Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

どうなるバルフォア→【追記】合意取り消し (>_<)

ようやくバルフォアと合意したし、外野手もとったし、あとは先発を1枚補強して……と少しほくほくしているところへ衝撃の展開。バルフォア、今日の身体検査でひっかかり、契約が先送りになってしまいました。ガ~ン……。

くわしいいことは明らかにされていませんが、右肩になんらかの異常が見つかり、オリオールズが待ったをかけたようです(MASN)。2005年にはトミージョン、2006年には右肩関節唇と腱版損傷の修復術を受けているというバルフォア。その古傷にまつわるものなのか、あるいは新しい故障なのかそこらへんの真相は不明です。ボルチモア・サンによると、オリオールズの身体検査は非常に細かいことで知られているのだそう。それによって、今までひっかからなかったものが出てきたのでしょうか。

フィジカルで問題が浮上して契約が破棄された例としては、2012年シーズン前の岡島がありますね。これはたしか古傷(左肩)なのに今さら、というようなことを本人は言っていた記憶があります。このあとオカジはソフトバンクに入団し、56登板で防御率0.94、WHIP0.84という好成績を残しました。

契約内容を変更した例としては昨オフのマイク・ナポリを思い出します。当初、ボストンと3年 $39 milの契約で合意しましたが、股関節に異常が見つかり、結局ひと月半ほど交渉して1年5milの契約を結びなおしました。捕手はさせずに一塁手とDH限定ということにして、結局今年は.259/.360/.482、HR 23本というりっぱな成績を残し、今オフ新たに3年契約を結びました。投手では、やはり12年オフにオリオールズが契約したジェア・ジャージェンスの例があります。当初は $1.5 mil+インセンティブの1年契約で合意したのですが、やはりフィジカルで問題が見つかり(ジャージェンスの場合は膝でした)しばらくしてからマイナー契約に切り替えて合意。マイナースタートで、5月にメジャー昇格を果たしましたが、結局、上では2試合しか投げず、夏にオプトアウトという経過でした。

打者とちがって投手の場合「じゃあDHで」とはならないところに難しさがあります。最終的には古傷ならそれをかかえたまま投げられるのかどうか、新しい故障ならその度合いはというところが焦点かなと。その上で、できれば1年契約でたとえば5mil+登板数によるインセンティブなどという形にすれば、かえってよく働いてくれそうな気もするのですがどうでしょう?

なんか今さらロドニーやペレスに気持ちを切り替えるのもなあ。バルフォアさんでしのぎながら、エドワルド・ロドリゲスあたりを育てようよと。そんな気持ちでいっぱいです。

ちなみに昨日、クローザー交換確定バージョンで、ほぼ記事を書きおえていたんですよね。どうしてくれよう(^_^;; せっかくなので、両チームの背景をおさらいする意味で、いちおうアップしておきます。

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ウィンターミーティングで、オリオールズとグラン・バルフォアが合意間近という報道が乱れ飛んで以来、毎朝ツイッターをチェックしては「まだサインしてないやん」とじりじりするのが習慣になっていましたが、1週間後の17日、ついに合意にこぎつけました。まだフィジカルがすんでいないので正式発表は行われていませんが、20日金曜日には発表される予定【当然のことながらこれは中止です。フィジカル、あなどるべからず(>_<)】。契約条件は2年15MILですが、そのうち1MILは5000ドルずつに分けて後払いされるとのこと(次年度は実質7mil/y?)。

これでオリオールズからはクローザー、ジム・ジョンソンがトレードでA'sに移籍し、A'sのクローザーだったグラン・バルフォアはFAでオリオールズへと、変則的な「クローザー交換」が実現しました。

ある意味、謎です(笑)。

オリオールズ側の論理は、ジョンソンが調停を申請して得るであろう10~11MILのサラリーが高すぎるということ。結局バルフォアを7百万$で得て、さらにブルペン要員としてライアン・ウェブを2年4百50万(1年2百25万)で獲得。ここに、ジョンソンと交換でやってきたウィークスの48万ドルを足してもまだジョンソンの来年度分には届かない勘定になります。デュケットのいう"reallocation"(再配分)が順調に進行中のよう。

ちなみにバルフォアとの交渉は、3年契約なり3年めのオプションなりをめぐる攻防があって長引いていたもよう。3年契約をオファーしていたチームもあったそうですが、バルフォア自身、オリオールズでプレーするほうを望んだとのこと。A's番のベテラン記者、スーザン・スラッサーのツイートにリンクを貼っておきます。

いっぽう、A's側からすると、7百万で再契約できるならバルフォアでよかったじゃないか、ということになりそうですが、やはり当初バルフォアが望んでいた3年契約がネック。間もなく36歳になる投手にそれだけの年数を与えることをきらって、より若く(30歳)、FAまで1年のジョンソンを選択したというのが真相のようです。

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やれやれ。せっかく気のもめる日々から解放されたと思ったのに、また元の木阿弥に。もう心配するのやめよう……orz

ほかにもいくつか新展開があるので記しておきます。

◎ブライアン・ロバーツがNYYと1年契約(>_<)

オリオールズからFAになっていたブライアン・ロバーツが、ヤンキースと1年2MILで契約しました。こちらはインセンティブで最大4.7milぐらいまで行く契約のようです。

ロバーツは、2013年のロスターのなかでは一番オリオールズ在籍年数の長い、生粋の生え抜きでした。わたしが見はじめた2009年には二塁打56本を打って、「“年間25盗塁、50二塁打、70四死球、100得点”を3年連続で達成したメジャー5人め(1900年以降)の選手」になったことも(当時のエントリ)。

