Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:20連戦を乗りきる

仕事が立て込んで、3週間更新をお休みしてしまいました。この間オリオールズは、前のエントリに記したレイズ戦から合わせてホームで9連戦、そのあと西海岸に飛んで11連戦というきつい20連戦をどうにか切りぬけて、ホームに戻ってきたところです。

ざっくりと飛ばそうかなとも思ったのですが、記録もかねていちおうカードごとに概略をば。

4/20~21 vs ドジャース 2勝1敗△ シーズン10勝8敗

ホームに珍しい客を迎えての3連戦。19日が雨天順延になり20日のダブルヘッダーに連勝。しかし21日の3戦めはジェイク・アリエッタの乱調で落としてカード2勝1敗。試合後、アリエッタは3Aにオプションされました。

4/22~24 vs ブルージェイズ 2勝1敗△ シーズン12勝9敗

今季大きな期待を集めながら苦戦中のジェイズと初対戦。

2-1、4ー3、5-6とすべて1点差。ジェイズとはやっぱり接戦になっちゃうのね。初戦はマーケイキスのサヨナラ打、2戦めは、昨年1安打完封されたR.A.ディッキーから4点を奪っての勝利。3戦めは、アリエッタとの入れ替えでコールアップされたスティンソンが4HRを浴びてKO。一度は追いついたものの、延長11回の表に、なんとクローザーのジム・ジョンソンが押し出し四球をあたえて敗戦、といういや~な負け方でした。

そしてどちらかといえば苦手な西のチームと対戦しにカリフォルニアへ……。

4/25~28 vs @アスレチックス 3勝1敗△ シーズン15勝10敗

いやな負け方のあと移動して、苦手の、そして今季も好調のA'sと4連戦。きついなあと思ったら初戦は全員安打で10-2の大勝ち。前の試合をひきずらないというのが昨年あたりからオリオールズの特徴になりつつあります。

2戦めは、チェンが8回2安打無失点、2四球、5奪三振(106球)のみごとなピッチングで3-0の完封勝利。チェンは今季2勝めで、8回を投げきったのはメジャーに来てから初。これまでの最長イニングは昨年5月10日のテキサス戦での7回2/3でした。

そして第3戦もティルマンの6回2失点の好投と打線の働きで7-3と勝利したあと、第4戦はエラーでサヨナラ負けというまたしてもいやな敗戦。なんなんでしょう、このパターン。

4/29~5/1 vs @マリナーズ 1勝2敗▼ シーズン16勝12敗

キングとも岩隈ともあたらないよ、よかったね、なんて甘いことを言ってたら負け越し。初戦は昨年終盤にオリオールズに加入し、ワンデープレーオフダルビッシュに投げ勝って、チームをALDSに導いてくれたソーンダースに抑えられての敗戦。こりゃあ、恩返しですな。3戦めはこのあいだあんなにすばらしかったチェンがめった打ちにあい、今季ゼロ勝のハラングに初勝利をプレゼントしてしまいました。連戦の疲れが出ましたかねえ。

5/2~5/5 vs @エンジェルス 3勝1敗△ シーズン19勝13敗

エンジェルスはオリオールズにとっては大の苦手チーム。しかも、いくら絶不調とはいえ、昨年オリオールズ戦で1試合4HRをやってのけたハミルトンもいる。どうなることやらと思っていたら、しっかり勝ち越しで連戦を締めくくりました。

初戦はティルマンがチェンにつづく8回無失点のおみごとなピッチング。2戦めはマリナーズから移籍のバルガスにゼロ封されましたが(そのためマリナーズに3敗した気分)、3戦めはシーソーゲームの末、延長10回、スティーブ・ピアスの勝ち越し打でしぶとく勝利。第4戦はハメルが不安定なピッチングながら、ハーディーの5号ツーラン、マチャドの5号勝ち越しHRなどで勝利。

マニー・マチャドはすばらしいです。守備もすばらしいですが、今年は打撃でもチームの軸になっています。この1週間でESPNやFangraphsその他メジャーどころにつぎつぎとフィーチャー記事が出ましたが、ほんとうにハーパーやトラウトとならぶ若きスターの仲間入りをしつつあります。

