Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's、過去5年のウィンターミーティングをふりかえる

オリオールズのウィンターミーティングは「何ごともなく」終了しました。本来の「大過なく」という意味ではなく、何も動きが見られなかったという意味で。ジム・ジョンソンを手ばなし、マクラウス、フェルドマンもFAでチームを去るなか、それを埋め合わせる手を期待していたファンにとっては、まことにじれったい状況が続いています。

そこで、じりじりする自分の気持ちをなだめるために(?)ちょっとここ5年間のウィンターミーティングをふりかえってみました。

2009年 

TEXからケビン・ミルウッド+$3Mを獲得⇔TEXへ:クリス・レイ+PTBNL

2010年シーズン、ミルウッドは当初はQSも多く、決して悪いできではなかったのですが、なにせ勝てないチームだったので、4勝16敗、ERA5.10でシーズンを終えました。

2010年

・マーク・レノルズ+PTBNL(捕手John Hester)を獲得⇔ダイヤモンドバックスへ:デイヴィッド・ヘルナンデス+カム・ミコライオ

ミコライオはご存じのとおり、その後広島へ。レノルズは2年間オリオールズに貢献したあとFAとなり、今季はインディアンズ→NYY。PTBNLが捕手だったことは今気づきましたが、2011年4月にオリオールズに来て翌年4月にリリース、その後LAAと契約して、今はその傘下にいるようです。

上原浩治と契約延長。

このときのうれしかったことといったら。そして来る2011年シーズン、上原は中継ぎで好成績を残し、TEXへトレードされることになります。

・J・J・ハーディー+ブレンダン・ハリスを獲得⇔ジム・ホーアイ+ブレット・ジャコブソン

これはツインズファンにしてみれば、忘れたいディール(なのに何度もむしかえすわたくし。)ハーディーはO'sでここまでGG2回、オールスター1回、シルバースラッガー1回という輝かしい成績をあげ、現在、さらなる契約延長の話も出ています。

2011年

・ダナ・イヴランドを獲得⇔ジャレット・マーティン(投手)、タイラー・ヘンソン(外野手)

デュケットGMの1年めです。WM直前にテイラー・ティーガーデンをTEXからトレードで獲得(マイナーの内野手、グレッグ・ミクラットと交換)しましたが、このイヴランドトレードも合わせ、きわめて地味な動きに終始しました。

なお、ルール5ドラフトでカブス傘下からライアン・フラーティを指名。翌年、ショウォルター監督が根気よくメジャーのロスターに置きつづけ、ポストシーズンでHRを打つ活躍も見せました。この年のWM最大のヒットだったかもしれません。

ただし、11月初めにはTEXからDFAされたダレン・オデイをウェーバーで獲得、また12月半ばには和田、1月にはチェンをFAで獲得し、ウィルソン・ベテミットも1月にサインしています。和田は残念ながらうまく行きませんでしたが、オデイ、チェン、ベテミットらは12年シーズンの重要なピースになりました。さらに2月にはロッキーズとジェレミー・ガスリー⇔Jason Hammel+Matt Lindstromという重要なトレードも。デュケットGMのWMにこだわらない姿勢がはっきりとうかがえます。

2012年

またも目立った動きなし。お約束のルール5ドラフトでインディアンス傘下からTJマクファーランドを獲得したのがWM中の唯一の補強でした。マクファーランドは、またもショウォルター監督が根気よく使って1年間25人ロスター入りをクリア、14年シーズンはおそらく3Aで先発としてシーズンを始めるものと思われます。

WM後の12/13日にネイト・マクラウスと1年2MILという格安のお値段で契約延長し、また1月にはショウォルター監督とデュケットGMの契約延長(2018年まで)がありましたが、やはりちょっと動かなすぎたかなと。ブルペン、先発を含め、投手陣はもう少し補強してもよかったんではと思います。

なお、デュケットのこと、当ブログでは手短に「GM」と表記していますが、実際の肩書きはExecutive Vice-President of Baseball Operationsです。前任のアンディ・マクフェイルはpresident of baseball operationsだったんですよね。その微妙な違いは何?(^_^;; 日本のスポーツ紙などは「デュケット編成本部長」という呼称を用いていて、一瞬「誰?」と思ってしまったんですけど、編成本部長だとなんかあんまりえらくなさそうじゃないですか?「育成本部長」あたりと同列に並んでいそうな感じもします。じっさいには、デュケットがまちがいなく球団トップなので、ここではシンプルに(勝手に)GMと呼ばせていただきます。

2013年

そして今年もまた地味~な動きに終始いたしました。

・WM直前にFAで獲得したライアン・ウェブと2年4.5MILで正式に合意。ウェブはほかにも2、3オファーを受けていたようですが、「オリオールズはぼくがノンテンダーされて数時間後にはもう声をかけてくれた。守備がすばらしいのも選んだ理由。ぼくはジム・ジョンソンと同じくシンカーボーラーで、投球スタイルには共通点も多い。監督がシンカーボーラーを好意的に見てくれる環境でやれるのもうれしかった」と語っています。(今までシンカーボーラーとして、どういうふうに見られていたのか気になります(^_^;;)

