Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

激闘のWS!(第7戦まで見せてくれ~。)

きのうはまさかの走塁妨害ルールの勉強にいそしんだ、日米の野球ファン。

ジェフ・パッサンの記事からメジャーリーグ機構ルールブックの当該部分に触れた箇所を抜粋しておきます。

Major League Baseball's Official Rules, the comment for Rule 2.00 (obstruction) reads: "For example: an infielder dives at a ground ball and the ball passes him and he continues to lie on the ground and delays the progress of the runner, he very likely has obstructed the runner."

同じ箇所にあたるのが、日本の公認野球規則の2.51の原注。

「たとえば、野手がゴロを捕ろうとしてとびついたが捕球できなかった。ボールは通りすぎていったのにもかかわらずグラウンドに横たわったままでいたので、走者の走塁を遅らせたような場合、その野手は走塁妨害をしたことになる」(すみません。わたしの手元にあるのは2006年版と古いのですが、さほど変わらないと思います。)

「意図的に」という文言は規則に盛り込まれていません。そういう状況が生じたら、意図にかかわらず妨害とみなされるということです。

ランナーのクレイグは、たしかにだいぶ内側を走ろうとしていたように見えますが、じっさいの流れのなかで見ると、いたしかたがなかったし、ルール上もなんの問題もなかったことがGo Angels Baseball!さんのブログでくわしく説明されています。勝手にリンクを貼らせていただきます。

かくして第3戦は、109回のワールドシリーズのなかでも史上初という走塁妨害によるサヨナラゲームになりました。

レギュラーシーズンのなかでも走塁妨害によるサヨナラは1度だけなんじゃないかというツイートがこちら。2004年のデビルレイズvsマリナーズで生じたらしく、さがしてみたら2004年8月6日のこちらの試合でした。

残念ながらこのBOXだけでは何が起こったのかよくわかりません。クロフォードがサードランナーで、ティノ・マルティネスがレフトフライを打ちあげ、タッチアップからホームインまでのあいだに、マリナーズのショートだったホセ・ロペスが走塁妨害を取られたらしい。

ホセ・ロペス!(笑) ちょうど昨日、彼も微妙な判定のただなかにいましたね。

ちなみにこれはセーフだと思いますが、そのせいで巨人が負けたわけではないと思っています。こういうことも起こるのが野球。とりかえすチャンスはいくらでもあったけど、それを許してくれなかったのがマーくんでした。

【その後、別の記事を読んだら、ひんぱんにではないけれどさすがに1試合だけではないようです。】

えー、話をWSにもどして。

BOS、STL両者の戦いはここまでBOSの1勝2敗。かんたんに記しておきます。

10/23 BOS 8 - STL 1 勝:レスター 

ウェインライトが乱調でBOSの大勝。カージナルスにエラー続出という珍しい試合でした。

10/24 BOS 2 - STL 4 勝:ワカ

今度は勝負所でBOSに痛いエラー。2-1とBOSリードの7回、1アウト満塁の局面からカーペンターがレフトに犠牲フライ。ゴームズからのバックホームがそれたところを捕手のサルタラマッキアが後逸して二塁ランナーも進塁、さらにバックアップしたブレズロウがこれをサードに悪送球してスタンドに入れてしまい、ふたりめもホームイン。逆転。このあとベルトランにもタイムリーが出て2-4となりました。→動画 この影響なのかどうかわかりませんが、昨日の試合でもブレズロウが不調なのがBOSとしては気になるところ。(今、第4戦でもまたタイムリーを許しました。うーん。なんだか自信を失っているように見えます。)

上原は2点ビハインドながら9回に登板。三者凡退で、WS初登板を果たしました。2011年、目前でロスターをはずれた悔しさを思うと、まずはよかったなと。ひとつ落ちつくことのできた登板です。全球動画のリンクを貼っておきます。

10/26 BOS4 - STL5 勝:ローゼンタール 

そしてブッシュスタジアムに舞台を移した昨日は、BOS先発のピービがいきなり2点とられながらどうにか4回持ちこたえ、BOSは早くからブルペンへ。いっぽうカージナルスはケリーが5回1/3、2失点。ボストンが6回にナバのヒットで追いつき終盤勝負へ。

