Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原:セーブ1・サヨナラ勝利2

クローザーになってからフル回転の上原。ファレル監督は、あくまでもベイリーに調子をとりもどしてもらって、上原は7回、8回に戻したいと考えているようですが、今それをやったらBOSファンから大ブーイングが巻きおこるでしょう(^_^;;(もちろん、今ってことじゃなく、時期を見て、ということだと思いますが。)

3連続セーブのあとの3試合を振り返ります。

3連投のあと1日投げずに、つぎがデーゲームでした。

この日6/30(日)は、試合前からちょいとお疲れモードだったんですよね。無理もないことですが。

そして試合はまたもタイトな展開。4-3と1点リードでクローザーにバトンがわたりました。

6/30 BOS 5 - TOR 4 勝:上原(1-0) 

朝起きて、スコアをチェックして、真っ先に "W:Uehara"(勝:上原) というのを見たときの「うっ……」という感じ、おわかりいただけるでしょうか。クローザーはこういうところがつらいんですよね。同点で登板して、その裏に……ならいいんだけど、と思いつつスコアを見るとやはり被弾で追いつかれていました。

1 レイエスに2-2から5球めの高めのスプリットをたたかれレフトに鋭い打球。二塁打になろうかというところ、ビクトリーノがチャージして捕球してくれました(動画)。それにしてもフェンウェイって、ほんとに変な形の球場だわ。このプレーを真上からとらえたすごいGifがこちら。こうやって見ると、ふたつの導線の交わる鋭角の頂点でボールをはっしとつかまえていることがわかります。

ビクトリーノはこのあとサヨナラの打者になるんですよね。

(でもってこのあいだ上原のハイファイブでぴしゃりとはたかれた人でもあり。いろいろおもしろいw)

2 好調のバティスタに2球め、高めのぬけたスプリットをひっぱたかれ、グリーンモンスター越えの19号ソロ。同点。(動画)。打たれた瞬間にわかる打球。好調な打者のときほど、絶好球がいってしまうということはあるものです……。なお、上原にとってこれがメジャー通算32本めの被本塁打。今季は5本め。前回は5月29日のフィリーズ戦なのでちょうどひと月ぶりです。

3 エンカルナシオンに2球め、ファストボールをセンター前ヒット。(また右手出してる。あぶない(>_<))スプリットを打たれ、ファストボールも打たれ、と苦しい状況。よくここから立てなおしたな-。

【この部分は6/30の試合の直後に下書きしていたのですが、あとから7/6付け東スポを見たら、人差し指と中指にあたっていたとのこと。びっくり。数日間しびれが残っていたようです(>_<)】

4 ジョシュ・トールを8球め、スプリットで空振り三振! ねばられて、ねばられて、フルカウントからの三振。ねばり勝ち。こういうところが上原の強さなんだと思います。

【直前に打球をあてていたことを考えると、よけいすごいです。】

5 ラジャイ・デイヴィスを2球め、カットボールで弱いセカンドライナーに。ブログで本人も自賛の球でした。

ブログ 動画(Gao)

このあとレッドソックスは、先日コールアップされてこの日初スタメンだったブランドン・スナイダーのヒットを足がかりに、シェーン・ビクトリーノのファーストゴロを、先ほど上原から三振したトールがトンネルして、四球で進塁していた二塁ランナーが生還。Walk-offとなりました。

ビクトリーノのもとへ真っ先に駆けつけたのが、上原。

そしてこちらの写真ではなぜかパピのお尻をつかんでます(笑)。

先発、デンプスターの勝ちを消してしまったのはくやしいでしょうが、HRのあとを粘って抑えたからこその勝利でした。

ところでサヨナラのきっかけをつくったブランドン・スナイダー(このあとのSD戦でも活躍したようです)は、上原とこの5年間、同じ球団(傘下含む)で開幕を迎えています。もともとオリオールズの2005年ドラフト1巡め。そのあと12年1月にレンジャーズに金銭トレードされ、今春開幕前にはレンジャーズからリリースされてBOSがピックアップ。今回のコールアップとなりました。

ほら、特に意識してなかったのに、クラス替えのたびにいっしょになってなんとなく顔なじみになる子とかいません? あんな感じかな。(と思っていたら、ちょっとおもしろい記事を見つけたので、あとで紹介します。)

ところで現地7/2付けの〈ボストン・グローブ〉紙に"Koji Uehara embracing role as Red Sox closer"というフィーチャー記事が出ました。いちおうリンクを貼っておきますが、有料記事なので会員登録(4週間99c)しないと読めません。なので、ぜんぶご紹介するというわけにもいかないのですが、かいつまんで言えば、上原はクローザーという役割を、特別に緊張することもなく、ひるむこともなく、落ちついて受けとめている。体の声をききながら、ファレル監督にもはっきりと自分の状態を伝え、うまくコミュニケーションをとっている、というようなこと。

上原に対する選手たちのコメントがおもしろかったのでいくつかご紹介。

ペドロイア:「開幕からずっとすごい。ストライクを投げるし、スプリットは打てない。ファストボールもキビシイ球だ。球筋が見にくい。すばらしい投手だよ」

ベイリー:「見ていて楽しいね。すごい。いつ呼ばれても準備ができてる。まるでビデオゲームみたいにスパスパ打ち取っていくからね。すばらしいよ」

……って、ベイリー、感心してる場合じゃないと思うんだけど(^_^;;

1日試合のないオフをはさんで次の試合は、正真正銘のセーブ。

7/2 vsパドレス 4-1 S:上原(5)

