Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

第6戦を前に:またまた上原記事リンク集

移動日の今日、MLBではゴールドグラブ賞の発表があり、オリオールズからはJJハーディ(SS)、マニー・マチャド(サード)、アダム・ジョーンズ(センター)の3人が受賞しました。おめでとうございます! マチャドは初の受賞。今は手術からの回復途中ですが、完全に治してまた華麗な守備を見せてほしいです。

その他に今季限りで退団したリック・アデア投手コーチに代わる新しいピッチングコーチの発表などもありましたが、オリオールズエントリはまたWS後にあらためてあげたいと思います。

さて、このつかの間の休養日にまたまた上原フィーチャー記事がどどっと出ました。すごいなあ、もう。そしてそれがつぎつぎと日本でも紹介されてメディアに登場。もうこのブログでやらなくてもよくなってきたような(^_^;;

それでも懲りずにまたリンクを貼っておきましょう。ソースへのリンクというのも大事な記録だと思いますので。

The Red Sox have the best and most lovable closer in baseball

レッドソックスの誇る最高の、愛すべきクローザー)

今日いちばん話題になったのはこの記事だったでしょう。全訳や要約での紹介もあちこちに出ているようです。ここではひとつだけ、見出しの下のサブタイトルについて。

Even if you hate the Red Stx, you have to love their 38-year-old closer.

レッドソックスはきらいでも、この38歳のクローザーは好きにならずにいられない」

"have to" = 「しなければならない」と、たたきこまれているのではないかと思いますが、「義務」というニュアンスの強い"must"とちがって、"have to"は、その場の状況でどうしてもそうなってしまう、というニュアンスを表すことがあります。この見出しでも「義務」ではなくて、「どうしても好きになってしまう」→「好きにならずにいられない」というニュアンスで使われています。

……って、なぜ英文法講座。すみません。この記事、なにしろ写真とGifがすてきなので、ぜひリンク先をごらんになってみてください。アメリカにはめずらしい全国紙、USA Today のスポーツ版の記事です。

また同じブログに、WS前に掲載されたこちらの記事もとてもすてきでした。

12 times Red Sox pitcher Koji Uehara’s son wanted to be just like his dad

(コウジ・ウエハラの息子がパパをみならった12の瞬間)

息子の一真くんとともに過ごすひとときを写真で追った記事です。これもぜひ元記事をクリックしてみてください。個人的には2番のストレッチのポーズに、カズくんの運動神経のよさを見ました。何気なくやってますけど、パパと同じきれいなポーズをとってますよね~♡ さすが。4番の走ってる姿もパパそっくり。ジョギングのとき、ちょっと首がかたむいて、くにゃってなるんですよね。そして6番、7番を見ると、「おお、左投げ左打ち」って、どうしても思ってしまいます。

でも、好きなことを好きなようにやればいいんだからね、カズくん。もちろんパパも「なんでも好きなことをやれ」って言ってくれるでしょうけれど。あー、ほんとにすてきな親子だな。最初に見たときうるっときた記事でした。

あ、これに関連してこちらの写真も。英語のキャプションは「チビウエハラとチビオルティスが、第2戦の作戦会議」(笑)。パパたちみたいに仲よしなのかな。体の大きさの比率も似ているような……いや、さすがにここまで差はないかw 

こうやってグラウンドでたわむれている子たちのなかから、将来のメジャーリーガーも出現するのでしょうか。メジャーで親子や兄弟の選手が多い理由がよくわかります。

これまでにも何度か書いたように、上原のフィーチャー記事は、まず5月ごろにハイタッチに注目した記事が出たのがはしりで、そのあと記録ものにうつり、連続アウト記録が途切れると、上原のここまでの歩みを掘りさげるものがどっと出ました。そのあとも切り口を変えながらさまざまな記事が出続けているわけですが、ついに、ついにここまで到達してしまったか、というのが、ボストングローブのこの記事。

Translating Red Sox closer Koji Uehara’s blog

レッドソックスクローザー、コウジ・ウエハラのブログを訳す)

いや~~、いつかは来るだろうと思っていましたが(^_^;; 地元ボストンのハーバード大学に通う日本人の学生さんが訳したものだそうで、とてもきれいな英語になっています。内容はほんとに上原ブログからおもしろいところを抜粋したもの。そこにちょっとしたコメントを添えながら、全体を好意的に紹介しています。

「上原はつねにあけっぴろげでユーモラス。ブログにもそんな感性が表れている。真剣な自己分析もあれば、世界の舞台で戦う喜びや、チームメートと相手への思いもつづられている」

