Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

東京ドームにジョナサン・スコープを見にいった(3.11)+4か国語を話すバレンティンのお話

WBCも終わって、いよいよシーズンの開幕も間近ですね。

ことしのWBCは、ツイッターに流れるワールド・ベースボール系の方々の情報や、あちこちにちりばめられたオリオールズの選手たちのおかげで、ずいぶん今までとはちがった楽しみかたができたかなと思います。もちろん侍ジャパンの戦いもしっかり応援していましたが、マチャドに次ぐオリオールズ内野プロスペクトのジョナサン・スコープ(これまでスクープと表記していましたがスコープが正しいと知りました)が参加したオランダがすばらしかったし、アダム・ジョーンズのUSAにも勝ってほしかったし、ペドロ・ストロープのドミニカもすばらしく強くて、しかも楽しそうだった。

なかでもストロープは、めっちゃ調子よかったなあ。決勝戦プエルトリコ必死の反撃でノーアウト一、二塁という場面に出てきて、三振、三振、サードファウルフライ(テハダが倒れ込みながらキャッチ)。昨年終盤、疲れからかちょっと打ち込まれる場面が目立ったのですが、WBCでの投球は支配的のひとことでした。今季の活躍を期待したいです。

ジョナサン・スコープにもワクワクしました。オランダチーム、台湾ラウンドを勝ちぬいて東京に来ることになったので、こりゃあ見るしかないでしょうと3月11日の対キューバ戦を見にいったのですよ。少し古い話になりますが、心覚えにそのときのことを記しておきます。

(この背番号46がスコープ)

内野席はいかにも高価で、日本がらみの試合でないならせめて半額にしてよと思いましたし、そのせいで客の入りが悪かったのは事実。(それでも外野席は6~7割がた入っていたかな。)でも、そんななかやってきたのは物好きな人ばかりだったと見えて(笑)みなさん、観戦態度がすごく熱心でした! 必要最低限に食べたり飲んだりして、あとは席を立つ人も少なく、最後まで熱視線を送っていました。

試合は2点ずつとりあうシーソーゲーム。8回にキューバが2点勝ち越したときには勝負あったかなと思ったのですが、その裏ブレーブスのショート、シモンズの同点2ランが飛び出したときには、数少ない内野のお客さんたちも総立ち。ほんとにしょぼしょぼの人数だけど、ハートは熱かったんですよ。そして9回ウラ、サムズの犠牲フライでオランダがサヨナラ勝ち。オランダチームはまるでワールドシリーズに優勝したかのようなお祭り騒ぎ。いやあ、わたしが生観戦した試合のなかでも、5本の指に入るほどおもしろい試合でした。BOXとハイライトを貼っておきます。

ただひとつの悔いは、試合前にどうでもいい写真をとりすぎてケータイが電池切れになってしまったこと(泣)。そのせいで喜びにわくオランダチームの姿を写真におさめることができませんでした。水をまき、氷をぶっかけ、トンボを切り(背番号96のMark Pawelek投手。かなり長身の選手なのですが、2度も宙返りしてました(笑))……代わりにしっかりまぶたに焼きつけましたぜ。

キューバの初戦では試合を決定づける3ランを打ったジョナサン・スコープ、わたしが見にいった日は1安打でしたが、シモンズとのコンビで華麗なダブルプレーを決めていました。選球眼がよくどんな球もカットできるシモンズに比べると、打撃ではまだちょっとあっさりしているところがあるのかなと思う面もありましたが、やはりとても魅力的な選手です。(それに、かわいい……ミーハーですみません。)

じつは今日(現地3/23)、スコープはマイナーにオプションされたのですが、その前に昨日のレイズ戦で、先発のニーマンからHRを含む3安打3打点をあげてショウォルター監督の目をくぎづけにしました。監督は、「昨年は子ジカのようだったが、だいぶ下半身がしっかりしたね」とコメント。さらに今日も「高めのいい球は逃さないな」とコメントしていました。今季は3Aでショートに入るとのこと。上ではJJハーディーがショート、マチャドがサードという布陣で、ハーディーの契約が切れたらマチャドが本来のショートに入るのか、といろいろ言われておりますが、それはまだもう少し先の話。ショウォルター監督は、複数のポジションをやらせるのが好ききなので、スコープにもいろいろな経験を積ませようとしているのだと思います。

……えーと、ほんとはWBCの話を前ふりとして、今日のオープン戦のチェンの登板について書こうと思っていたのですが、WBCだけで終わってしまいました(^_^;; チェンの話はまた別エントリで。

それと、オランダチームに参加したバレンティンに関しておもしろい記事があったので、そちらもあとから追記したいと思います。(今からちょっと出かけま~す。)

【追記】

先ほどはあわてて書いて外出してしまいましたが、そんなわけで今回はずいぶんオランダチームに肩入れして見てました。そもそもユニフォームがなんかオリオールズっぽくて違和感がなかったんですよね(笑)。もちろんそれだけじゃなく、オランダ本土の選手がメインの投手陣と、キュラソーの選手がメインの野手陣がうまくとけあってひとつのチームになっているのも見ていて楽しかったです。いったい彼らは何語でコミュニケーションしてたんでしょう。やっぱりオランダ語かな?

そんなことを考えていたときに読んだのが、ヤクルトのバレンティンをフィーチャーした「ミスター・WBC」というこちらの記事。

バレンティンは、キュラソーの現地語であるパピアメント語、学校で教わるオランダ語、さらにスペイン語、英語と4か国語を話すのだそうです。パピアメント語は、日本で判定に不服なときまくしたてるのに便利だそうな。英語やスペイン語だと審判に通じてしまう危険があるけど、パピアメント語なら誰にもわからないから。

日本に来てすぐのころは、やはり食べ物で苦労したそう。特に生物が苦手で、マクドでしのいでいたらしいw 今は、アンドルー・ジョーンズに対して日本生活に関する相談に乗っているようです。

ヤクルトでは相川と仲よし。スマホで翻訳して見せ合って会話することもあるけれど、バレンティンが日本語をおぼえ、相川がパピアメント語をおぼえて、片言でやりとりすることもある。「ああ、こいつはほんとうに自分と親しくなりたいと思ってくれてるんだなと感じるよ」

そんなバレンティンにとって、WBCは、所属するすべての世界をひとつに結びつけるイベントでした。とくにチームメートとパピアメント語でやりとりできる経験はほかでは得られないもの。ヤクルトと契約延長を果たし、頭のどこかにはメジャーに戻る夢も持ちつづけているけれど、WBCは「毎年でもやりたいくらい」と心から楽しんでいたようです。キューバ戦で脚を痛めて(この日は試合前のストレッチのときから気にする仕草がありました)、開幕が危ういようですが、しっかり治してからシーズンに臨んでほしいです。

……とまあオランダメインで書きましたが、ドミニカ、プエルトリコという中米諸国のパッションもすごかったし、負けてしまったけどアメリカチームだって、出場した選手はみんな一生懸命だった。アダム・ジョーンズも「次もまたぜひ出場したい」とコメントしていました。さまざま問題のある大会であることは事実ですが、これだけ多くの国々の熱意を見られたのは新鮮でした。今後もまだ制度面で試行錯誤はあるでしょうが、続けていってほしい大会だなと確認できたのはよかったです。