Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:オールスターとウルティア昇格など

待ちわびていたはずのオールスター・ブレイクもあっという間に終わり、後半戦の最初のカードが終了しました。早い、早すぎる……。

(えー、埼玉県民にとっては「うまい、うますぎる」という「十万石まんじゅう」のCMがおなじみですが、最近、テレ玉高校野球速報のCMでそれをパクってるんですよね。ちょっと笑いました。)

そんなわけで、今さらではありますが、オールスターの話題をさらりと。オリオールズにとってはなかなか晴れがましい夢の球宴でした。

まず、オールスター前のトロント戦では、ファン投票選出組のジョーンズ、デイヴィス、JJハーディーが絶好調。7/12の初戦で3人がHRそろい踏みすると、翌13日にも、負けはしたものの、デイヴィス(36号)、ジョーンズ(18号)がそろってHR、そして14日の休暇前最終戦でもデイヴィス(37)、ジョーンズ(19)と2本のHRがとびだし、ハーディーにもタイムリーヒット、と最高の形で前半戦を締めくくりました。

オールスターには、この3人がファン投票で選出されて先発出場。さらにマニー・マチャドが監督推薦、と4人はあらかじめ決まっていたのですが、二日前になって、前半戦最後の試合に登板したバーランダーの補充としてクリス・ティルマンも選出されました。ショウォルター監督のもとへは、「雨でバーランダーの登板が流れることがなければ」という条件つきで打診がきたそうで、「デトロイトの天気をあんなに気にしたことはなかった」とあとからコメントしていました(^-^) オリオールズもカムデンヤーズでの試合だったので、トロントとの第3戦の前に出場者がファンに紹介されたのですが、ティルマン本人にはその直前に知らされて、そのままセレモニーとなったようです。

勝ち星では11勝のティルマンが上回るとはいえ、黒田の方が防御率が1点近く上なので、NYと日本を中心に、「なんで黒田じゃなくてティルマンなんだ!」と怒りの声があがったのも事実ですが、どっちにころぶかわからないぎりぎりの補充ですし、試合では延長にでもならないかぎりは投げないだろうから、若手のほうが声をかけやすかったのかもな、と想像したりもします。それに! あーだこーだいわれはしても、あのティルマンが……不安定の権化みたいな投手だったあのティルマンが、補充選手とはいえオールスターから声がかかるまでに成長したなんて、よく大きくなったもんですよ(さめざめ(T_T))。

そんなわけで、オリオールズからは、しめて5選手が出場。これはチームとしては1997年以来のことで、当時の出場選手はリプケン、アロマー、ブレイディ・アンダーソン、ムシーナ、ランディ・マイヤーズでした。先発に3選手が選ばれたのもこの年以来だそうです。

今年の出場選手5人のうち4人までが、トレードでやってきた選手であることも話題になりました。ジョーンズとティルマンはベダードとのトレードで、デイヴィスは上原とのトレードで、そしてハーディーはこちらから誰を出したか思いだせないトレードでオリオールズにきて、それぞれに花開いたわけです。

Thanks, Andy Mcphail.

記者会見で、ショウォルター監督も「マチャド以外、みなトレードで来た選手ですね」と水を向けられ、「マチャドもある意味トレードだよ。前年のシーズンとひきかえに(traded the previous season)、彼をドラフトできたんだから」と大胆な発言をしていました(笑)。うん、そうとも言える。

クリス・デイヴィスはHR競争に出場しました。いちおう第1ラウンドでは8本打って第2ラウンド進出を果たしましたが、てのひらのマメをつぶしてしまい、決勝には進めず。でもなんといっても今年はセスペデスの第1ラウンド17本というのが光りました。"steal the show"(主役を食う)という言いまわしがありますが、まさしくそれ。あぜんとして見とれた花火大会でした。(そういえば去年東京ドームで、セスペデスのメジャー初HRを見たのだっけ。セスペデス、後半戦に入って、手首を痛めたようだけど、まさかHR競争のせいじゃありませんよね……。)

本番の試合のほうはリベラのMVPで幕を閉じましたが、デイヴィスも先制のチャンスを広げるヒットを打ちましたし、ジョーンズが二塁打でチャンスを作れば、ハーディが地味にセカンドゴロでそれを帰して打点1。みんなそれなりにしっかり見どころを作ってくれたので、余は満足、でした。

