Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

O's:スロースタートだけど心配してないもん

開幕戦に勝って喜んでいたのもつかの間、翌日からいきなり4連敗とつまずいたオリオールズ

ボストン相手に4/2:2-6(ヒメネス)、4/3:3-4(チェン)とカードを落としたあと、デトロイトに移動して、4/4:4-10(M・ゴンザレス)、4/5:6-7(ノリス)。まあ、2戦めは最後1点差まで追いあげたのですが。

そしてふと見れば、つぎの相手先発はバーランダー。うわ、やばいやばい……と思っていたら、クリス・ティルマンがバーランダーの向こうを張って、絶好調DET打線を止めてくれました。

4/6 オリオールズ3-タイガース1 ○

ティルマン、8回1/3、5安打1失点、1四球、三振5。みごとなピッチングで、バーランダーに投げ勝ちました(動画)。

相手のバーランダーも8回、5安打2失点という投手戦。英語だと投手戦のことを pitching duel(duelは「決闘、果たし合い」)といい、投手戦で投げ勝つことを outduel といいます。Tillman outdueled Verlander.かっこいい。好きな表現のひとつです。

ティルマン、開幕戦は力みからか今ひとつ打者を打ち取りきれず、5回までで104球に達してしまいました。それでも1四球、1失点にまとめるあたりが成長のあかし。そしてこのタイガース戦では、8回1/3で球数が113球。8回ウラにトリイ・ハンターを三振にとったファストボールが94マイル。球に力があり、強力タイガース打線をしっかり抑ええ込んでくれました。これはもうエースの働きです。

クリス・ティルマンは1988年生まれ。まーくんと同い年で、4月15日に26歳になるところ。若いです。2012年後半からの成長ぶりは、めざましいものがあります。なんといっても制球が安定したのがすばらしい。今季も2試合とも四球1。昔はすっぽぬけることの多かったカーブやチェンジアップなどの変化球で、ストライクをとったり、空振りを奪ったりできるようになったのがまことに大きいです。

タイガース戦からもうひとつ。トリイ・ハンターが3試合ともHRを打つ大当たりだった(というか、大当たりされた)のですが、じつはリーグ優勝決定戦(ALCS第2戦)でのHRを追ってのブルペンダイブがひびいて、体のあちこちを痛め、オフは治療で大変だったそう。上原と同じ39歳。元気な姿が見られてうれしいです。

そしてその翌日からはニューヨークに移動してヤンキース戦。フェンウェイにつづいてまたしても相手のホームオープナー。しかも日本人投手ふたりと対戦するという、日本中を敵にまわすシリーズです。

4/7 オリオールズ2-NYY4 ● 勝:黒田 負:ヒメネス

オリオールズ初のFA4年契約をしたヒメネスよ、そろそろ行こうぜ、と思ったけどあきまへんでした(>_<)

4回 2/3、8安打、4失点、5四球、三振4、109球

うーむ、球数と四球が多い。

せめて6回投げてほしいなあ……。でも例年スロースターターのようなので、気長に見まもります。なんでもメジャー通算で4月は10勝10敗、ERA 5.02、それ以降の月は72勝67敗、ERA3.86なのだとか。昨年はもっと顕著で、4月の防御率が 7.13、それ以降が2.72。(ソース:サン)

つぎ、たのんます。

打撃陣では、ジョーンズ、デイヴィスはまあまあ。まだHRが出ていませんが、二塁打はよく出ているのでもう少し。ジョーンズは外のゆるいつり球を見逃したりして、少し大人びた打撃を見せるようになってきました。なぜか日本のファンからもいろいろいわれることの多いジョーンズですが、毎年少しずつ進化する地道さが好きよ。

好調なのはウィーターズ。デトロイト戦3戦目の9回、逆方向へのHRは、パワーの進化を感じさせました。この日も2安打1打点。

ルーキー、ジョナサン・スコープは5回2アウトから2ベースでチャンスを作ったのに、ぼやっとしていて牽制死。ストライクのカウントを間違えてイニングオーバーだと思ったようです。ショウォルター監督から「一度きりですませれば、あとからいい経験だったといえるんだから」tと、キビシイはげましの言葉をもらったみたいです(^_^;;

