Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

ワイルド、ワイルド、オリオールズ:逆転、完封、Walk-Off! 5/27-31

クリス・デイヴィスとミゲル・カブレラが、打撃成績のあちこちの部門でで追いつ追われつの争いをくりひろげています。打率:カブレラOPS:デイヴィス、安打数:カブレラ(ただしこちらはマチャドがカブレラに迫ってます)、HR:デイヴィス、RBIカブレラ……みたいな。(そのあいまで、二塁打数でマニー・マチャドがトップをはってます。)日々移り変わるくわしい数字についてはこちらをごらんください。(地味にすごいのは得点(runs scored)ですね。10位以内にデイヴィス、ジョーンズ、マチャド、マクラウスと4人もランクインしてます。)

そんなわけで、メジャー指折りの強力打戦対決(!)と銘打たれたオリオールズvsタイガース戦、初戦はまさしくそんな展開になりました。

でもそこへ行く前に、ムネリンにサヨナラを食らったあとのナショナルズとの交流戦、「ベルトウェイ・シリーズ」から。

5/27 vs @ナショナルズ 6-2 ○ 勝:ハメル

前日、ジム・ジョンソンが3点差をひっくりかえされ、最後はムネリンにしとめられるというつらい試合のあと、よく勝ちました。ジェイソン・ハメルが今季最長イニングの8回2失点。前回登板からよくなってきたかも? 

ハメルは前日のサヨナラ負けのあとの勝利について「162試合は長い。たとえつらい負け方をしてもひきずらずに、翌日は新しい気持ちで試合に向かわないとね。うちのチームはみんなそういうタイプだから」と頼もしいコメント。自分のピッチングについては、ファストボールの制球がよくなってきたのが鍵、としていました。登板間のブルペン投球でもファストボールを中心に投げ込んでいたようです。

5/28 vs @ナショナルズ3-9 ● 敗:ゴーズマン(0-2)

ナショナルズのネイト・カーンズも2Aからコールアップされてこの日がメジャー初登板。ルーキー対決になりました。しかしゴーズマンがムーア、バーナディーナ、ラロシェと3HR6点を許して敗戦。初回に先制パンチをくらったあと、2回、3回は簡単に相手をしりぞけたのですが、4回表にこちらがデイヴィス、ハーディーの2HRで追いついたあと、そのウラに崩れたのがもったいなかった。点をとってもらったあとを押さえる、というもうひとつの課題ができました。

それにしてもゴーズマン、大谷くんなどもそうなのですが、しなやかな腕のふりでナチュラルな速球をくりだすさまは、見ていてほんとうにほれぼれします。力んでひっかけてとんでもないボール球が続く、ということもあまりありません。ただこまかい制球はまだないので、投手有利のカウントから真ん中に投げてドカンと持っていかれるもったいないシーンが目立ちました。

それでも見ていて楽しい投手であることは間違いなし。根本的な自信も持ちあわせているようだし、なにか揺るぎない大物感があるので、今季中かどうかはわからないけど、かならずモノになるでしょう。つぎの登板も期待してるぜよ。

5/29 vs ナショナルズ 9-6 ○ 勝:スティーブ・ジョンソン(1-1) S:ジム・ジョンソン(16)

 打撃不振でマイナー落ちしていたライアン・フラーティーがメジャー復帰。さっそく先発し、2安打で起用に応えました。入れ替わりにヤマイコ・ナヴァロがオプション。ナヴァロはバッティングでは活躍していましたが、守備がかなり心もとなかった。ポジショニングのせいか、「ゴロだろう」と思われる打球が抜けたり、身のこなしがゆるすぎてダブルプレーをとれなかったり。やはりショウォルター監督は見のがしませんでした。

実は今季ここまでオリオールズはエラーがメジャー最少なんです(5月末までで19個)。守備率はSTLに次いで2位タイ。先シーズンは、マチャド&マクラウスが加わるまでエラー最多の時期がありましたから、劇的な向上です。昨年、守備面ではかなりあやしかったデイヴィスもここまで非常にいいディフェンスを見せています。スプリングトレーニングでもバッティングよりむしろ守備を磨きたいという話ばかりしていましたからね。なので、今、デイヴィスの打撃が注目されて、その手の話が毎日のように振られるようになっても、ショウォルター監督は、彼の守備がいかにすばらしいかという話ばかりします(たぶん打撃をほめすぎて調子を落とさせたくないのだと思います。けっこう迷信家なんですよね、ショウォルター監督w)。