しかし2010年からの4年間は故障に泣きつづけます。2010年の腰痛に始まり、長らく悩まされた脳しんとう、そこから復帰したあとの内転筋痛、今季開幕直後の膝裏の腱断裂→手術などなどなど。それでも根気よくリハビリを続けて6月後半にようやく復帰。シーズン後半はある程度コンスタントにプレーしていました。

早打ちの選手が多いオリオールズにあって、ロバーツはなんといっても打席での粘りがピカイチでした。ボールを見きわめ、ファウルで粘り。健康でいつづけられれば、こんなに頼もしい味方はいません。でも同時に、1年間フル出場するところがかなり想像しづらいのも事実。上手に休ませながら使うことができるかどうか。できればせめて同地区じゃないところに行ってほしかったですが、ケガをせずに元気で活躍してほしいです(オリオールズ戦以外で。ホンネを言うとヤンキースなのはけっこう悲しいです)。

オリオールズの二塁はフラーティ/ウィークス/スコープ/アルマンサルの競争?

そんなわけでロバーツともたもとを分かち、より安く、より若い方向へ進もうとしているオリオールズ。まあ、今季もライアン・フラーティが59試合、二塁で先発していますが、できればもう少しバットの貢献度もあげてくれるとうれしい。(今季は.224/.293/.390 )でも守備はどこを守らせてもうまいんですよね。これはディフェンスを重視するショウォルター・オリオールズにとっては非常に大きなポイントです。ユーティリティも含め、ここらへんはスプリングトレーニングでの競争になりそうです。

◎ダニー・バレンシアとデイヴィッド・ロウを交換トレード

バルフォアといったん合意した翌日の18日、オリオールズで内野のユーティリティをつとめたダニー・バレンシアと、ロイヤルズで昨年9月メジャーデビューした左打ちの外野手デイヴィッド・ロウのトレードが発表されました。……って、この人またしても86年生まれの27歳じゃありませんか。今オフ、オリオールズはいったい86年生まれを何人コレクションしてるんだね?(今数えたら6人めでした(笑))

バレンシアは昨オフ、BOSから金銭トレードでオリオールズに移籍。5月半ばに昇格して、ずっと可もなく不可もなくの状態だったのですが、8月に入っていきなり絶好調になり、そのままシーズンを終えました。なかでも思い出されるのが、9月17日、上原の連続アウト記録を37でストップさせたスリーベース。あのころ、長打がポンポン出てましたからね~(遠い目)。ロイヤルズではサードのバックアップとして起用される見こみだそうです。

いっぽう、オリオールズが獲得したデイヴィッド・ロウは、昨シーズン9月にコールアップされ、今年が実質的にはメジャー1年め。恥ずかしながらぜんぜん存じあげなかったんですが、打撃も堅実そうだし、守備がなかなかすばらしくて、ルーキー・オブ・ザ・イヤーでも第8位の得票数だったようです。ひとつ動画にリンクを貼っておきます。今オフ、トレードで青木が加わったことで外野からはじきだされてしまったんですよね。27歳と若いですし、これはいいトレードなんじゃないかなと。ローゼンタールも、アリーグの某監督が「マクラウスよりもいい打者になるかもしれない。いいトレードだね」と評したと報じていました(ソース:一番下です)。

◎さらにマイナー契約いくつか。

 

こちらは毎オフ恒例。このなかからひとりでもふたりでも活躍する人が出てくれたらうれしい。思えばバレンシアもマクラウスもこうやってオフごとに十把ひとからげで契約したなかから出てきた人たちですからね。ゆめゆめおろそかにするなかれ。

とりあえず名前だけ記しておきます。

ゼイヴィア・ポール(28) Xavier Paul

左打ちの外野手。今季はレッズで97試合、.244/.339/.402。

イヴァン・デヘスス Jr.(26)Ivan De Jesus Jr. 内野手

クリス・マレーロ(25) Chris Marrero 一塁手

ファビオ・カスティーヨ(24) Fabio Castillo 右投手

◎マチャド、順調にリハビリ中。

ESPNのスポーツ障害専門家、ステファニー・ベルが、11月末にマニー・マチャドにインタビューした動画があがっていました。手術した膝、しばらく90度で固定されていたようですが、じょじょにの可動域を広げて、今はほぼまっすぐに伸ばせるところまできています。この時点ではまだランニングの許可は下りていないということでしたが、12月中旬といっていたので、そろそろジョギングを始めるころかもしれません。

「もう走るのがきらいなんて言わない。今はすごく走りたい」

と、マチャドくん。それでも復帰日は決して固定せずに、体の状態と相談しながら決めていくと、非常に落ちついた表情で語っています。リハビリ中の様子も見られますので、気になる人は必見です。

チェン・ウェイン 台湾版GQ誌の2013年、マンオフザイヤー(のひとり)に。

こちらも動画です。このオフには自伝も出版しているチェン。そのときの写真では松葉杖をついていたのですが、この動画では元気な姿ですね。シーズン終盤は、膝のせいか、2回りめを過ぎると打ち込まれる場面が目についたので、来季はぜひ7回を投げ抜く男になってほしいです。チェンが元気でないとローテがまわらないので、頼んます。

【12/27(現地)追記】

けっきょく合意の取り消しが発表されました(T_T)

これに対してバルフォアは「100%健康。肩の状態も3年前のMRIと変わりない」とコメントを発表し、バルフォアをレイズ時代から見ているチームドクターも同じコメントを発表しています。

1年+オプションで5milぐらいならそのままコミットしたのかもしれないけど2年15milというのがおそらくネックになったのだろうと。これから交渉する手もあったでしょうが、それだと年を越して時間がかかりすぎるということでやめたんでしょうね。うーむ。

くわしく書きたいのですが、ちょっと急に出かける用事が入ってしまったので、また明日にでも。