なお、この4連戦の第2戦でクリス・ディヴィスがゴロを打って一塁ベースにかけこんだとき、右膝をぐぎっとやって途中交代し、だれもが真っ青になるひと幕がありました。でも幸い骨や靱帯に異常はなく、1試合欠場しただけですぐに復帰しました。欠場中にサブで入ったスティーブ・ピアスがさっそく活躍したんで休んでいられなかったんでしょう(^_^;;

これにて20連戦が無事終了。13勝7敗というりっぱな成績です。そして1日の休みをはさんでホームでロイヤルズと3連戦。

5/7~5/9 vs ロイヤルズ 2勝1敗 △ シーズン21勝14敗

初戦はチェンが6回1/3、2失点の好投。勝ち投手の権利を持ったままランナーをひとり残して降りましたが、これまでひきついだ走者をひとりも生還させたことのなかったマタスが2ランを打たれて同点に(>_<) それでも最後はウィーターズの、ファウルライン上にきわどく落ちるタイムリーで勝ち越し、そのまま勝利しました。チェンは、勝ちはつかなかったけど、納得のピッチング。

昨日の第2戦は、今季ここまで11盗塁と走りまくっているネイト・マクラウスと、マニー・マチャドの走塁をきっかけに、ロイヤルズ内野陣にミスが続出して5-3と勝利。これまでさんざん相手にやられていた野球を自分たちもできるようになったのね。うるうる。なお、この試合2点差の9回を締めて13セーブめを挙げたジム・ジョンソンは、これで昨年から34機会連続セーブとなり、ランディ・マイヤーズの持つチーム記録にならびました。

そして今日の第3戦は、弱いオリオールズのエースとして5年間休みなく投げ続け、昨年2月にトレードされたジェレミー・ガスリーとの初対戦。2対6でころっと負けました。ソーンダースといい、オリオールズは元チームメートにやさしいなあ(^_^;;

ガスリーは、最初のトレード先、ロッキーズでは自転車から落ちてDL入りしたりしてダメだったんですが、そのあと夏にトレードされたロッキーズ(ロイヤルズですね。すみません。コメント欄で教えていただきました。)で花開きまして、なんと昨年8月8日以来、先発試合で負けなし(!)。その間の成績は10勝0敗。今季も5勝0敗、ERA2.28という、さぞや名のある大投手、のような働きぶりなのですよ(驚)。いやあ、何がどうころぶかわからないもんですなあ。でもガスリーはなにより体が丈夫だし、球もそこそこ速いし、これでもう少し制球がよければといつも思っていたのがずいぶんよくなったみたいで、けっして不思議な成績ってわけじゃありません。なにより、ホントにナイスガイなので(だから、知り合いか?)今まで2流投手扱いしていた評論家諸氏をあっと驚かせるような好成績を残し続けてもらいたいものです。

ふう~、やっと追いついた(笑)。このあとオリオールズは、明日からミネソタに飛んで、ボストンとのカードを勝ち越した好調のツインズと3連戦です。まったく、手ごわい相手ばっかりだ。

その他の話題を。

◎テイラー・ティーガーデンが親指脱臼で離脱。エンジェルスからトレードでクリス・スナイダーを獲得(4/28)。交換相手は左腕 Rob Delaney。

ショウォルター監督はティーガーデンの守備とリードを大変高く評価していますので、第2捕手である彼の離脱は痛く、40人ロスターに載っていたルイス・エクスポジートをとりあえず昇格させたもののの、すぐにDFAしてスナイダーを獲得しました。そのまますぐデーゲームに先発となったのですが、盗塁を刺すなど、さっそくアピールしてショウォルター監督からもお褒めの言葉をもらってました。

◎先発5番手の入れ替え続く。

アリエッタをオプション後、スティンソンが昇格するも1試合でダウン、そのあとザック・ブリトンが投げましたがこちらもぱっとせず1試合で降格。そのあと昇格したのがマリナーズ戦で好投し、今日2度めの先発をしたフレディ・ガルシア。ベテランらしく遅い球を制球よくきめて、エンジェルス戦では6回までノーヒッターでしたが、そのあとHRを打たれて勝敗つかず。魔法がとけるととたんに打たれ出すというのが悩みですかね。

