター監督。

明子姉ちゃんか(笑)。

ゴーズマンのときもそうなのですが、監督が見まもることで力ませないように、とか、ジャージェンスの場合は、膝をかばってないかどうか、とか、自然な状態で見たいようです。でもおもしろいw

◎ケヴィン・グレッグ、ドジャースマイナー契約

書こうと思ってずっと忘れていたのですが、オリオールズのクローザーとしてちょくちょくブーイングを浴び、しかしオルティスとの殴り合いの大乱闘で鮮烈な印象を残して、昨年9月にリリースされた(あれはちょっと寂しかったな)ケヴィン・グレッグ、今年の2月にドジャースマイナー契約しています。ドジャースブランドン・リーグを破格の契約で迎えたりと、若干ギモンの残る大量補強をしておりますが、どうでしょう、まだチャンスはあるでしょうか。34歳で、体はべつにどこも悪くないはずなので、もうひと花咲かせてもらいたいです。

◎トレイヴォン・ロビンソン(25)、3Aに。

昨年11月にロバート・アンディーノとのトレードでマリナーズから移籍したトレイヴォン・ロビンソン、ロスターを空けるためDFAされてウェーバーにかけられていましたが、昨日、無事クリアして(つまりどこのチームからもクレームされず)3Aに配属になりました。

待ちの状態でキャンプを迎えたこの1週間を「みじめな1週間だった」と形容したロビンソン。外野にはザビエル・エイヴァリー、L・J・ホーズ、ルー・フォード、スティーブ・ピアスなど、競争相手が多々いるのですが、まずはユニフォームを着てプレーできることを喜んでいるようです。まだ25歳ですから、バッティングをみがいてもう一度上をねらってほしいです。

あ、そうそう、現地土曜日(つまりきのう)の、チーム全体練習初日のあとには、恒例のミーティングも行われたようです。バスで地元の劇場にいって、全員でビデオを見て、というあれですね。今年で3年めなのでサプライズの要素は少なくなったかもしれないけれど、この日のためだけにビデオを特別編集(昨年の名シーンをつなげたもので、チーム全員が一度は登場するようになっているらしいです。外部には非公開)するなど、準備はたいへんみたい。でもそういうことのひとつひとつが、今のオリオールズというチームを形づくっているんだと思います。