Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O'sスプリングトレーニング:~3月第1週 控え組の熾烈な争い

オリオールズのスプリングトレーニングも順調に進行中です。

6戦やって4勝2敗ですが、この時期もちろん勝敗は関係ありません。主に控え組のなかから、ここまでで目立ってる人たちをピックアップしておきます。

◎ジョナサン・スコープが出だし快調。

2試合おこなわれた紅白戦(intra squad)でいきなり2HR。そのあとオープン戦に突入してからも、ベンチからの出場ながら8打数4安打、2ベース2本、3打点とあたっています(動画)。昨年、WBCに出場し、東京ドームでHRを打ったときのビデオがこちら。まあ、これだけでははっきりとはわかりませんが、やはり今年は腰回りがだいぶ大きくなり、スイングもさらに力強くなっているように感じられます。じつは昨年、WBCのあと腰椎の疲労骨折があって、半年ぐらい棒に振ってしまったんですよね。9月にメジャー初昇格して、2HR(だったかな)したのですが、そのあとのアリゾナ秋季リーグではさっぱり。才能は十分にあるので、ケガをしないことと、疲れで調子が落ちてきたときに多少なり立て直すすべを身につけることが課題なのかもしれません。その意味でも、好調なスタートを切ったこの春、どの程度コンスタントに調子を保てるのか注目したいです。

二塁手争いは、ここにライアン・フラーティーと、ジム・ジョンソンとのトレードできて、ドレッドヘアをばっさりカットしたジェイミー・ウィークスが加わります。こちらのふたりは今のところまだバッティングで目立つまでには至ってません。フラーティーは内外野どこでも守れるのでユーティリティーとしても貴重ですが、ウィークスはがんばらないとあかんかも。

【今日、現地7日のフィリーズとのオープン戦でもスコープくんは8回に1打席だけ登場してセンターにHR。やりますねえ。サードで先発したライアン・フラーティーも今日はHRを含む2安打2打点。】

◎二番手捕手争いも熾烈

マット・ウィーターズにつづく控え捕手は、昨年、フェルドマンといっしょにカブスからトレードできたスティーブ・クレベンジャーが一歩リードとみられていましたが、3月5日のツインズ戦で、ジョニー・モネルが4打数3安打1HR4打点と猛アピール。守備でもティルマンのショートバウンドの投球を体でとめて、ツインズの実況席から評価されていました。

モネルは27歳で右投げ左打ち。2007年のドラフト30巡めでジャイアンツに指名され、ずっとマイナーですごした後、昨年9月のコールアップでメジャーデビューしました。しかしSFにはバスター・ポージーがいることもあって、出場は8試合、9打席にとどまり、シーズン後にDFA。すかさず、オリオールズがクレームして、金銭トレードということになりました。昨年、3Aでは481打席で .275/.364/.494 HR20本と、なかなかの成績を残しています。開幕ロースターにくいこむことはできるでしょうか。

◎先発陣の状況は

これまでのところ極端に調子の悪い投手や故障者はなく、無難な調整ぶり。チェンがヤンキース戦で5安打(うちHR1)2失点とちょっと打たれていましたが、低めのファストボールはキレがよかったです。あとは変化球含め、全体的な制球か?

ヒメネスは、今日、現地7日のフィリーズ戦で初登板予定。

ユンはまだビザがとれていないので、観客のいる試合では投げられません。今週末カナダのオタワに飛んで月曜日にビザをとるための面談(?)を行い、手続きのため2、3日とどまって木曜日ごろフロリダに戻る予定だそう。そこからまた作り直して、ようやく実戦登板に入ると考えると、開幕当初は3Aという可能性もあるような気がします。

ほかに、昨年でオプションのきれたザック・ブリトンがここまでスピード、シンカーのキレなどで好評価を得ています。ローテに食い込むのは難しいかもしれませんが……。

救援陣はさらに熾烈な争いです。

・ブロック・ハンツィンガーが打者6人打ち取り注目を浴びる(記事)。

2007年BOSのドラ3。88年生まれ、マーくん世代の25歳。昨年はBOSの2A、3A合わせて49試合、68.2イニングに登板してERA1.83。アリゾナ秋季リーグにも参加していますが、そのあとFAになって11月にオリオールズマイナー契約を結びました。

えっと、マイナーでも6年以上たったらFAになるんでしょうか? いまいちわかりません。オリオールズではほかにも40人ロスターに載っている候補が山のようにいるので、開幕ロスターはきびしいかもしれませんが、結果を出しつづければ、いつチャンスがこないともかぎりません。

ナックルボーラー、エディ・ガンボアもおもしろい。

こちらは2008年オリオールズの21巡め指名。29歳。ナックルの割合は半分~7、8割までと試行錯誤のようですが、5日のツインズ戦では107km/hのナックルと、146km/hのファストボールを投げ分けて打者を幻惑していました。もっとまじまじ見てみたいです。

◎バンディ、マチャドは順調

ともに手術明けのふたり、ディラン・バンディはキャッチボールの距離を50メートル超まで伸ばし、平地でのピッチングを始めるところ。マチャドは、両サイドへの軽いステップを許可され、さらに今日はベースランニングで、右足、左足のそれぞれでベースを踏む練習をしたとのこと。こうやって日々、地道にハードルを越えながらできることを増やしているところです。15日にはもう一度カリフォルニアに飛んで執刀医の診断を受ける予定。

