上原、今季ポストシーズン初登板
すんばらしい投球でした。
10/5 ALDS第2戦、レイズ戦7-4の9回です。
前の回にオルティーズのHRで1点追加し、3点差で投げられたので、クローザーとしての初登板には絶好だったかもしれません。意外と緊張してましたので(私が。←だれもきいてない。)
しかし、上原本人はまったくいつもどおり。TEXのときの成績だけをとりあげて、「上原はポストシーズンの成績がよくない」なんてしたり顔でツイートする人もないではなかったのですが、そんな声もみごとにシャットアウトしてみせました。
先頭のジョイスを三球三振!
つづくロバトンも三球三振!
このあたりは、もうすごくて、見ていて絶叫するばかり(笑)。今年はほんとうにスプリットがきれいに落ちるので、打者は振っても振ってもあたりません。
そして3人めは昨日守備で大きなミスをしたマイヤーズ。今日はここまで4の0で、やはり1本も打たせたくないところ。しかしさすがにかんたんに空振りせず、フォークに必死にくらいついてファウルにしてきます。それでも最後は5球めを一ゴロ。ナポリが上原を制して一塁にかけこみ3アウト。ALDSで早くも王手をかけ、タンパに乗りこむことになりました。(動画)
試合終了後のハイファイブでは、2HRの同級生オルティーズが、上原を抱えあげる場面も。やっぱりいつもより、みんな少しハイテンションだったのかな。
いつもながら制球もすばらしかった。きょうは投げた11球がすべてストライク。ポストシーズンで1イニング10球以上投げて全部ストライクだった選手は史上3人めというツイートを見かけたのだけど、ソースを見失いました【見つけましたw WEEI記者のツイートですが、元はベースボール・レファレンスのようです】。
オフィシャルサイトの記事が面白かったので、かんたんにまとめておきます。
コウジ・ウエハラがレッドソックスの一員としてポストシーズンで投じた最初の3球はストライクだった。
その3球でマット・ジョイスを三振にしとめると、フェンウェイパークの観客はいっせいに立ちあがった。
つぎの3球もストライク。
ホセ・ロバトンを三振にしとめると、フェンウェイパークは雄叫びをあげた。
捕手のデイヴィッド・ロスは語る。
「いやあ、すごい歓声だったね。驚異的だったよ。しばらくスタンドを見あげて、ゆっくり味わいたいと思ったくらいだ。楽しかった。最初の三振で、ものすごい歓声があがっただろ。ふたつめをとったときには、もう興奮のるつぼだった。スタジアムが揺れていたよ。コウジはよく落ちついていられたよね」
「聞こえてましたけど、リズムよくなげることに集中してました」と、上原はいう。
そしてつぎの2球もストライク――なにしろ、レギュラーシーズンでも投球の74%がストライクだ。
もしつぎの1球で三球三振がとれれば、1980年以来9人の投手しか成し遂げていない、本当のパーフェクトイニングが達成されるところだった。
しかしウィル・マイヤーズが0-2からのスプリットに食らいついてかろうじてファウル。けっきょく5球めを打ってファーストゴロだった。
上原は、11球すべてストライクを投じ、ポストシーズン初セーブを挙げた。
「何のサインを出しても、きっちり投げてくれる」と、ロス。「ファストボールはコーナーぎりぎりをついてくるし、スプリットフィンガーは打者の目には消えたように見える。ボールが手から離れた瞬間に、バッターは決め打ちするしかない。で、ストライクだと思ったとたんに目の前から消える。幻惑されるんだ。レベルがちがうよ」
これでレギュラーシーズンをふくめ、上原は 75回 1/3 を投げ、三振103に対しして四球はわずか9個。防御率は1.08だ。
ファレル監督は、もう上原をたたえる言葉が見つからないようだが、リードして9回に入れば安心していられると語る。
「ずっとすばらしい投球をしているからね。90マイルの球を投げても、打者は90マイル後半の球が来たような反応を見せる。スプリットは、ストライクも取れるし空振りもとれる。そのうえ、今日のような雰囲気のなかで、彼はいっそう輝くんだ。シーズンを通じて、3点リードだろうが7点リードだろうが、彼が登板すれば、ダグアウトで安心して見ていられるよ」
じつはポストシーズン前にまたいくつかフィーチャー記事が出ています。連続アウト記録が継続中だったときには、主に記録にフォーカスしたものが多かったのですが、最近の記事は、上原の浪人時代を含む波瀾万丈の経歴や、お笑いセンスにまで踏み込んでいて、すごくおもしろい。上原が、ただ投げるだけじゃなくて、日本の野球カルチャーまでしっかり伝えていることがわかります。
でも今日はちょっと時間がないので、それらの記事はまた折を見てご紹介してきたいと思います。
最後に、ポストシーズン前に行われた、MLBファンケイブ主催のイベントの動画を。上原がボストンの街をハイファイブして回るというもの。赤ちゃんにはすっごくやさしくちょん、と手を合わせたり、もうKojiの魅力爆発です(*^-^*)
正直、うらやましいっていうか、妬けるっていうか。でも、こんなに愛されてる上原さんを見るのはほんとにうれしいことです。いや~、わたしもコウジさんとハイファイブしたいわー(笑)。
【追記】
前のエントリに「激闘未だし」なんて書いたら、きのうのタイガースvsアスレチックスあたりからがぜん熱くなってきましたね。バーランダーとソニー・グレイの投げ合い、すばらしかったです。そして今朝はカージナルスvsパイレーツ。とったりとられたりの展開ながら、パイレーツは追い越されなかったのが勝因でしたね。明日、一気に決められたら Team of Destiny の雰囲気も出てくるかしら。
アリーグは移動日。マサチューセッツの地元メディアにバックホルツの上原に対するコメントが出ていました(ソース)。
「上原のことは『ザ・ニンジャ』って呼んでる。球種が2種類だけなのに、いつでも打者が予想してないほうを投げるんだから。ほんとうにすごいよ、シーズンを通じて、1イニングだいたい9球で三者凡退をとってるからね。なんで先発しないんだと思うくらいだ。65球ぐらいで完投できるんじゃないかな」
んーとね、さすがにそれは無理だと思う(笑)。でもそういってもらえて悪い気はしませんw
とにかく先は長いので、日々、体調をととのえてひとつひとつ目の前の試合を戦っていってほしいです。
Go, Koji!
【追記2】
上原さんがツイッターで紹介していたコウジの応援歌にリンクをはっておきましょう。
Koji on the Mound - Ode to Koji Uehara and the Red Sox
内容についてはこちらをどうぞ。(人頼み)
なかなか軽快で When Koji's on the mound, we can't lose. というサビもシンプルでい~んじゃないでしょうか♪
日本人選手の応援歌ができたのは、ひょっとして、かの野茂さんの「ヒデ~オ、ヒデ~オ」以来? ありがたいこってす。