2戦めはオリオールズの大勝になりました。

4/8 オリオールズ14-NYY5 ○ 勝:チェン

先発全員安打。しかもウィーターズ以外はみんなマルチ。そのウィーターズもリリーフのヌノから2ランHRを放って3打点です\(^O^)/ すばらしい打ち方。去年までちょくちょく気になった伸び上がるような腰の浮く感じがなくなっています。

ジョーンズも、上で書いたように着々と調子をあげていて、今日、ついにHRが出ました。それもセンター最深部へ。あとはデイヴィスだけど、調子が悪いわけではなく、よく出塁し、タイムリーも打っているのでまったく心配してません。

もうひとつよかったのは、先発のノヴァから打っておしまいにせず、リリーフのヌノ(ほんとはヌニョみたいですね)から7点奪ったこと。昨年はよく抑えられ、オープン戦でも好調だったヌノを攻略できたのは、今後につながるはずです。

オリオールズ先発のチェンは5回102球、9安打4失点3三振(無四球)。三者凡退が2回ウラしかなく、7-1とリードを広げた直後の4回ウラに3点取りかえされるなど、ちょっとハラハラの内容。試合後のコメントを紹介しておきます。

「調子はベストではなかった。チームメートが点をとってくれて、チームが勝てたことはとてもうれしい。制球が悪かったのが、次回への課題。それ以外にスピードに変化をつけることも必要だと思う。前回の登板より調子が悪かったので、また練習してこんどはもっといいピッチングができるようにします」(MASN)

その他の話題を。

◎JJハーディー、腰痛で4試合スタメンをはずれる。

練習中に腰にぴりっと痛みが走ったというハーディー。1日だけ休んで5日の試合には出たものの、翌日また練習中に悪化。 昨日までスタメンをはずれていました。幸い、治療でよくなって明日から復帰とのこと。内野は、ロンバルドージがけっこうがんばっていて(24打数8安打)、不振だったフラーティにもようやく当たりが出始めたところですが、やっぱりハーディがいないのは非常に心もとないです。復帰切望。

◎デイヴィッド・ロウがDLへ。ジェイミー・ウィークス昇格。

20安打と爆勝の昨日の試合にただひとり出場しなかったロウ。その前日の試合には元気に出場していたのに、どこかを痛めたらしく、どうやらDL入りするようです。代わりにウィークスがNYへ。3Aでは12打数6安打とよく打っていました。えーと、ロウはレフトですが、ウィークスも外野は守れますし、フラーティを外野に回すことも考えられますし、そこらへんユーティリティーの守備のレベルはわりと高いので、あまり心配してません。

【追記】けっきょくロスタームーブはなく、いったんNYにきたウィークスは送り返されました。気の毒。

ロウは、スプリングトレーニングのときにも感じためまいなどの症状がぶり返したため、ボルチモアの病院で脳しんとうの検査を受けたのだそうです。結果はシロ。症状もだいぶおさまったとのことで、きのううは終盤、守備固めに入っていました。

ブルペン陣が好調

今のところ、とりわけ目立つのがザック・ブリトンの好調さ。6イニング投げて2安打無失点に抑えています。エヴァン・ミークも切れがいい感じ。トミー・ハンターは2セーブ。スティンソンはけっこうヒットは打たれながらも抑えています。ロングマンとして貴重な働き。

反対に、ライアン・ウェブが3.2イニングで4失点。じつはオープン戦からずっとそんな感じです。シーズンが進むにつれて、ブルペンはもう少し選別されていくかもしれません。

◎3Aでユン・ソクミンが炎上(-_-)

そのブルペンの一角に割りこみたいユン・ソクミン。8日夜、ノーフォークで初先発したのですが、2回2/3、57球、11安打9失点で降板と、ひどく打ちこまれてしまいました。ゲムデでしか見ていませんが、ボールは大きくはずれ、ストライクはみんなまんなかに集まる、というパターンでねらい打たれていたように思います。コースぎりぎりをねらう、こまかい制球力はあるのか。あるいはもっと変化球をうまく使うことで打開できるのか。いずれにしても、もう少し試行錯誤が必要なようです。

さて、明日は久しぶりのナイター。いったいここまで何日連続デーゲームだったのかしらん。相手は、そう、マサヒロ・タナーカ。日本中が相手の肩を持ったって、そうかんたんに負けるわけにはいきません。だいじな試合のときはいつもそうであるように、明日は出勤日で見られないので、遠くから念を飛ばします。