そしてなんといっても7回に飛び出したマチャドのこのプレー。

ゴールドシュミットにはごめんなさいですが、なんべん見ても飽きません。だれか今シーズン終わったら、マチャドのスーパープレー集作ってくれないかな。

さて、そんな夢の球宴も終わり、2日間の短い休みの間に、オリオールズはまた、ささやかながら驚きのムーブを見せました。

◎レフト/DHのノーラン・ライモルドがDL入り。ハム痛から復帰して間もないのですが、足が悪化したのではなく、昨年手術した頸椎の状態が思わしくなく、また腕にしびれが出てきてしまったとのこと。復帰を急ぎすぎたのが原因だそうで、再手術を受ける見こみ。今季終了となってしまいました。ルーキーイヤーに15HRで華々しくデビューしたものの、ケガにたたられ続ける野球人生で、非常に気の毒です。

◎外野/DHで.245/.274/.412という成績を残したクリス・ディカーソン(31)をDFA。 右打ちのライモルドとのプラトーンでDHを務めることが多く、出場機会は多くなかったですが、明るい性格で、よくジョーンズといっしょにシェービングクリーム攻撃を繰り出していました。印象に残る試合は5月31日のタイガース戦の逆転サヨナラ3ラン(当時のエントリ)。ショウォルター監督は、守備面も高く評価していました。チームは今、トレードをまとめようとしているとのこと。ディカーソン本人はとてもオリオールズになじんでいるようだったので残念でしょうが、出場機会の多いところで活躍できるといいなと思います。

◎ダニー・バレンシア(28)が再昇格。

7月3日、フェルドマンを獲得したときオプションされていました。前回は.230/.350/.277という成績。3Aでは.314/.350/.607 打っています。いちおう内野手登録みたいだけど、たぶんほとんどがDHでの起用になるでしょう。右投げ右打ち。

◎ヘンリー・ウルティア(26)がメジャー昇格。

おー、ちょっとびっくりしました。2Aと3Aでは合計.365、OPS.958 と打ちまくり、9月には確実に呼ばれると目されていたウルティアですが、オリオールズは外野に空きがなく、DH/外野タイプも多いので、早期の昇格はないんじゃないかと思っていたのです。しかしディカーソンを見切ってのコールアップ。昨年のマチャドのような旋風を巻き起こせるでしょうか――と、つい比べてしまいそうになるのですが、まずは昇格おめでとうとすなおに寿(ことほ)ぎたいと思います。

ウルティアはキューバ出身。2011年には亡命に失敗して国内リーグでもプレーできず、昨年2012年7月にオリオールズと契約したものの、ビザがおりずにハイチに留め置かれたまま、孤独のトレーニングを積み……と紆余曲折を経て、今年2月末、ようやくオリオールズキャンプに合流しました。守備や走塁にはまだ粗さがあるといわれ、当面はDHで使われる予定。さっそくレンジャーズ戦の2戦めでメジャー初ヒット、初打点をマークしています。

◎さらにキューバ出身の外野手、ダリエル・アルバレス(24)と$800,000で契約。昨夏にキューバから亡命、その後はメキシコでプレーしていました。

◎少し前(6/30)になりますが、マリナーズからトレードで、外野手、エリック・テムズ(26)を獲得。こちらからは内野手のタイ・ケリー(25)を放出。コメント欄でも教えていただきましたが、テムズってデラバー先生とのトレードでマリナーズに行ったんですね……そしてデラバーは、オールスター最後の1枠を大差で勝ちとり、試合でも登板、と。

そのオールスターのブルペンで、選手たちがマリアーノ・リベラを囲んで談笑する――というか、最後のオールスターを迎えたリベラを中心にして、みんなが目をきらきらさせてるのを見たときには、ああ、やっぱり上原にも出てほしかったなあと思っちゃいました。こちらの動画は、試合前にクラブハウスでスピーチ(pep talk)をするリベラ。英語とスペイン語の両方で、「みんなは、この機会を与えられたんじゃなく、自分でつかみとったんだ。今日はみんなと一緒にプレーできてとてもうれしい」という内容の(ざっくりすぎ)ことを語っています。かっこいいです。

そんなわけで、さらりと触れる予定がすっかり長くなってしまったので(いつものことだ)、テキサス戦の話はまた別エントリにて。