Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

オフのオリオールズその1:アワード、AFL、40人ロスターなど

気がつけばWSが終わってからひと月近く。12月がかぎりなく近づいております。おそろしい……。

ウィンターミーティングが始まらないうちから、今年の移籍市場はわりあい活発に動いているようですね。オリオールズはうわさの嵐にさらされまくっていますが、今のところいたって地味な出だしです。お久しぶりのオリオールズ・エントリその1では、各賞、コーチ人事、若手の話題を整理しておきます。

◎ゴールドグラブ、シルバースラッガーで各3人受賞。

オフシーズンの各賞で、オリオールズの野手陣はたびたび名前があがりました。

ゴールドグラブ:JJハーディー、マニー・マチャド、アダム・ジョーンズ

3人受賞は、ロイヤルズとならんでアリーグ最多。

このうちマチャドは、主にセイバーメトリクスの数値に基づいてポジションごとに両リーグからひとりだけ選出される〈フィールディングバイブル賞〉と、各リーグ全体からひとりだけ選出される〈ローリングズ・プラチナ・アワード〉も受賞しています(ナリーグはブレーブスのシモンズ)。マチャドの好プレーまとめ動画にリンクを貼っておきましょう。10月にひざを手術したマチャドですが、もう足をひきずらずに歩いているとのこと。ショウォルター監督は開幕に間に合うと言っているようですが、シーズン中、痛みなく安心してプレーできることがなにより大切なので、じっくり治してまたすばらしいプレーを見せてほしいと熱望しています。

シルバースラッガー:クリス・デイヴィス、JJハーディー、アダム・ジョーンズ

これは、ポジションごとに攻撃面で最もすぐれた選手に贈られる賞。オリオールズが3人同時受賞するのは史上初だそうです。3人受賞はメジャー最多。強打のボストンもオルティーズだけなんですね。意外です。

53HR、138打点のデイヴィスは文句なし。ジョーンズも33HR、108打点、ハーディも25HR、76打点という成績を挙げました。このあと発表されたMVPでもデイヴィスは得票数第3位に(これ、デイヴィスはノーサプライズでしたが、マチャドくんが9位に入ってるのがうれしかった)。

ゴールドグラブが3人、シルバースラッガーが3人、おまけにプラチナもあって、ほんと守備と攻撃はキラキラしてるんですが。あとは投手陣なんですよねえ。

◎新投手コーチにデイヴ・ウォレス(66)が就任。

その投手陣立て直しの一環になるでしょうか。シーズン途中に一身上の都合でチームを離れたリック・アデアコーチに代わる新コーチが誕生しました。デイヴ・ウォレスは1981年以来、ドジャース、メッツ、レッドソックスアストロズなどで投手コーチを歴任。最近4年間はブレーブスのマイナーで若手の育成にあたっていました。

そのウォレスの希望もあって、ブルペンコーチには、やはりブレーブスで特別補佐(?)をつとめていたドム・チティ(Dom Chiti (54))が就任。チティは2006年にはショウォルターのもとでレンジャーズのブルペンコーチをしていたこともあるそう。

新しい目で見ることで、ブリトンなど、伸び悩んでいる若手は新たな成長をとげることができるでしょうか。

ほかに今季ホワイトソックスの打撃コーチをつとめていたジェフ・マントがマイナーの打撃コーディネイターに就任しています。96年にはほんの短期間巨人に在籍したこともあるマント。なつかし~、って思ったのですが、なんと開幕からひと月しかいなかったんですね。アジャストする間もなくクビだったんだ(^_^;;  

◎アリゾナ秋季リーグ(AFL)で若手が活躍。

AFLでは例年、たいして目立たないO'sですが、今年はO's2Aブーイの監督、ゲーリー・ケンドールがひきいるサプライズ・サグアロズが優勝しました。ヘンリー・ウルティアが.377、3HRを打ったほか、投手陣では、トッププロスペクトとして名前のあがるようになったエドワルド・ロドリゲスや、左腕リリーバーのティム・ベリー(次項参照)らが活躍しました。動画はウルティアのツーベース。今のところパワー系というよりアベレージヒッター系ですが、来春チームに食いこむことはできるでしょうか。ビデオで解説の人はバーニー・ウィリアムズに似てるとコメントしてますが。