そして7回ブレズロウがノーアウトからランナーをふたりだすと、この厳しい局面で田澤がマウンドへ。マット・ホリデイに三塁線を破られてランナー2人を返されてしまいます。2-4。しかしその後、3人を打ち取ってふんばると、BOSもすぐさま意地で追いつき、4-4。どうしても最後の走塁妨害の場面だけがクローズアップされますが、見ていて単純におもしろい、すごい試合でした。

同点の9回裏。前の回から投げていたワークマンが続投。しかし1アウトからモリーナがヒットで出ると、ベンチはここで上原を投入します。

じつは、この9回の表、1アウトからワークマンが打席に立ってるんですよね~。そこまでひっぱるんだったらとことん投げさせるし、ランナーが出てすぐ替えるくらいだったら、9回表は代打だろうと。

いや、ふつう代打でしょう、やっぱり。リリーバーを打席に立たせるなんて、よほど延長の深い回に入ってでもいなければあまり見かけません。ナポリを使いそびれたことも含め、やはりDHのないナリーグの戦いで、迷いが見られたファレル監督です。

そして上原は、本人もいうところの完全な失投で代打のクレイグに初球を二塁打されます。インコースに甘く入ってしまいました。

つづくジョン・ジェイはファウルのあとの2球め、ゲムデにはスプリットと記された球(あまり落ちなかった)で強いセカンドゴロに。これをペドロイアが好捕してバックホーム。そのあと冒頭に記したサヨナラの場面が展開していきます。

WS史上初というプレーのど真ん中にいたんだね、上原。歴史に名を刻みました(^_^;; 

カージナルスは、その前のレイズやタイガースとちがって、ここまでほとんど上原の球を空振りせず、食らいついてくるのがおそろしいです。大振りせず、コンパクトに振る打者が多いせいでしょうか。

でも、ここまで来たからには、もうここまで積み重ねてきたことを信じて、思いっきり腕を振るしかありません。

いやはや。3戦ともみなエラーがらみなのが意外と言えば意外だけど、それは両者とも力が拮抗していて、お互いにプレッシャーを与えつづけているからだとも思います。シリーズが始まる前に予想したとおりの、ものすごい血みどろの(?)大激戦になりつつあります。

今日の第4戦も3回にSTLが先制、5回にBOSが追いつき、6回にゴームズの3ラン! しかし7回に登板したブレズロウがやはり不振で1点を許し、4-2。田澤がピンチを断ったところ。上原もかならずや登板することでしょう。

泣いても笑ってもあと最大3試合。第6戦は木曜日で見られないので、できれば第7戦までやっていただきたい(わがまま)。

走塁妨害だけでなく、試合内容でも歴史に残るようなすさまじいシリーズになってほしいし、そうなりつつあると思います。

【追記】

そして今日もまたびっくりのエンディング。

4-2でバトンを受けついだ上原。9回先頭のデスカルソは1-2からファーストゴロに打ち取って1アウト。

しかしふたりめ、昨日2ベースを打たれたクレイグには、1-1からまたも同じような球を打たれてライトオーバー。とっさに2ベースと思いましたが、クレイグはもともと痛めていたところに昨日のクロスプレーで悪化させた脚が相当悪いらしく、一塁止まり。これが大きく結果を左右しました。

3人め、カーペンターは2-1とボール先行から4球めを打ち上げてセカンドポップフライ。慎重な攻めが非常に印象的。

そして打席にはベルトラン。いやな場面でしたが、1-1から、なんとクレイグの代走ワンの逆をついて牽制アウト!(動画) なんとも意外な幕切れでした。がっくりとうなだれるワン。代走での牽制アウトというのは、ほんとうにつらいのですよね。勝負というものの残酷な瞬間です。

上原の牽制アウトは、メジャー通算3つめだそう。ひとつはおぼえていますが(当時のエントリ)、あとひとつがいつのときのだか思いだせません。くやしい(笑)。いずれにしても、巨人時代から牽制は上手でした。

あいかわらずカージナルスはあまり空振りをしません。デスカルソがひとつしたくらいかなあ。ベルトランからとったストライクは、悠然と見のがしたものでした。

でもね、何度もいいますが、もうここまできたらあとは結果だけです。そういう意味で、きょうの牽制は大きかった。いろんなアウトのとり方があるんだぞ、と。

ブルペンの負担が大きい流れになってますが、明日もがんばってほしいです!