ヨハン・サンタナマイナー契約

2度めの肩のケガで昨年は全休だった元メッツの}ヨハン・サンタナマイナー契約。先日何球団かの前で投げたときには、まだ最速84マイルかそこらだったそうなのですが、6月の復帰をめざして、メジャーリーグキャンプでトレーニングすることになりました。

同じベネズエラ出身のO'sトッププロスペクトエドワルド・ロドリゲスにとっては、子どものころからのあこがれの選手だったようで、さっそくいっしょに記念撮影をしてもらったそう。契約は、基本給が3MILで、あとは登板数に応じて最高8MILぐらいまでいくそうです。

2月に入ってから急に活発になったオリオールズは、さらにアービン・サンタナとの噂もまだたびたび取りざたされるのですが、そこまでいったら、さすがに人があまるんじゃ? 希望額も下がっていないといわれますし、現時点ではあまり信憑性を感じません。【今日になって、サンタナ側が1年契約希望に切り替えたという情報が。ジェイズかオリオールズを希望しているそう。まじですか。】

その他の話題も。

◎ショウォルター監督、昨年のドラ2、ジョシュ・ハートに宿題を出す。

野手も含めた全体練習が始まって間もない2月末のこと。オリオールズのクラブハウスにかつてのオリオールズの名選手で、黒人初の監督もつとめたフランク・ロビンソンが激励に訪れました。その際、ショウォルター監督が昨年のドラ2で19歳のジョシュ・ハートをつかまえて、「この人を知ってるかい?」ときいたところ「知りません」との答え。監督は「じゃあ明日までに調べて1ページのレポートを書いて監督室に提出しなさい」とハートに宿題を出したのです。

MASNでこの話を読んで、いやー、いかにもショウォルター監督だわ~♡とにんまりしていたら、やっぱりだれもがそう思ったようで、たちまちYahoo!ESPNなどのナショナルメディアがこのストーリーをとりあげ、「知らなかった罰としてレポートを命じる」というニュアンスで報じたので、こんどはショウォルター監督が「いや、そんなつもりじゃなかったんだが。ハートに悪いことをしたな」と気をもむはめに(^_^;;

でも、監督の気持ちはちゃんと伝わっていたみたい。ハートは、「調べてすごくいろいろなことがわかったし、とても楽しかった」と前向きに受け止めていました。野球選手はグラウンドで勝負とはいえ、監督にもメディアにも印象をきざんでなんぼの世界。そういえば日本でもあの金田正一氏のことを「金村さん」と言ってしまった投手がいましたっけ(笑)(内海くん、あなたですよ、あなた。)でも内海もあの年に初のふた桁を挙げて、翌年からタイトルを取るような投手になったんですからね。注目というものは、案外、人を成長させるのかもしれません。

オリオールズの広報部長モニカ・バーロウさん、36歳で死去。

MASNの記事にリンクを貼っておきます。このときまでぜんぜん彼女のことは知らなかったのですが、モニカ・バーロウさんは2009年に第4期の肺がんとの診断を受けていました。36歳、喫煙はせず、ジムに通って健康に気を遣っていたのにもかかわらず。人生とはなんと不公平なことか。でもモニカさんは、周囲の人が病気のことを完全に忘れてしまうほど、あたりまえの顔をして遅くまで仕事をし、遠征にも帯同し、選手には「なにかあったら私を悪者にしていいから」と盾になって守り、よく笑い、2012年のプレーオフ進出のときにはいっしょになってシャンパンも浴びたそうです。読んでいて思わずもらい泣きしました。

今日、メモリアル・サービスが行われるそうで、監督と、主力選手は、フィリーズ戦の5回終了時あたりで早退し、チャーター機ボルチモア【訂正:バージニア:少しだけ近い】へ向かう予定。その後また夜にトンボ返りでフロリダへ引き返すとのこと。決して楽なスケジュールではありませんが、監督がメモリアル・サービスのことを口にしたとたん、選手たちが口々に「自分も参加したい!」と声をあげたのだそう。飛行機も、当初10人乗りのものを予定していたのを30人乗りに変更したそうです。Safe trip to and fro. 開幕時には正式にユニフォームにもなんらかの印をつけて1年間戦うことになるようです。

まだ試合開始まで30分あるので、あとは明日以降に追記します。

【3/8午後追記】

・未明に行われたフィリーズとのOP戦は15対4でオリオールズが快勝。先発のウバルド・ヒメネスは2イニングを無安打、無死球、3奪三振と上々の試運転でした。いやー、このままぐんぐんイニングを伸ばしてくれたら本当にうれしいんですが。

・デイヴィッド・ロウが元気。トレードのときから言われていたように、オープン戦でもずっといい守備を披露しています。バッティングでも目下11の4で.364。マクラウスの穴、埋めてくれるかな。ショウォルター監督は、ロウは現時点では対右投手専用と明言していて、左投手相手のときはクルーズをレフトで使う構想のようです。

・レギュラー陣ではマーケイキスが好調。今日の試合では4の4。OP戦通算でも10の7。去年激減した長打も出ています。

2012年、プレーオフを目前にしてサバシアから死球を受け、親指を骨折。それでプロ入り初のDLと手術を体験したあと、スポーツヘルニア、腹筋と、2年間で3つの手術を受け、昨年はけっして体調万全ではなかったマーケイキス。オフに相当トレーニングしたようで、今春は素人目にもからだが一回り大きくなっているのがわかります。

契約最終年ということもありますが、それ以上に、本人はとにかく健康体で1年間戦って、できることならオリオールズに残留したいと望んでいるよう(サン)。なんだか今年はやってくれそうな気がひしひしとするマーケイキスです。