◎3人を40人ロスターに登録。

12月に行われるルール5ドラフトのプロテクトとして、オリオールズはティム・ベリー(22)、エディ・ガンボア(28)、マイケル・オールマン(22) を40人ロスターに登録しました。

ティム・ベリーは2009年の50巡め指名。高校時代にトミー・ジョン手術を受けたためドラフト時には評価が急落していたのだそう。190センチ81キロとまだ体は大きくなりそうで93マイルというファストボールも向上の余地あり? 今季は1Aフレデリックでの投球が主ですがk/bbも2.98とそこそこ。もっと上のレベルの選手も集まるアリゾナ秋季リーグでもERA1.84と好投しました。O'sの2009年ドラフトは1位のホブグッドを筆頭に、まだ上に到達した者のいない失敗ドラフトの年と言われていますので(メジャーの全体1位がストラスバーグ、O'sは全体5位でした。トラウトが25位で指名されています)育ってくれたら大きいなあ。

エディ・ガンボアは2008年の21巡め指名。大卒なのでもう28歳という苦労人コースを歩んでいます。今年からナックルボーラーに転向して、少しずつ成果があがりつつあるところらしい。えーと、ショウォルター監督、R.A.ディッキーにナックルを奨めたのもそうですが、ナックラー大好きです(笑)。やはり昨年、今の時期に初めて40人ロスター入りして、今年5月に1試合だけメジャーで投げ、すぐにDFAされたザック・クラークも今ナックルボーラーへの道を歩んでいるんですよね。 大家にも興味ありと伝えられましたし、そのなかからひとりでも、まあディッキーとはいかないまでも、ある程度の成功をおさめる選手は出てくるでしょうか。

マイケル・オールマンは、一昨年、昨年と最も伸びた若手のひとりといえるんじゃないでしょうか。このブログの初登場は交通事故のニュース。そのあとドーピングで50試合出場停止というのもあったんですが、それで厄払いしたのか(?)復帰後、ぐんぐん打撃成績をあげ、今季は.313で1Aの首位打者に。この人も2009年ドラフト組(11巡め)。来季は2Aスタートかな。捕手としての守備力は「まあまあ」みたいに書かれているものが多いので、そこらへんの向上も鍵になりそうです。

◎和田と再契約せず(>_<) 大家に興味?

3Aでの最後の6登板ではいずれも2失点以内に抑えていた和田。マイナー契約はあるんじゃないかと期待していましたが、残念ながらそれもないことに。日本のスポーツ紙でも「別々の道をいく」というデュケットGMの言葉が紹介されていましたが、いちおうその元記事を貼っておきます。いろいろひっくるめて残念としかいいようがないです。何しにきたんだなんていう声も当然ありますが、3Aであっても別の文化、別の世界のなかで、復帰後1年間苦闘したのは、じつはすごい財産だと思います。ケガをすっかり治して、周囲をあっといわせるような復活を果たしてほしいです。

いっぽう、ナックルボーラーに転向し、今季は冨山の独立リーグでプレーしていた大家友和オリオールズが興味という話が日本で伝えられながら、現地のメディアではまったく名前を見かけていなかったのですが、今日のMASNに初お目見え。おっ!と思ったらソースはサンスポでした(笑)。ただこの記事で指摘しているのは、大家のレッドソックス時代のGMがデュケットだったこと。なるほどね。あとはなんつってもナックルボールですね。「日本人のナックルボーラー? オリオールズのストライクゾーンど真ん中じゃないか」とクバトコさんもおっしゃってますw 今オフ、さらにTomo Ohka の名前を目にすることはあるんでしょうか。