Koji's Classroom II

ボルチモア・オリオールズと上原浩治投手の応援ブログ。スポナビ+から引っ越してきました。

上原、バースデーセーブ+ライバルチーム監督たち、上原を語る

まーくんが初勝利をあげ、ダルビッシュも寝違えから復帰してみごとなピッチングをしましたが、上原浩治も快調な2014年のスタートを切っています。

4/2  オリオールズ 2-BOS 6

初登板は4月2日のオリオールズ戦。6-2とBOSリードの9回ウラに登板。セーブのつかない状況でしたが、試運転としては最高の試合でした。

先頭デービスは一塁ナポリのエラーで出塁。

ネルソン・クルーズはライトフライ(1アウト)

ウィーターズは3球三振(2アウト)

つづくハーディーの打席で珍しくワイルドピッチ。走者二塁へ。さらにハーディのショート内野安打でランナー一、三塁。

しかしライアン・フラーティが一塁ゴロ。ベースカバーの上原に渡って3アウト。

いろんなシチュエーションをまとめておさらいできた登板だったかもしれません(笑)。中日スポーツにリンクを貼っておきます。

4/3 オリオールズ 3-BOS 4

2度めの登板は4月3日。そう、バースデー登板です。じつはバースデーに投げるのはめずらしくて、少なくともメジャーに来てからは初めて。2009年は4月8日が初登板、10年は前年のケガのため5月まで投げず、11年は2日と4日に投げてバースデーだけ飛ばしてます(笑)。12年はオープン戦不調のあおりで8日まで出番なし。そして昨年13年は1日、5日に登板。

さらにさかのぼって調べてみると……巨人時代の2008年は4月1日の中日戦に先発しているので、当然3日には投げず。

2007年はケガで出遅れて、シーズン途中からクローザーとして復帰。

2001~2006年は7年連続開幕投手で、やはりバースデー登板はなし。そのなかで2003年は3月28日に開幕したので、中5日なら3日?と思いましたが、じっさいの次回登板は6日。そしてルーキーイヤー1999年は開幕3戦め、4月4日の阪神戦に登板。

……てことは、バースデー登板はプロ16年で初めて? なんと貴重なことよ。しみじみ。この日、わたしはリアルタイムで見ていたのですが、上原がマウンドに上がった瞬間にパソコンがフリーズ。ちょっとお!と、あわてて再起動したらもう終わってました(泣笑)。いやあ、早い早い。三振ひとつとってるのに、全部でたった7球。おまけにそのうちの6球がストライクです。

1 ジョナサン・スコープを三球三振。初球、すばらしいファストボールが決まって、そのあとはスプリットふたつ。ジョナサン・スコープよ、これが上原浩治だ、という、完全に見おろした投球でした。

2 ライアン・フラーティを三塁ファウルフライ。これもスプリットで。フラーティーは、あてるのが精一杯。

3 ニック・マーケイキスをこれまた三塁ファウルフライ。マーケイキスにはファストボール2球なのですが、2球めは手元でクッと左打者の外に逃げるような軌道。Pitch f/xにはツーシームとありました。

試合後にはショウォルター監督が上原について、めずらしく長めのコメントをしました「コウジ・ウエハラのピッチングはどうでしたか?」という質問に答えたものでしたが、すごく具体的で面白かったので紹介しておきます。

「彼らはコウジの使い方を会得したね。それがまず第一。不意打ちをくわせる打者というのはよくいるが、コウジは、不意打ちを食わせる数少ない投手だ。(He's an ambush pitcher. One of the few I've seen. ) ファストボールに強いスピンをかけるので、スピードは関係ない。コウジの球はほかの誰よりも回転数が多いという話をきいたことがある(ショウォルター監督、ベースボール・プロスペクタスの記事読んだのかな。当ブログでも紹介しました。)

カウントを悪くしても変化球でぽんとストライクをとってタイミングをずらすし、左バッターにはスプリットを振らせる。武器がたくさんあるうえに、どれも切れ味が鋭い。15球までのあいだに捕まえられればチャンスがあるかもしれないが、ファストボールが手元でぐっと伸びるからタイミングを合わせるのも難しい。だから早いカウントでやられてしまうんだ」

この日、上原が試合前のストレッチをしていたら、仲間の投手たちがハッピーバースデーの歌を歌ってくれたそう。「あとはプレゼントを待つばかりですね」とアメリカの記者に向かって軽口をたたいていたようですが、そのプレゼントはファレル監督から「今日は9回に投げてもらうよ」と試合前に言われたことだった――とオフィシャルサイトの記事には記されていました。