◎ミゲル・ゴンザレスが親指のマメでDLへ。土曜日の先発はスティーブ・ジョンソン。

やっぱりピッチャーっていくらいても多すぎるということはないんですよね(^_^;; これで3Aのリザーブもあとはジェア・ジャージェンスぐらいになってきました(苦笑)。

◎ブライアン・ロバーツ、ハムストリングを手術。

右膝裏の腱を断裂して、手術せずに治癒をめざしていましたが、回復が思わしくなく、結局再検査のすえ、今日手術を受けました。ここからさらに6週間の回復期間が必要とのこと。

昨年、レイズのロンゴリアが受けた手術と同様のものだそうで、連絡をとりあって医師を紹介してもらったりしたそうです。ありがとう、ロンゴリア。  

◎ケヴィン・ゴーズマン、2Aで順調に成育中。

まだいい試合と悪い試合があったりするのですが、コンスタントに90マイル後半が出るファストボールと、32三振に対して四球1、K/BB、32という、上原浩治もびっくりの(?)制球力が注目を集めています。今季中の昇格はあるでしょうか?

◎ディラン・バンディは右ひじ痛の静養中。

いっぽう、トッププロスペクトのバンディは、春先に感じた右ひじの違和感が解消せず、ジェームズ・アンドリューズ医師に再検査してもらって、PRP(高血小板血漿)の注射を受けました。6週間の静養。MRIでは目立った損傷は見つかっておらず、手術などは不要なようですが、そのわりに痛みがひかないのが悩ましいところ。やはり小さいころからのオーバーユースが背景にあるのでしょう。PRPは昨年、ザック・ブリトンも受けた治療法で、自己血を使うので副作用が少ない反面、効き目はゆるやかでさほど即効性はないとも言われます。しかしまだ20歳になったばかり。あせる必要はぜんぜんありません。じれったいでしょうがしっかり治して、痛みなく全力で投げられる体をとりもどしてほしいです。

ショウォルター監督は、バンディやロバーツにこまめに電話を入れて、バンディには「こっそり抜けだして投げているんじゃないだろうね」なんて冗談混じりにあせらなくてもよいことを伝え、またロバーツには「必ず今季戻ってこられるから大丈夫」と励ましています。なにしろまだ5月になったばかりですからね。

先は長いです。Go, Birds!!

【追記】書こうと思っていて忘れたネタをひとつと、和田さんの最新情報を。

◎ザック・クラーク、ナックルボーラーに転身。

ザック・クラークは2006年、オリオールズドラフト外入団。なんでも地元出身で、大学の駐車場で立ったまま契約書にサインしたのだとか。それから8年間コツコツと下積みを続け、今オフ初の40人ロスター登録。4月29日のシアトル戦で初のメジャー昇格。試合前のセーフコフィールドで「夢じゃないんだ」と大感激したのでした(ツイート)。登板のチャンスが巡ってきたのはこの5月1日のシアトル戦。チェン乱調のあとを受けて登板したものの1 2/3回で3安打2死球3失点というほろ苦デビューに。しかもこのあとすぐDFAされ(40人ロスターからはずされ)ふたたびマイナーへ。

あらら残念、さぞがっかりしてるだろうなと思っていたら、その5日後、驚きのツイートが。なんとデュケットGMとショウォルター監督の勧めによって、ナックルボーラーへの転身をはかることにしたのだそうです。バック・ショウォルターは現代のナックルボーラー・メーカーなのか?(笑) そう簡単にできることではないと思いますが、本人が前向きみたいだし、監督もきっとそういう前向きで粘り強い性格を見こんで声をかけたのでしょう。すでに殿堂入りナックルボーラーフィル・ニークロ氏から指導を受けたりしている模様。がんばってもらいたいです。

和田毅、順調に調整中。

5/10日サラソタでの練習試合に登板。7回無安打、無四球、10奪三振(2死球)でした。次回からいよいよマイナーリーグでの実戦登板に入ります。ヒジの状態がいいことがうかがえて、非常に楽しみ。オリオールズの先発陣もいいような悪いようなというぎりぎりの状態で踏みとどまっているところなので、大きな戦力になることは間違いありません。6月のメジャー復帰が楽しみです。