先発ラッキーのあとを受けて3点差の9回に登板。三者凡退に抑えました。

1 ブランクスを7球め、スプリットで空振り三振! ファウルで3球粘られましたが、根負けしませんでした。

2 グスマンを2球め、スプリットでショートフライ。

3 ハンドレイを4球め、スプリットで空振り三振! 初球だけファストボール、あとはスプリット。最後、スタンディングオベーションのなかでのハイタッチ。気持ちいいだろうな。

動画(Gao) 動画(mlb.com)(ハイファイブ中心w) ブログ

そして翌日はまたまた連投。クローザーの登場場面、多すぎでしょ。それだけチームが勝ってるってことですね(>_<)

7/3 vsパドレス 2-1 勝:上原(2-0)

この日は、同点の9回に登板しての勝ち投手です。

1 チェイス・ヘドリーを5球め、スプリットで二ゴロに。

2 ブランクスを4球め、スプリットで投ゴロ。止めたバットでした。全球スプリット勝負。

3 グスマンには一転、直球勝負。しかしフルカウントから歩かせる。

4 ヤスマニ・グランダルを2球め、スプリットで浅いセンターフライに。

動画  ブログ

するとこの裏、先頭のゴームズが代打サヨナラHR。上原に2勝めがつきました。動画を見ると、ホームベース前でゴームズを待ちかまえ、みんなといっしょにヒーローをもみくちゃにする上原のすがたが。チームの中心として思いっきり輝いてるなあという感慨があります。

ここにきて、セーブだけじゃなく立て続けに勝ち投手にもなっていますが、なんというか、渡米以来薄かった勝ち運が今ごろまとめてやってきたのかなという感じ。レンジャーズでも1年半で1勝しかしていないんですよね。この日のように、表を抑えて、裏に勝ち越せばというチャンスは多々あったのに。ほら、運は平均化するといいますから(聴きかじり~w)今季、セーブとともに勝ち星がつみあがってもふしぎじゃありませんぜ。

ではその他の上原関連の話題を。

◎オールスター

明日(現地7/6)ファン投票選出選手が発表になりますが、投手とほかの監督推薦もいっしょに発表されるのでしたっけ。HPを見てもよくわからない(^_^;; ともあれ、ファレル監督は、ア・リーグを率いるリーランド監督から問い合わせを受けたとき、ナヴァと上原を推薦したとのこと(ソース)。現在ア・リーグ首位のボストンですから、リーランドさんも尊重するのでは……? うちのジョンソンはセーブ数は多いけど今年はたぶん選ばれないし。上原自身はゴルフに行く予定のようですが、さあどうなるか。

◎スナイダーは食事友だち

さきほども触れたように、最近昇格してこのところ活躍しているブランドン・スナイダーは、上原が最初に渡米したオリオールズ時代から、ずっと同じ年に同じフランチャイズにいる唯一の選手です。といっても控えの内野手であまり接点はないので、オリオールズ時代はあまり話すこともなかったようですが、レンジャーズ時代の昨年、日本食好きのスナイダーがさそってよく一緒に食事にいくようになったのだとか。

「シアトルに行くと必ず、ぼくのほうから『行くよ』と声をかけていっしょに食べに行ってた」

スナイダーは納豆が好きなんだそう(!)

「発酵させた大豆で、くさい足みたいな匂いがして、茶色っぽくてねばねば糸をひく食べ物だよ。コウジは食べないけど、ぼくは好きなんだ。そのことをすごくおもしろがってるみたいだ」

そのスナイダーも、上原がここまで明るいのは初めて見たそうです。

「一種のカミングアウトなのかもね。もちろんコウジはずっとチーム第一の選手で、いつでもチームメートの輪の中にいたけど、ここまではじけてはいなかったよ。ハイファイブもやるにはやっていたけど、もっとひかえめでこんなに全開じゃなかった。自分がポータケット(3A)にいたとき、TVでコウジがみんなをハイファイブでなぎたおしてるのをみて、うわあ、いったいどうしちゃったんだ、と思ったよ」(ソース)

スナイダーは誰かとの入れ替えで(うはは、すみません、BOSのチーム事情ちゃんとフォローしてなくて)昇格してきたので、またいずれ落とされてしまうかもしれないけど、今、チームは西海岸遠征中ですから、おいしい日本食を食べられそうですね(^-^)

GetSports

今年の5月でしたかに放送されたGetSportsの上原特集の動画があがっていました。地域の関係でごらんになれなかったかたはぜひどうぞ(さっさと削除されてしまうことがあるので、リンクが切れたらごめんなさい)。K/BB のすごさに焦点をしぼり、上原の89マイル前後のファストボールがなぜ打ちにくいのかを捕手サルタラマッキア(な・ぜ・か「サンタラマッキア」と表記&発音されてましたが)やTEXのアンドルースに取材。そしてなぜ四球を出さないのかを上原本人に取材した(「もったいないから」)好編です。

ボルチモアに来てすぐの映像だと思うけど、メジャーで投げることの楽しさを「娯楽?」と表現した上原に爆笑しつつ、あらためて深くうなずきました。

楽しむ、とか娯楽、とかいうと、日本人はすぐ「高い給料もらってるんだからまじめにやれ」となりますが、楽しむこととまじめにやることは二律背反ではありません。それどころか、究極に楽しむためには究極にまじめにやるしかないのです。上原はとことん楽しむために、節制し、毎日のケアをかかさず、闘志を全開にして突っ走っているわけです。いいシーズンを続けてほしいです。