・ルール5ドラフトでBOSの3Aから右打ちの内野手、マイケル・アルマンサル(23)を指名。今年は2Aで .268/.328/.432という成績。HR16本。出塁率が高いのがデュケット好みと言えますが、1年間25人ロスターに登録し続けるのはちょっとハードルが高いかも。なんでも父親が元メジャーリーガーで、2004年にバック・ショウォルターの元でプレーしていたというつながりがあるそうな。わずか10年前に父親が?と不思議に思ったのですが、息子が1990年生まれ、父親は1973年生まれなので、どうも17歳のときの子らしいです(@.@)――高校生じゃん! Far East Divisionさんに動画つきの紹介がありますので、リンクを貼らせていただきます。

【さらに追記】今年7月のボストングローブの記事があったのでリンクを貼っておきます。メジャーリーガーを父に持ち、各球団のクラブハウスで育って、16でプロ入り。ルーキーリーグをあっという間に駆け抜けたものの、若く、粗削りで、かつルーティンも確立できなかったため、そこからしばらく壁にぶつかり、今年ようやく2Aに昇格。しかしLowAで5年間すごしてもまだ22歳と若く、強烈な上昇志向は健在。ようやく才能と技術がかみ合ってきて、いよいよこれからだ……という内容。O'sはスコープをはじめ、内野の次世代をにないそうな若手が多く、またウィークスなど今オフにも新たに何人か競合する選手を獲得しているので、相当な結果を残さないと1年間メジャーのロスターを占有するのは難しいかもしれませんが、こういう記事を読むとたしかに面白そうだなと思います。

さらにマイナーリーグの部では、カブスから左打ちの外野手、フリオ・ボルボン(27)を指名。こちらは2Aのロスターではありますが、メジャー通算 .272/.318/.347という実績を持ち、2010年にはレンジャーズでWSに出場しています。だいぶ前からオリオールズは興味を持っていたらしく、ウェーバーで獲得しようとしたこともあったとか。こちらはメジャーのロスターに置いておく必要がないので、かえってフレクシブルに扱えるかもしれません。ただし「左打ちの左翼手」の穴を埋められるどうかは未知数。オフィシャルサイトの記事にリンクを貼っておきます。

・ジム・ジョンソントレードのPTBNLで捕手を獲得。

獲得したのはデイヴィッド・フリータス(24)。マイナー373試合通算で.276/.377/.424 という成績。やはり出塁率が目を引きます。わかりやすい。

……とまあざっとこんなところ。一応駒がそろっていると考えられた昨年と比べると、まだまだ穴が多いので、さすがにこのまま補強を終えることは考えにくく、事実、WM中に「打者と先発投手とリリーフ投手」に対してオファーを行ったもよう。

そのうちのひとりは、今季アスレチックスのクローザーをつとめ、現在FAのグラン・バルフォアです。詳細は不明ながら、バルフォアに対しては2年契約をオファーしたチームが3つあり、そのうちのひとつは3年めの自動オプションつきだとのこと(オリオールズではない)。WM中は何度も、今にも合意というツイートが流れ、ケン・ローゼンタールもオリオールズが一番手と報じていましたが、現時点ではまだ決まっていません。なんとか決まってほしいですが、バルフォア側は3年契約を強く望んでいるらしく、結局は別の方向に行ってしまうかもしれません(>_<)

もっとも今季はほかにもフェルナンド・ロドニーや、ジョン・アックスフォードなど、クローザー経験者が市場に多いので、それなりに誰かは手に入れることができるでしょう。ていうか、たぶんそれもジョンソンを放出した要因のひとつだったのかもしれません。(でもなあ……アックスフォードかあ……。)

ともかく、埋めるべき穴と、サラリーダンプした10MILがあるので、2月までにどれだけ補強を進められるかによって、スプリングキャンプに向けての士気もだいぶ変わってきそうな気がします。例年どおりWM中には目立った動きのなかったデュケットGMですが、その分、ここから頼みます!という気持ちです。

その他の話題を。

・GIBBYでマチャド、デイヴィスが受賞。

ムネリンが「アイム・ジャパニーーーズ!」で受賞して話題になった今年のGIBBY(Greatness In Baseball Yearly Awards)ですが(ところでムネリンの受賞を発表しているこの動画の人は誰なんでしょう?「日本で2年間彼とチームメートでした」と言っているので、元ソフトバンクの外人選手?)、オリオールズからもクリス・デイヴィスがBreakout Hitter of the Year、マニー・マチャドがPlay of the Year を獲得しました。

おめでとうございます!(*^-^*)

・そのマチャドですが、リハビリは順調に進んでいるそうで、もう2、3週間したらランニングを始めるようです。ウエイトトレーニングで周囲の筋肉もきたえているとのこと。ダッシュができるようになったら、つぎに横の動き、急なターンなどまだまだ越えるべきハードルはたくさんあります。1月には投手陣のミニキャンプにも参加して回復の程度を見るということですが、しっかりと医師や首脳陣とコミュニケーションもとれているようなので、信頼して見まもりたいと思います。

和田毅カブスマイナーリーグ契約。

一時、ネットで「和田はオリオールズからのマイナー契約を断った」という誤った情報が流れましたが、実際にはマイナー契約もオファーされなかったようです。その後、こちらの記事によると、カブスとスプリングキャンプへの招待つきマイナー契約を結んだとのこと。どこかべつのところで読みましたが、やはり3Aでの最後の6先発ぐらいがほとんどQSだったことを評価されたようです。カブスには藤川もいますし、ふたりで励まし合ってトミー・ジョン手術からの復活を遂げ、こんどこそメジャーで投げられることを切望しています。