といった具合。

しかし、これだけ注目度が高くなるとブログを書くのも大変だろうな。へんに気を遣わず、今までどおりのびのびと書いていただきたいです……ま、上原さんなら大丈夫か。

そしてスポーツイラストレイテッドのウエブにも特集記事が。

そうそう、テーマの変遷もあったけど、地元メディアから全国メディアへという変遷もありますね~。今や野球界では真に全米規模の注目選手になりました。

From security guard to security blanket, the journey of Koji Uehara

(警備員から守護神へ 上原浩治の軌跡)

security guardは「警備員」、 security blanketは、ちっちゃい子どもが四六時中手放さない「安心毛布」で、ここではクローザーのこと。"security" という言葉を軸にうまくまとめた、おしゃれな見出しです。

上原の日本でのアマチュア時代の話が初めて出たのは9月15日のボストングローブの記事あたりが最初だったでしょうか。そのあと受験に失敗して浪人したことや、ガードマンのバイトをしていたことなども何度か取りあげられていますが、スポイラというメジャーなメディアなのがすごいところです。書き出しがかっこいいので、少しご紹介します。

「背番号は19歳のときの自分を、先の見えない、迷いのなかのにいた自分を思い出すためにつけている。19番――思えば遠くへきたものだ。

上原浩治は教師になるつもりだった。それが大阪の高校生だったころの夢だった。しかし大学入試に失敗。高校を卒業すると警備員のアルバイトでかせぎながら、ふたたび受験勉強に励んだ。まっとうな暮らしができればそれでよかった。目標は堅実に、教師。子どものころから運動神経はよかったので、高校の体育の先生もいいなと思っていた。野球選手? アメリカのメジャーでプレーする? 当時の上原なら、そんな話は笑いとばしていたことだろう。

メジャーリーグには昔から意外性に満ちたストーリーがあった。たとえばパナマのまずしい漁師の息子が、ぐうぜん決め球を見いだし、メジャーリーグ史上最高の投手のひとりになる、というような。このマリアーノ・リベラの物語にひけをとらないのが、もうひとりの意外性のクローザーの物語――大阪育ちの少年がメジャー随一の名門チームでポストシーズンのヒーローになる物語だ」

このあと記事は、プロを目ざす日本の若者にとって甲子園というものが大きな意味を持つことや、上原が一度も甲子園出場を経験しておらず、ようやく入学した大体大もけっして野球校ではなかったことなどを紹介しています。

つづいて今シーズンの活躍の経緯や分析に入りますが、このあたりはだいたい今までに出た記事とさほど変わらない内容。

で、最後の数パラグラフがまたかっこいいので、ご紹介します。

「上原は、威圧的な、いわゆるクローザーらしいクローザーとはまったくちがう。登場曲からしてヘビメタではない。フェンウェイパークブルペンの扉があくとき流れるのは、ノルウェーテクノポップグループ、サイードの「サンドストーム」。2000年ごろ高校のダンスパーティーではやった曲だ。(訳注:PRIDEのシウバ選手の登場曲としても有名らしいですね。格闘技好きの上原なので、そのあたりが出所かとおもわれます。)ファストボールがレーダーガンですごい数字を叩き出すこともなければ、セーブのあと勝利の雄叫びをあげたり、こぶしをつきあげたりすることもなく、たいていはチームメートの腕の中にとびこんでいく。ALCSの第5戦でイグレシアスを三振にとって、大きなセーブをあげたあとなど、デイヴィッド・ロスと抱擁を交わしながら、泣きだしそうな顔をしていた。「野球のテレビ中継史上、最も情感あふれるハグ」と呼ばれたのもむべなるかな、だ。

おまけにレッドソックスの団結の象徴であるヒゲも生やさないし、言葉の壁もある。それでも上原は、その快活な性格とユーモアのセンスで、いかつい、個性派だらけのボストンのクラブハウスにみごとに溶けこんでいる。ALCSの表彰式の際には、FOXのエリン・アンドリュースにプレッシャーはあるかとたずねられて「正直言って吐きそうでした」と言ってのけた。

キャッチャーのロスは語る。

「上原はあまり英語を話せないし、いおうとしていることの半分ぐらいしかぼくらはわかってないかもしれない。それでもあいつはみんなの輪の中にいるよ。このチームに完全に溶けこんでる。ここには、いろいろなものを乗り越えてはるばるやってきたやつがおおぜいいる。コウジもいろんな困難を越えてきた。そういう話をきけばだれだって感動するだろ?」

そう、だれもが感動する物語だ。日本で教師をめざしていた少年が、今やレッドソックスのヒーローになったのだから……」

さあ、いよいよ第6戦。ワカ対ラッキーです。

このあいだは第7戦までもつれてほしいなんて書きましたが、第6戦で決着つけてくれてぜんぜんかまいません。もうホント、最終回のマウンドの緊張感は高まるばかりです。

しかし、木曜日はなにしろ見られないんですよね(>_<)

あの2011年のレギュラーシーズン最後の1日も木曜日でしたし。仕方がなので明日は録画をかけていこう。

みなさま、どうかわたしの分まで上原さんの応援をよろしくお願いします!