Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

こまやかなプレー:O's 3月1~3

息子が少年野球をやっていたころ、いちど市内の「オール○○」のチームに参加したことがあります。市内の強豪チームの監督が指揮をとるので、わたしも興味津々で練習を見にいきました。で、まあ、いろいろと「なるほど、これが強さの秘けつ?」というものがあったのですが、なかでもひとつ強烈に印象に焼きついたのが、ツーアウトランナー一塁で、相手が平凡な一塁ファウルフライを打ち上げた場面。いきなり監督が、センターを指さして「おーい、おまえ、なにぼんやり突っ立ってんだ!」とどなったのです。センターはよそのチームから来た子なので「えっ、おれ? 何???」とあたふたし、その子の母も「えっ、うち? 何、何???」と軽くパニックに(笑)。

監督は「カバーだよカバー」ぐらいしか説明しなかったのですが、要するに「落球があったら二塁に送球する→そこでまたエラーがあるかもしれない(少年野球ではままある)→センターが二塁バックアップに入っておけ」ってことなのでしょう。野球って奥が深いのねと、親のわたしも学んだのでした。(じっさいにプレーをしていた人たちには常識かもしれませんが。)

……と、長々前ふりしましたが、今日のオープン戦の監督コメントを読んでいて、そんなことを思い出したのでした。では3月の試合をかんたんに。

3/1 VS パイレーツ 6-5○ BOX MASN

ブライアン・ロバーツが、相手先発マクドナルドからの先頭弾をふくむ3打数3安打。試合でのHRは2011年4月13日以来。好調をキープしていてうれしいけど、シーズンに入ってからもお願い。

今春初先発のジェイソン・ハメルが2イニングを1安打無失点。

「両ひざとも万全の状態で投げられるのはすごくうれしい。昨年のALDSのときとは大違いだ。下半身の力強さを自分でも感じた」とのこと。昨年のプレーオフでは膝に装具をつけて投げていたので、順調に回復してよかったです。

3/2 VS レイズ 1-4 ● BOX

マチャド以外は控えのラインナップとはいえ、1点に抑え込まれてしまいました。今年もレイズ投手陣に悩まされるのかな。

チェンは2回を、2安打、無四球、無失点。上々の試運転だったもよう。どうやら昨年終盤には膝に痛みがあったらしく、それも今春の実戦が遅れた原因だったようです。記者団もみな初耳だったみたいですが、今は問題ないとのこと。チェンやハメルは、とにかくケガだけ気をつけてほしい。

3/3 VS フィリーズ 12-3 ○ BOX

クリス・ティルマンが2度めの先発。2回2/3、4安打、1四球、3三振、2失点。M・ヤングに2ランを打たれた以外はまあまあだったようです。ただ、各回とも先頭を出してるんですよね。ここらへんが次の課題かな。ヤング、まだ打率は2割台みたいだけど、今季、がんばってほしいな。衰えていないというところを見せてほしいです。

打線ではウィーターズが初回、相手先発のケンドリックから3ラン。一挙7点の5回にも満塁からエンタイトル2ベース。ウィーターズ好調です。シーズンに入ってからもお願い(2度め)。

また、招待選手のコナー・ジャクソンも2HR、4打点。外野、ファースト、DHすべてをこなせる汎用性というのはショウォルター監督好みだな。(マーク・レノルズはDHをきらっていたので、それも再契約を妨げた要因のひとつだったのではと思ったりします。)

【追記】コナー・ジャクソン、地元紙等でフィーチャー記事がいくつか出たのでひとつリンクを貼っておきます。コメント欄で教えていただいたように、2009年には渓谷熱(真菌による肺の感染症)にかかって30試合しかプレーできなかったんですね。その前年に.300/.376/.446という成績を残してこれから!というところで。そのあとチームを転々としますが調子をもどせず、昨年はホワイトソックスで3A暮らし。でもここでコンスタントに試合に出たことでだいぶバッティングをとりもどしたそうです。ノンロースターの選手にとって、スプリングキャンプは全力アピールの場。「今はワールドシリーズの第7戦のような気持ちで取り組んでる」そうです。「キャンプにピークを合わせてもしょうがない」なんて言えるのは、メジャー契約をがっちりつかんでる選手だけなんだなあ。厳しい世界だなとあらためて思います。

なお、アダム・ジョーンズは、今日はもうメンバーに入らず、このあとチームUSAに合流。ここまで1安打と調子は今イチなんだけど、WBC中になんとか上昇気流にのってほしい。ペドロ・ストロープも今日1イニングを無失点に抑えて、チーム・ドミニカに合流します。

◎ケガ人がちらほら。

・バックアップ捕手のテイラー・ティーガーデン:腰痛。ただし、昨年6月までDL入りしたときのような激しい痛みではない、とのこと。

・ニック・マーケイキス:首痛。昨年のライモルドのようなヘルニアとかではなく、おそらく寝違え。でもライモルドも痛みを押して出続けた結果、悪化させて手術になってしまったので、慎重を期して欠場。

・ノーラン・ライモルド:肩痛。そのライモルドも右肩に痛みがあるそうな。手術とは関係ないそうですが、ひとつ痛めるとバランスが変わったり、無意識にかばったりしてほかの所に負担が行くということはあるかも。

・ディラン・バンディ:内転筋痛。こちらも深刻なものではないそうですが、今はムリする時期ではありません。

さて、今日は、ティルマンのあとにミゲル・ゴンザレスが今春初登板し、2イニングを無安打、1四球、2三振、無失点とクリーンに押さえました。昨年は、一度もメジャーのキャンプに呼ばれなかったゴンザレス。実はメジャーキャンプで投げるのは2007年以来なのだそうです。なんつー野球人生でしょうか。

で、ゴンザレスに対するショウォルター監督のコメントが冒頭の前ふりにつながります。

「彼は一球たりともおろそかにしていなかったね。ツーアウトから平凡なライトフライがあがって、セカンドがライトのカバーに回る場面があったが、ミゲルは(オープン戦だからと)そのままベンチに向かったりせず、何かあった場合にそなえてきちんとセカンドベースのカバーに走っていた。そういうプレーには目が行く。『ああ、こいつは、メジャーに残るのが当然だとは思ってないな』と感じるからね。ミゲルは紆余曲折の野球人生をたどってきたから、自分の手でメジャーの座をつかみとろうとしてるんだ」

奥深い野球、こまやかな野球は、つみかさねによって作られるものですが、そのためには、こまやかなプレーをじっと見つめるまなざしがつねに必要なんだなと強く感じます。見つめる目があれば、選手はそれを繰り返すようになるし、自分の頭で考えるようにもなる。いうほどかんたんじゃないけど、でもそれがスタートなんだな、と。

今年もまたこまやかなプレー(by 選手)とコメント(by 監督)でわたしたちをしびれさせてほしいです。