それからもうひとつ。この試合で「無四球+1奪三振以上の試合」が21試合連続となり、クレイグ・キンブレル(20試合:2012年5月20日~7月14日)を抜いてメジャー史上1位に躍り出ました。当ブログの「上原No.1コレクション」の記事の末尾にもちょっと記してあります。若いキンブレルが相手なので、また抜きかえされるかもしれませんが。

さて、4月4日にはボストンにもどってホーム開幕戦。チャンピオンリングの贈呈式がありました。これは待ちに待った瞬間だったことでしょう。テキサス時代にもアリーグチャンピオンのリングをもらいましたが、あのときはくやしい思いのほうが大きかったでしょうから。

贈呈式の動画を(Gao)。さらに本人ツイートからリングの写真も。ルビー、サファイア、ダイヤかなあ。豪華ですね。

翌5日には今季3登板め。3者三振です。

4/5 BOS 6-ブルワーズ 7 上原、6-6同点の9回表に登板。

1 アラミス・ラミレスを三球三振!

2 クリス・デイヴィス(Khrisのほうね)を三球三振!

3 ローガン・シェーファーをフルカウントからスプリットで三振!

いや~、これはほんとうにすごいピッチングでした。最初のふたりを片づけたとき、だれもが3者連続三球三振を期待したので、次打者の初球がボールになったとき、思わずブーイングが(笑)。人間はどこまでもぜいたくになるものです(上原ではなく、審判に対するブーイングだったみたいですけどね)。ファウルで粘られ、ボールも3つ投げて(番記者のピートさんの言葉を借りれば"Shockingly went to a three-ball count. ")フルカウントまでいきましたが、7球めで空振り三振。日曜日の朝に気持ちのいいピッチングを見せてもらって幸せでした。動画のリンクを貼っておきます。

昨年があまりにもよかっただけに、今年はさすがにパフォーマンスが落ちるのではと危惧する声もありましたが、今のところそんな懸念は吹っ飛ばす勢いです。じつは開幕直前にレイズのマドン監督が、「上原は今年もやるだろう」と語っためずらしい記事が、ロードアイランドの新聞に出ていました。

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History suggests Koji Uehara can repeat his outstanding season

2012年にK/BB 5.07、ERA0.60というすばらしい成績をあげながら、昨年は成績を落としたフェルナンド・ロドニーの話から入って(ロドニーの場合は、WBCの精神的な余波、とマドン監督は語っています)、上原はそうならないだろうと結論づけています。

「昨シーズン上原は、73登板で、101奪三振に対して四球わずか9個 という数字をたたきだした。これはチーム記録だ。防御率も1.09をマークした。今年もこれと同じだけの数字を期待するのは、むずかしいかもしれない。

しかし、大きく数字を落とすと思ったら、大まちがいだ。

ロドニーとちがってオフにWBCがなかったのも理由のひとつだが、もうひとつの理由は、上原がロドニーよりはるかに長期間にわたって好成績を残しつづけているということだ。

1997年以来、昨年の上原なみの成績(1イニング1奪三振以上、1イニング2四球以下、ERA+200)を残したのべ14人のリリーフ投手を見てみると、そのうちの7人が、翌年もK/BB 4.0以上という数字を残している。翌年、K/BBが2.51(昨年のメジャーリーグ平均)以下に落ち込んだのは、わずか3人で、そのうちの1人がロドニーだった。

そもそもロドニーの年ごとの成績を見てみれば、年間で四球数が三振数の1/5におさまるタイプの投手でないことは明かだ。2012年まではK/BBが3に達したことすらなかった。

一方上原は、レッドソックスに移籍する前年、テキサス・レンジャーズでも、四球1個に対して三振14という記録を残している(37登板)。メジャーリーグでリリーフ専門となった2010年から2012年までの3年間で、上原は183の三振を奪い、四球はわずか17しか出していない。K/BBは10以上だ。昨年のような成績を、上原は何年も残しつづけているのだ。

レイズのジョー・マドン監督はつぎのように語る。

「ウエハラのことはよくは知らないが、とてもシンプルなピッチャーだね。これは、最大級のほめ言葉として言っている。シンプルであるがゆえに、昨年に迫るような成績を残す可能性はおおいにあるんじゃないかと思うよ」

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ところでボストンは、なにげにブルワーズに3タテを食らったんですよね。ブルワーズが強いのか、ボストンの調子があがらないのか。シェーン・ビクトリーノの開幕DLに加えて、ミドルブルックスもハム痛でDL入りし、ベストメンバーとはいえない状態のようであります。気がついてみれば、つまずき気味のオリオールズと肩をならべて2勝4敗。ははは(^_^;; どちらが先に立ち直るか、競争だい。