Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

オリオールズ、チェン・ウェインなどなど

オリオールズスプリングトレーニングの成績は17勝7敗。フロリダに拠点を置くグレープフルーツ・リーグのなかではトップです。

しかし、まあ、キャンプの成績ほどあてにならないものもありません。もちろん負けるより勝つほうが気分はいいですが、楽観はべつにしておりません。悲観もしてないけど。のこり1週間を前に、いくつか話題をピックアップしておきます。

◎チェン、フィリーズ戦で3回1/3、8安打7失点(自責6)。

チェン・ウェインはもうローテ入りは確定しています。昨年度チーム1イニング数が多かったことから、STではスロー調整をというチームの方針で、先発は3月2日が最初でした。そのあと3月18日にレイズのマイナーリーグチームを相手に先発して5回5安打、3四死球、1奪三振、3失点。このときは雨降りの悪コンディションで、また初球からブンブン振ってくるマイナーリーガー相手なのでちょっとリズムがつかみにくかったそう。そのあとが昨日のフィリーズ戦でした。

実際に映像で見てないのと、まだ回数自体が少ないのとでなんともいえませんが、体調は悪くなさそう。本人は「調子はよかったけど、うまくタイミングを合わされた。全体的に球が高かった」とコメントしています。

ショウォルター監督、AL東のライバルチーム相手には、ローテの決まっている投手をぜったい投げさせないんですよね。そうはいってもスカウトはどこにだってくるし、ビデオも出まわるから先発隠しの効果のほどは謎なんですが……。下で調整して本番になったら上でぽんと投げるのが好きな投手もいるようですが、マイナーリーガー相手ってホントに意外と投げにくいようなので、あまりこだわらずに上の試合で投げさせたほうがいいんじゃないかという気もします。

◎先発5番手争いがし烈。

ハメル、チェン、ミゲル・ゴンザレス、クリス・ティルマンは確定といわれるローテーション。5番手の座をめぐって、アリエッタ、マタス、ブリトン、スティーブ・ジョンソン、ジェア・ジャージェンスらが激しく争っています。

このうちザック・ブリトンが3/23日に3Aにオプション。キャンプ当初はよかったのですが、そのあとちょっと打ち込まれる試合が続いたのが残念。全体的に安定感を増すことが課題です。(オリオールズの若手はみんなそうなんですけど。)監督からはシンカーに磨きをかけるようにと言われたようです。

そして今日(3/24)のパイレーツ戦では、初回に8点という大量リードをもらいながらマタスが4回9安打5失点。表の攻撃があまりに長かったという同情の余地はあるものの、同じパイレーツ戦で先日アリエッタが6回無失点の投球をしているので、どうでしょうかね。

明日はルール5ドラフトでインディアンズから移籍したT・J・マクファーランドがBOS戦で今春初先発の予定。彼がローテに入ることはないでしょうが、ルール5で獲得した選手は、25人ロスターに入らなければ元のチームに返還しなくてはならないので、ブルペンの1枠を獲得できるかどうかが、全体の構成にもかかわってきそうです。

◎野手のユーティリティ枠も激戦。

実は朝起きてオープン戦で「よく点とったな」と思うときは、たいていBチームのラインアップのときだったりします(^_^;;

とくに外野+一塁+DHという同じようなスキルをたずさえて、ベンチ枠獲得のために乗りこんだ招待選手たちの競争があまりにもし烈。

ルー・フォードが16試合で打率.389、出塁率.450、長打率.639 (3/17のツインズ戦でのタイムリー動画を載せておきます。)

スティーブ・ピアスが21試合で.378/.429/.946 (HR6)

クリス・ディカーソンが21試合で.306/.419/.528 (今日3/24のパイレーツ戦では、初回にグランドスラム。)

コナー・ジャクソンも18試合で.313/.340/.563

トレイヴォン・ロビンソンも9試合で.364/.417/.364と頑張っていたのですが、こちらは今日の試合で牽制で帰塁したとき腰を痛めて退いてしまいました(>_<) 一歩後退か。

ピアスの打撃があまりにすごすぎるんで一歩リードかなとも思うのですが、ここらへんの人たちはみんなスプリングトレーニングに生き残りをかけて、それこそワールドシリーズのように全力でやっているので、シーズンに突入するとぱたっととまってしまうことがあるんですよね。どうしても思い出すのが2011年のジェイク・フォックス。STでHR10本打って開幕メジャーをつかんだのですが、それがあの年のハイライトだった……(遠い目)。結局そのあとメジャーではHR2本、打率も.246で、早晩DFAされたっけ。今年のこの野手組がそうならずに、誰かが不調に陥ったりケガをしたりしたらまた誰かがあがってくるというように、1年間、Depth を保ってくれたらうれしいのですが。