Go, O's! (出た、今季初。)

【4/11 追記】

そしてオリオールズはタナカかだ3点を先取。その後同点にされるも、9回に2点をもぎとって、逃げ切りました。

オリオールズ5-NYY4 勝:マタス 負:ケリー S:ハンター(3)

2回のジョナサン・スコープの3ラン(^o^)

たしかに失投ですけど、見逃さずにみごとにふりきってスタンドにたたきこんだスコープはすばらしい! これでジョナサン・スコープの名も少しは売れるといいな、なんて思ったけど、日本のニュースでは「オリオールズ」という言葉すらほとんど出ないのでした(-.-#)(WBCのときのスコープのエントリにリンクを貼っておきます。)

オリオールズ先発のミゲル・ゴンザレスは、前回デトロイト戦で3.1回7失点と打ちこまれましたが、きのうは6回7安打3失点と、まあまあのピッチング。ただ、制球は全体的にばらつき、危ない球も多々ありました。ここぞというところでうまくゲッツーを打たせたりしながら、粘り強く投げた印象です。

両先発が降りてからのブルペンは、どちらも少しバタバタしましたが、初戦に抑えられたケリーを攻略して2点をとったオリオールズに軍配。たがいに8回にもピンチはありましたが、オリオールズエヴァン・ミーク、ブライアン・マタスともよく投げました。9回のマーケイキスの勝ち越し打にリンクを貼っておきます。この打撃もすばらしかったけど、この前にチャンスをつないだスコープの、アウトローの低い球をうまくたたいたヒットもすばらしかったです。

これが3カードめで初の勝ち越し。少しは見られる勝敗になってきました(^_^;; やはりDET戦でバーランダーに勝ったこと、そしてこのNYY戦で、眠っていた打線にある程度火がついたことが大きい。だいぶ落ち着いて持てる力を出せる環境はととのったんじゃないでしょうか。今日はオフ。このあとホームにもどってジェイズ、レイズと6連戦です。

【さらに追記】

アダム・ジョーンズの、マサヒロ・タナーカについてのコメントが話題になってますね。無視するのもなんなので、いちおう記しておきましょう。

まずは対戦前日の8日、タナカについてどう思うかとたずねられると、こうコメントしました。

「それよりタナカにぼくのことをきけばいいじゃないか? こっちはもうメジャーで何年もやってるんだから。彼が日本でのこした成績はりっぱだよ。でもそれで世界一手ごわいみたいに言わないでほしい」(NewsDay)

そして8日の対戦で、ジョーンズはタナカから1安打2三振。でも三振の打席でもよく粘り、2打席で計12球投げさせていました。試合後にまたタナカについてたずねられた際のコメント。

「べつになんとも思わない。勝ったことが一番大切。タナカはたしかにいい球を投げる。それは否定できないし、制球もいい。でもぼくらもよく打席で粘った。相手の先発に負けをつけるのが理想だけど、最終的に勝ったからそれでいい。タナカは7イニングマウンドで戦い、ぼくらも7イニング彼と戦った。簡単に打ち取られないよう、がんばったと思う。ぼくにとってはべつに特別な相手じゃないよ。めざすところにたどりつくため、倒さなきゃならない相手のひとりにすぎない。

タナカもぼくらに対応しなきゃ

ならないだろう。向こうのバッターとはちがうからね。メジャーではみんなかっとばす。お互い様で、こっちもタナカの球に対応しなきゃならないが。でも2日前に黒田と対戦していたのは助かった。球種が似てるから。シーズンを通してみると、そういうことが意外と役に立つ」(MASN)

ほかに、NyesDayに対しては「家に帰って『今日はタナカと対戦したんだよ』って言うとでも? パーティでもひらけっていうのか?」とも言っていて、だれかれなくタナカのことばかりきかれるのに、いささかうんざりしていたよう(^_^;;

うん、でも、いいと思います(きっぱり)。メジャーリーガーだったらこれぐらいの気持ちはみんな持ちあわせているでしょう。それを包み隠さず表明したのが、いかにもあけすけなジョーンズらしい。べつに失礼なことを言ったわけでもないし、これくらいカラフルなほうが面白いです。2度め、3度めの対戦で、お互いにまた対策を練って激突するときが楽しみになりました。名勝負を展開してほしいです。