オフのオリオールズその2:噂、うわさ、ウワサ
11月15日前後のGMミーティングのころですかね。オリオールズにまつわるTrade Rumors が連日ツイッターを騒がせました。
図式としては、ケン・ローゼンタールやバスター・オルニーといった全米メディアのライターがつぶやく→MLB Trade Rumors がブログにして掲載&ツイート(この過程でまるで既成事実のような感じが漂ってくる)→地元メディアが後追いでコメント(たいていは火消しにまわる)→地元ファンから雨あられとふりそそぐ質問→地元メディアがさらに火消し(このあたりでグルグル循環)というパターン。
さいしょはJJハーディ。その翌日にはケン・ローゼンタールのこのツイートで一気にストーブに着火しました。「オリオールズはウィーターズのトレードに前向き。ウィーターズ、クリス・デイヴィスともにFAまで2年。どちらもエージェントはスコット・ボラス」
そうこうしているうちにキンズラー⇔フィルダーの電撃トレードや、NYYによるブライアン・マッキャンの契約(5年8500万ドル)があったりして、なんとなくオリオールズまわりの噂は一時的に沈静化しているところです。まあ、少なくともウィーターズがヤンキースにとられるという事態だけは避けられるか(^_^;;
ちょっと整理しておきます。
・ハーディは昨年、契約を2年延長して来季も7MIL。マチャドを本来のショートに戻す構想はあるものの、手術明けであるうえ、動かしたあとのサードがいるわけではないので(ジョナサン・スコープもまだそこまで準備ができてはいない)少なくとも現時点でのトレードはないだろうというのが大方の見方です。
・ローゼンタールの言うようにボラスは自分のクライアントにFAで高い契約を引き出させることを好むと信じられているので、デイヴィスとウィーターズの両方とリーズナブルな契約を結ぶのは、たしかに至難の業かもしれません。
クリス・デイヴィスはオリオールズで初めて花開いたこともあり、シーズンが終わったころから「延長してもらえるのならぜひそうしたい」というコメントを何度かしています。
ウィーターズに関しては、これまでに2度、デュケットがボラスと延長交渉を試みて不調に終わっているとのこと(デュケット自身がそうコメント)。それと、マッキャンの契約(5年85MIL)がどのような影響を与えるか。ちなみにオリオールズでは2012年の5月に契約延長を果たしたアダム・ジョーンズが6年85milです。(ジョーンズも2012年の1月ごろは毎日のようにトレードの噂が出てました。)
・2、3年後にはマチャドくんの延長についても考えなくてはならなくなるでしょうから、コアメンバーを全部キープするのは、けっして裕福なチームではないオリオールズにとっては厳しいのかもしれない。でもなあ……。ウィーターズのキャッチング、肩、ホームでのプレーはやはり余人を持って代え難いと思うのですよ。ボラスはん、ウィターズくん、だいじにするからちょっとまけてんか?といいたい気分。ただし、万が一トレードがあり得るとしたら、先発のトッププロスペクトとの交換しかありえないでしょう。ペイロールをあけてベルトランを獲得するのでは、なんて憶測記事が出たりもしましたが、それはないと断言しときます。
◎ブルペン補強などなど
とまあ、噂のほうはいろいろかまびすしいのですが、実際の動きは例年どおり地味にはじまっています(笑)。
右のリリーバー。今季はロッキーズで1勝4敗 ERA5.67。現在、ベネズエラのウィンターリーグで先発していて6先発でERA2.10なのだとか。
・パドレスと交換トレード:ブラッド・ブラック(27)⇔デヴィン・ジョーンズ
む、エスカローナと同じくこの人も86年生まれだ。右のリリーバーで(また?)今季は33試合に登板、ERA3.19。BB/9が5.5というのが不安をさそいますがどうなんでしょう。あと、通算で、広いペトコパークではERA2.98、ロードでは4.56だそうで、ヒッターズパークのカムデンヤーズではきびしいのではあるまいか。だいじょうぶなのか。20日にパドレスからDFAされたところを獲得、と相成ったようです。
いっぽう、こちらから送られるデヴィン・ジョーンズは23歳。今季から先発に転向し、2Aで25先発、ERA5.64。90マイル台前半のファストボールでゴロを量産するタイプだそう。ブルペンでは96マイルまで出したことがあるということなので、そういう使われ方になるかもしれません。
◎インディアンズからコード・フェルプス(26)をクレーム。
スタンフォード出身の右打ちの内野手。3Aでは通算.286/.367/471 という成績を残しているそうですが、メジャーでは123打席で.159/221/248 ――こういうプレーヤーは、ごくたまに「転地療法」が効く場合もあります(クリス・デイヴィスはその最たるものですが、彼の場合3Aではハンパじゃない成績を残していましたよね。)
カシーヤも抜けることだし、バックアップのひとりということでしょうかね。ライアン・フラーティが左なのでそれを補うというか。でもなんだかんだ、ブライアン・ロバーツと再契約しそうな気もします。
こんなわけで、嵐の予感をたたえながらも静かに始まったオリオールズのオフ。デュケットGMは「まだ11月25日だよ」とコメントしていましたが、今後、最大の課題である先発投手をどのように補強していくのか。期待半分、びくびく半分(ウィーターズのトレードは少なくともこの冬はないと思うんですけどねー)で見まもりたいと思います。
【追記:現地11/30】
またまたこまごまとした契約来ました。
SFジャイアンツから右投げ左打ちの控え捕手ジョニー・モネルを金銭トレードで獲得。40人ロスターに追加しました(Gao写真)。(現在39人まで埋まっています。)
これまた86年生まれの27歳。なんなんでしょ、この86年コレクション。2007年のドラフト30巡めでジャイアンツに指名され、ずっとマイナーですごして今年の9月のコールアップでメジャーデビュー。しかし今週はじめにDFAされ、オリオールズがピックアップしたようです(地元では惜しまれているような?)
2013年はモネルにとって初めてフルに3Aで過ごした年だったようで、マイナーでは481打席で .275/.364/.494 HR20本と、なかなかの打撃成績。しかしメジャーでの出場は9打席にとどまりました。
これで40人ロスターには、ウィーターズを先頭に、アリエッタ+ストロープとの交換でフェルドマンと一緒にカブスから来たスティーブ・クレヴェンジャー、先日40人に追加されたマイケル・オールマンと合わせて、捕手が4人ということになります。