Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

しびれる試合の次はもっとしびれる試合(>_<):ALCS5戦めまで

もう、言葉にならないほどすごい上原の2013年ポストシーズンです。ここまでチームのポストシーズン9試合(地区優勝決定戦4試合、リーグ優勝決定戦5試合)中、7試合に登板し、1勝1敗4S。唯一勝敗にからまなかったのはALCS初戦、タイガースのサンチェスが好投して1-0で完封負けした試合で、1点ビハインドの9回に登板したときだけ。この日はヒット2本で二、三塁にされて危なかったのですが、後続を三振とショートフライで切りぬけました。SSドリューの、後ろ向きでフライをキャッチする好守が非常にありがたかった。

上原のポストシーズンでの戦績にリンクを貼っておきます(含:2011、2012)。

2戦め以降のタイガースとの激闘をかんたんにふりかえっておきましょう。

10/13 第2戦 6-5 BOS

バックホルツが乱調で5点先取され、いっぽうマックス・シャーザーに7回1点に抑えられて敗戦ムードの漂う試合。ところがシャーザが7回108球で交代したあと、DETはベラス、スマイリー、アルバカーキ、と、出てくる投手がみなヒットか四球でランナーを出す展開に。たちまち満塁になり、8回2死満塁からクローザーのベノワを投入すると、オルティスが代わり鼻の初球をたたいて、ライトにグランドスラム。ライトのハンターまでもがオーバーフェンスする、歴史的な一場面でした。ボストン・グローブのスタン・グロスフィールドというカメラマンがキャッチしたこの決定的瞬間。打球音を聴いた瞬間、スタンドにカメラを振り、ピントがあっていることを祈りながら連写したと語っています。選手だけでなくカメラマンも、その他の関係者もみんなそれぞれの持ち場で戦ってるんですね。

そして9回は緊急登板の上原がなんと9球で三凡。スタンドは異常な盛りあがりに。投球解説+動画にリンクを貼っておきましょう。

そして9回、先頭のゴームズが内野安打+イグレシアスの悪送球で二進すると、つづくサルティが三遊間をぬけるサヨナラ打。8回以降のDETは、それまでと同じチームとは思えませんでした。野球のおそろしさとおもしろさをまざまざと見せつけた1戦でした。

10/15第3戦 1-0 BOS

デトロイトに舞台を移し、ラッキー対バーランダーの投手戦。バーランダーが7回に許したナポリのHRだけの8回4安打10奪三振と好投したにもかかわらず、敗戦投手に。なんつーことでしょうか。BOSはラッキーが6回2/3無失点のあと、ブレスロウ→田澤とつなぎます。田澤はランナー一塁からハンターにヒットを打たれ一、三塁に。しかし次のミゲル・カブレラをオールファストボールで空振り三振にとると、なんと8回2死一、三塁から上原が登板。フィルダーをスプリッターで空振り三振に! この場面はMustCに入ってますのでどうぞ。

このあと9回表のBOSの攻撃は三者凡退ながら、DETが一人一殺で3人の投手を繰り出したため、けっこうな時間がかかりました。その裏続投した上原は、先頭のV-マルティネスにヒットを打たれます。しかし次のペラルタをゲッツーに。これ、本人も言うとおり2球めの低いファストボールがストライク判定になったのが本当に大きかった。好打者が見のがすとボールになる場合があるのと同様に、審判のなかで、上原が投げたのだからストライク、という心理が働いたとしてもぜんぜん不思議じゃありません。それも力のうちです。最後はアヴィラをフルカウントから三振に! 1-0という究極のしびれる場面での4アウトセーブでした。投球数16級。投球解説+動画にもリンクを。

10/16 第4戦 3-7 DET

BOS先発のピービが乱調で3回7失点。いっぽうDETはフィスターが6回1失点と好投。1、2番を組んだハンター、ミゲレラがそれぞれ2打点。打順変更でトップから8番に降りたオースティン・ジャクソンが2打点など、リーランド監督の手直しがはまりました。上原、田澤とも登板はなく、久々の休養。

10/17 第5戦 4-3 BOS

初戦であわやノーヒッターという好投を見せたサンチェスを攻めて、BOSが3回までに4-0とリードしたときには一方的な展開になるのかと思いましたが、サンチェスはその後踏みとどまって6回4失点。いっぽう打線もじりじりと追いあげて7回終了時で4-3と1点差に。実はこの試合、初回にタイガースがチャンスを作り、2死二塁からヒットが出たのですが、カブレラがホーム手前で悠々タッチアウトになる場面が。昨日は出先だったので、この場面はあとからハイライトで見ただけですが、あれもったいなかった。このシリーズ、どちらのチームもそれなりにミスをしているのですが、昨日の試合ではこの走塁が(というか、三塁コーチとの連携ミスが)大きかった。走塁というのは、個々の選手の判断以上に、チーム全体のメンタリティというか、焦りのようなものが如実に反映されるような気がします。

そして、レスターが5回1/3で早めに降板すると、そのあと田澤(1回1/3)→ブレズロウ(2/3)とつなぎ、なんと8回1死から上原が登板。早っ。先ほども書いたように出先だったのですが、上原の登板だけはスマホのちっちゃな画面でMLBTVを見ることに。どきどき。

オルティスの満塁弾の日には大急ぎで肩をつくってスクランブル登板、つぎの登板は1-0での4アウトセーブ。これ以上のしびれる場面はもうないだろうと思っていたら、5アウトセーブきましたか*_*

ひとりめのペラルタには球が高めに浮いていきなり3-0に。シーズン中3回しかなかったという0-3カウント(しかもそのうち2回は敬遠)。しかしそのあと空振りとファウルでフルカウントまで立てなおすと、9球めのスプリットで空振り三振! この粘りが大きかった。つぎのインファンテも三球三振にとって4-3の1点リードを保ちます。

でも1死からの登板はやはり長い。ふたり打ち取ってもあと丸々1イニングあるわけですから。しかも9回表、BOSはリードを広げるべく1死一、二塁とチャンスを作りますが、けっきょく無得点。きつい~(^_^;;

それでも9回裏にふたたびマウンドにあがった上原は、ペーニャ、ジャクソンをそれぞれ4球、2球で平凡な外野フライに打ち取ると、最後のイグレシアスくん――ピービとのトレードで移籍した元同僚――とは9球のバトルを繰り広げ、最後はセカンドフライに。締めて27球の熱投でした。5つのアウトすべての動画と、最後の場面の動画を。捕手のロスとの精根尽き果てたようなハグがもうなんともいとおしい(笑)。そう思ったのは上原フリークのわたしだけじゃなかったみたいで、Gif画像やブログ記事などでもたくさんとりあげられていました。記事のほうはおもしろいものがたくさん出ているので、別エントリにて。

試合後のNHKBS、ムネリンとのインタビューをニッカンのリンクで。試合後のツイートも。

いや~、きつそうです。今日の休日でリセットできますように。ていうか、ファレルさん、どんどんエスカレートして次は8回頭からとかになりませんように(^_^;; これだけ毎日のように投げていて、どんどん対戦打者数が増えるのはきついっすよ。気持ちはわかりますが、ここはいったん落ちついて、また8回田澤、9回上原の落ちついた試合を1度ぐらいはさめるといいんですけどね。