(とはいっても、開幕メジャーをつかめなかった段階でオプトアウトしてほかを探す選手も当然いるだろうな。日本みたいに一軍、二軍の入れ替えが楽ならいいのに。)

◎注目のプロスペクト、バンディはすでにマイナーへ。ゴーズマンは明後日、ツインズ戦に先発予定。

 ディラン・バンディは投球モーションの遅さを指摘され、クイックで投げても球速が落ちたり制球が乱れたりしないようにという具体的な改善目標をもらってオプション。おそらく2Aからのスタートになるものと思われます。ケヴィン・ゴーズマンの評価は今キャンプで急上昇し、バンディより実戦向きという声まであるほど。ローテ枠がふさがっているので開幕メジャーはないでしょうが、首脳陣はぎりぎりまで手元に置いて、能力を見きわめたい意向のようです。

◎ほかのケガ人情報など

・肩を痛めていたノーラン・ライモルドはもう守備にもついています。当たれば飛ぶパワーは健在。問題は1年間健康でいられるかどうか。

・ブライアン・ロバーツも今のところ順調。打撃も357/.413/.524と好調。たのむ、このままいってくれ。(どうしても祈りが入る(^_^;;)

・ニック・マーケイキスは、頸椎の軽いヘルニア

3月初めに首を痛めたマーケイキスは、その後の検査で頸椎の軽いヘルニアと判明。頸椎ヘルニアというと、昨年ライモルドが手術にまで至ったのでどきっとするのですが、さいわい神経を圧迫するような重傷ではなく、もうTバッティングも始めています。開幕には間に合う見こみながら、打数が少ない分をどうおぎなうか。

・脇腹を痛めていたクリス・ティルマンがマイナーの試合で久々に実戦登板。ぶり返しがない限りはDL入りということはないでしょうが、こちらもやはり実戦が少ない部分をどう補うか。

・和田はあいかわらず順調。ブルペンでも投げられるかどうか確認する段階を越えて、コースに投げ分けたりと、より実戦に近い投球練習を始めているとのこと。ただし、シーズンは60日DLで始める公算が高く、その場合、出場はやはり6月からになりそう。

あとはWBCに出場したアダム・ジョーンズの調子があがってないことと、ブルペンのトロイ・パットンあたりが打ち込まれているのが気になるところ。オデイやジム・ジョンソンもいい試合と悪い試合がはっきりしているのですが、まあそこらへんはまだスプリングトレーニングだから……。

かくして、期待と不安が交錯する春季キャンプも残すところ1週間。また直前になったらロスターのことなどお伝えできればと思います。

【追記】

アダム・ジョーンズの調子があがらないと書いたとたん、きのう(現地3/25)のBOS戦で2HR。ツーランの方の動画をのせておきます。

きのうの試合は、オフェンス的には、ほかにもウィーターズのHRや、相手の極端なシフトを見てのウィーターズとクリス・デイヴィスの連続セイフティバント(これには思わず笑ってしまいましたが、デイヴィスは今春けっこう真剣にバントを練習していて、今日のもおみごとでした)など、見どころの多い試合でした。JJハーディーにも決勝3ランが出ています。

ところが、5回にランナーで出たウィルソン・ベテミットが走塁中にころび、右膝の後十字靱帯を痛めて退場(動画)。MRIの結果、全治6~8週間という重傷と判明しました。今春、ベテミットは打率1割台と今ひとつ打てていなかったものの、きのうは2回に3ラン、そのあともタイムリーを放って、ようやく上向きになった直後だったので残念。今のところ手術はしなくてもよさそうですが、膝だけに、前半戦に戻ってこられれば御の字ではないかと。開幕1週間前の大きなケガはほんとにいやです。

左のDHだったベテミットの離脱で、左のユーティリティであるライアン・フラーティーがロスター入りに一歩前進か。

きのう、上でご紹介した外野/一塁/DH陣の運命はいかに?

つい先ほど、ルー・フォードの3Aへのリアサインメント(マイナー契約なので、降格というよりは再配置)が発表されました。

オリオールズロスター、まだまだ流動的です。