さて、試合のほうは、クリス・ティルマンがライアン・ジマーマンの3HRなどで4回2/3、6失点を喫する苦しい展開。しかも相手先発は8勝をあげ、ここまでERA1.7のジョーダン・ジマーマン。でもオリオールズは、ティルマンのあとを受けたスティーブ・ジョンソンとトミー・ハンターが6~8回をクリーンに押さえたのが大きかった。試合が落ちつきさえすれば、点を取りはじめるオリオールズの打撃陣。4回にデイヴィスの18号、6回にマーケイキスの6号でちびちび点を返すと、7回ウラにはスティーブ・ピアスの2ランで1点差と追いあげ、マチャドのタイムリーで同点(ここまでジマーマン)、さらに代わったクリッパードからマーケイキスのタイムリーで勝ち越し、最後はデイヴィスの19号2ランでとどめ、という一挙6点の猛攻でした。4HRをまとめた映像をどうぞ。 最後はジム・ジョンソンが、トレイシー、スズキ、エスピノーザをきれいに打ち取って三者凡退。本人も制球に手ごたえを感じたようです。今季は各チームでクローザーが苦戦していて、この前日にはリベラの今季初のセーブ失敗もあったんですよね。そういう試合のあとも、自分を信じて、必要な微調整を積み重ねていく。けっきょくこれしか解決法はありません。それにしても両軍合わせて8本のHRが乱れ飛ぶワイルドな試合でした。

5/30 vsナショナルズ ○ 2-0 勝:ガルシア(2-2) S:ジョンソン(17)

激烈な打撃戦のあとは思いがけない(といっては失礼だけど)投手戦。ガルシアが2009年9月20日以来という8回を投げ、みごとな無失点投球。先発陣の苦しいオリオールズにとっては、ほんとうに大きい投球です。ナショナルズのハレンもみごとなピッチングでしたが、オリオールズがマーケイキスとマチャドのタイムリーで3回、8回にシブく得点。9回はジョンソンがスパン、バーナディーナ、ジマーマンというナショナルズ中軸を3人で抑えました。みごとです。ガルシアに対するショウォルター監督のコメントがまたよかった。一部だけご紹介。

「ゴーズマンがガルシアの投球を熱心に見つめていた。いい勉強だね。ガルシアは自分を知っている。自分をよく知るまでには時間がかかるものだ。そのあいだに投球スタイルも変わるしね。シアトルで93-35マイル出していたころも知っているが、今日は見ていて楽しかった」

"It was fun to watch."はショウォルター監督の最大級のほめ言葉。ガルシアを見ながらゴーズマンを気にしてるのもさすがです。

それと、さっき話題に出したので、デイヴィスのナイスプレーにもリンクを貼っておきましょう。あとマーケイキスのダイビングキャッチと。投球がいいと、守備も乗ってきますよね。

なお、今年も満員の観客で盛りあがったベルトウェイシリーズでしたが、4戦ともブライス・ハーパーが膝を痛めて欠場したのが残念でした。フェンスに激突したり、強烈なヘッドスライディングをかましたりと、手加減のないプレーが魅力だし、本人も常に全力でと宣言しているので、多少痛めてもこのプレースタイルが変わることはないのでしょうが、長期欠場するようなケガだけはしないでほしいと願っています。

5/31 vs タイガース 7-5 ○ 勝:オデイ(3-0)

冒頭に紹介したようにデイヴィスとミゲル・カブレラがクローズアップされたこのカード初戦。カブレラが期待にたがわずミゲル・ゴンザレスから初回に2ランを放つなど2安打1四球。打ち取るのが容易じゃありません。

このあとアダム・ジョーンズのバックスクリーンに打ち込む特大2ランでいったんは逆転したものの、ガルシアのタイムリーとHRなどであっという間に再逆転されて3-5。タイガース先発のシャーザは8回119球で降板、マウンドにはバルベルデがあがります。

するとシャーザに抑えこまれていたオリオールズ打線が一気にお目ざめ。まずはマーケイキスの7号ソロで4-5と1点差にすると、ジョーンズとデイヴィスがヒットで続いて無死一、三塁。しかし続くウィーターズ、ハーディが打ち取られて2アウトに。このままついえてしまうのか……? するとここで今日ひさしぶりにスタメンに入ったディカーソンが2ボール1ストライクから甘く入ったファストボールを思いっきり振り抜き、ライトへ逆転サヨナラ3ラン! いや~、しびれる試合でした。おみごとです。ディカーソンは、手首を痛めていたこともあってしばらく試合から遠ざかっていましたが、試合前にはこつこつと打撃練習を重ねていたそうで、ショウォルター監督はその努力をたたえていました。

あいかわらず先発陣には問題のあるオリオールズですが、このあきらめない姿勢、チームとしての一体感はすごい。今日は46,249人という満員札止めの観客も最後まですごい盛りあがりで、バルベルデにプレッシャーを与えてました。昨年のプレーオフのときのような生き生きしたカムデンヤーズを見ると、ほんとに胸が熱くなります。